朽木に発生する変形菌を探すときは、太い松の朽木がねらい目です。しかし、現実には山に行っても適度に腐朽した松の丸太が地面に転がっていることは少ないと思います。

 

実は昨年8月の台風で枯れた松の枯れ木の大木が林内の作業道を塞いでいたので、通行の邪魔になっていたのですが(頻繁に通るのは私だけだと思うのですが)、地元の方がチェーンソーで切って下さって丸太を道端に転がしてありました。これがその丸太の一部です。思った通り、今日見ると白い矢印の部分にツノホコリ、黄色い矢印の部分にムラサキホコリが発生していました。

 

 

 

これは今年2月に某水源の森に行った時、湿地帯の沼の上の尾根筋の道に積んであった間伐した丸太です。将来腐朽して変形菌が出そうかというと、無理かもしれません。それは山の尾根筋は乾燥しやすく、変形菌に不適だからです。

 

そこで、私は柿の木畑の隅の日当たりの悪い場所に、丸太を積んであります。ここに変形菌が発生するのを待つわけです。

この方式だと、別の山林で採取した変形菌の胞子を朽木に散布することによって、新たな変形菌の発生が期待できます。 

 

同じような観察場所は、1km位離れた山林の隅や今は空き家になっている実家の裏にも設けました。

 

これは3年前に実家の裏に木材チップ製造会社から買い付けた丸太を置いておいたのですが、そこにムラサキホコリが発生しました。これは6月30日のブログに書いたムラサキホコリのその後です。個々の子実体がばらけています。胞子もかなり飛散しているようです。

 

今日(7月6日)もいつもの山を巡回しました。苔むした朽木に小さい変形菌が発生していました。最初気づかなかったのですが、近くにあったアワフキムシの泡の写真を撮るために近づいて気づきました。

 

アップで撮りました。ムラサキホコリの一種ですが、子実体が短いし、一個一個独立して発生しているなど、実家の朽木に発生していたムラサキホコリとは明らかに異なります。図鑑で調べると、コムラサキホコリの様です。

 

 

このような朽木に発生する変形菌とは別に落ち葉に発生する変形菌がありますが、これは大変です。多くの場合、肉眼で見えないくらい小さいので、落ち葉を取ってルーペで見ないと分かりません。変形菌がある所にはあるのでしょうが、ない時はいくら落ち葉を探しても見つかりません。しかし、偶然見つかった時はうれしくなります。