全然梅雨に入らないで連日猛暑が続いています。こうなってくると、森を散策しても粘菌(変形菌)の発生は全く望めません。それどころか、キノコだって出てこないと思います。

 2年前の秋からイタモジホコリの黄色いアメーバの飼育を続けています。最近の観察ではどうもスーパーで買ってきたマイタケが好みの様です。私達人間にとっても、例えばシイタケでは胞子を生じるヒダがある傘の部分が美味しいので、軸とか石づきの部分は捨ててしまって食べません。

 

 粘菌にとってもマイタケの傘に相当する部分が美味しいようですが、マイタケでは軸の部分がわずかなので、餌として好都合です。ブナシメジでは軸の部分が大きいし、一般にマイタケより価格が高いようです。

 昨年も6月以降室温が高くなって、粘菌の成長が速くなって、頻繁に飼育容器を変えなければならなくなりました。そこで冷蔵庫の野菜室に入れたのですが、日中でも12℃位で、夜間は10℃を切ることがあります。このような限界ギリギリの低温が続くと、下手をすると粘菌アメーバが死滅してしまうことがあります。

 

 今日も日中は室温が30℃を超えました。これでは持ちそうもないので、思い切って市販のワインセラーを購入しました。これだと12℃から18℃の温度設定が可能なので、粘菌にとっては居心地の良い環境です。それに粘菌の飼育容器もぴったし収まります。 

 いつ梅雨入りするのか分かりませんが、その時は粘菌アメーバを探しにあちこちに行くつもりです。そして、採取したアメーバをこのワインセラーで飼育したいと思います。

(この項は6月22日に追記しました)

これはワインセラー内の温度を測定したデータです。6月17日から20日まで試験しました。庫内温度は18℃に設定しましたが、実測値は17.2℃~17.4℃でほぼ一定でした。一方室温は約21℃~27℃と変動しました。 

 

 

 

ワインセラーは重宝です。いろいろ調べると、夏場暑い時に苔テラリウムを入れたり、クワガタの幼虫を入れたりされている人がいました。

冷蔵庫では低すぎるし、部屋全体をエアコンで冷やすのは電気代がかかりますし、趣味の生物用の手ごろな暑さ対策の道具です。

 

(この項は7月5日に追記しました)

 ワインセラーで言い忘れたことがあります。ワインセラーの扉は中が見えるように透明になっています。しかし、粘菌アメーバに室内の光が当たり続けると、子実体に変化してしまうので、私はワインセラーが入っていた段ボール箱を活用して扉を覆う蓋を作りました。

 もう一点は、ワインセラーが届いた後、すぐに電源を入れて、粘菌の入った容器を入れたのですが、翌朝見ると、アメーバが縮小して、いつもと様子が違っていました。これは変だと思って、庫内の臭いをかぐと、発泡スチロールの箱の中のような化学臭がしたので、そのせいかもしれないと思って、3,4日間粘菌を入れないで空運転したところ、臭いが少なくなりました。念のため冷蔵庫脱臭剤のキムコを入れたところ、臭いがほとんど無くなりました。以後粘菌を入れていますが、問題はありません。