倒木に生えているコケから赤色の長い柄が伸びてその先に緑色の円筒形の物が出来ているのをよく見かけます。私はコケには興味が無かったので、先にできているのは種子だろうと思っていました。調べると、緑色の円筒形の物は蒴(さく)といってこの蒴の中にはコケの胞子がいっぱい詰まっています。この胞子が発芽してコケの雄株と雌株が生じ、それらが成長して、受精して減数分裂したものが胞子になります。一般にコケのことを蘚苔類と言いますが、コケ類は蘚(せん)類・苔(たい)類・ツノゴケ類に分かれるそうです。この様に柄が伸びてその先に蒴(さく)が出来るものは蘚類です。普通にコケと言ったら蘚類の方です。苔類は平べったい葉っぱのような形態で全然違います。苔玉作りに使うのもこの蘚類のコケです。しかし、パソコンなどで「コケ」と入力すると「苔」と出てきます。奇妙ですね。コケとか地衣類とかいろいろありますね。

 

 

↓ コケの中から丸くて白っぽい子嚢(のう)の変形菌が出ていました。子嚢表面に光沢があるのでまだ未熟な子嚢だと思います。これから色が濃くなって変化していくと思うので、2,3日様子見です。この子嚢はオレンジ色の球体のホソエノヌカホコリよりもやや小さく、目視では直径1ミリメートル以下です。

 

↓ これは変形菌(ムラサキホコリ?)に寄生菌のカビがまとわりついているところです。朽木の裏側など湿気ている所では変形菌がカビに寄生されます。変形菌は細菌やキノコを食べますが、また逆にカビに寄生されたり、虫に食べられたりして持ちつ持たれつ森の中の生態系を保っています。

カビの細い菌糸の先が分かれているように見えますが、これはカビの胞子です。顕微鏡で胞子の形などを見れば、おおよその分類群はわかると思いますが、家で粘菌アメーバを飼っているので、このような危ないカビは持ち帰らないことにします。