今日は雨がやんだので、森に変形菌を見に行ってきました。雨がたくさん降ると、立ち枯れ状態の枯れ木でも水分を含むので、変形菌が発生していました。

 

ピンク色の出来立てのマメホコリです。松枯れで立ち枯れている松の木に発生していました。

 

出来たてなのでピンク色ですが、明日になると薄茶色になります。

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表面に独特の模様があります。子実体の基部のドロッとしたものは変形膜と言って、アメーバから子実体に変身した後の名残です。

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ところが、これは何でしょうか? マメホコリのアメーバが丸い子実体に変身しようとするときに雨に当たられると、このような訳の分からないものになってしまいます。こうなると、子実体形成が出来ず、胞子を作れません。変形菌のアメーバが活動するためには、雨が降って朽木が水分で満たされることが必要ですが、一旦アメーバから子実体形成に モードが切り替わると、雨は禁物です。 (翌日再度現地に行って観察すると、これはクダホコリの出来初めでした。マメホコリというのは間違いでした。後でその後の様子を報告します)

 

 

この透明なゼリーは、変形菌のツノホコリ(タマツノホコリ)のアメーバです。朽木から染み出てきました。

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ゼリー状のアメーバが、変形菌のツノホコリ(タマツノホコリ)にほぼ変身完了しました。

 

これがよく分からないのですが、ウインナソーセージのように見えるのは変形菌のクダホコリです。しかしその周辺の白い塊は何でしょうか?

クダホコリも朽木から染み出たアメーバから子実体に変身しますが、その時アメーバの一部が変形膜として残ります。それが雨で流れたのかもしれません。

 

カオスなマメホコリとクダホコリはこの倒木の奥の方の側面に発生していました。

これは一見変形菌のように見えますが、実はカビの一種、子嚢菌類のアカツブタケの不完全時代(アナモルフ)です。先端の丸い部分は胞子の塊です。シンネマと言います。実はアカツブタケの仲間は柿など果樹の太枝や幹を枯らす植物病原菌として報告されています。この菌は、私の柿や梅の木の畑に置いた枯死した庭木の枝から発生しましたが、大丈夫なんだろうかと心配です。アカツブタケと言っても、詳細に調べると果樹に植物病原性のあるものとないものに分かれると思うのですが、情報が無いので不安です。