今日はすべて私ビジョンでのお話!
第2発目にしてちょっと長いです。


私宮城もちは2010年にデビューした訳ですがすぐハムさんは北海道に帰ってしまいました。
同じ団体に同じようなキャラは2人もいらないと言われており一番の新人で当然のように負けまくる宮城もちは常に焦っていました。
何か人と違うことをしたかった私は考えた末に隠していたコスチュームのお腹の部分の布を切ってセパレートに。
お腹を出してお腹を武器にしました。
それは回りの先輩には絶対出来ないことだしそれが宮城もちがオンリーワンになるきっかけの序章でした。

そのうちハムさんが帰ってきていざ一緒に組んでみると・・・似すぎてハマりました。
生まれも育ちも違うしもちろんDNAも全然違う訳で・・・それにも関わらず私達の動き、考えは当時からシンクロしてたのです。
私達は本格的にタッグでの活動を開始しのちに『らぶりーぶっちゃーず』となりました。

タッグ戦線でも軌道に乗っていた矢先に私が膝の怪我で長期欠場。
らぶりーぶっちゃーずは活動休止しになりました。

プロレスができないとまず収入がなくなってしまうのでお仕事を探しそちらで膝の様子を見ながら働き出しました。
復帰するまでの短期アルバイト…
働きだして1年。膝に後遺症の違和感はありましたが完治。

仕事も軌道にのり仕事に没頭するあまり社員に。そしてチーフという役職をいただき毎日働くことに充実感を感じてしまった私はプロレスを忘れようとしました。
自分から連絡することがなければレスラーから連絡がくるなんてほとんどないし、実際仕事してるのは事実。
毎日大変だけど今がとても大事。
誰かに何か言われても仕事を理由に断ればいい…。
私はプロレスから逃げ始めました。

私一人くらいフェードアウトしても問題にはならないだろうし、普通の人なら戦うという事がまず日常にあるわけがないのです。

でもそんななか一人連絡をくれていた人がいました。
それがハムさんです。

「怪我はもういいの?」

「調子はどう?」

「復帰まってるよー!」

内容はいつも様々。
先輩なので言えませんでしたが、正直もう諦めてくれよと…。
毎度思っていました。
やんわりした返事をするときもあったけど
無視してしまうときもあった。
ハムさんは毎回諦めなかったけど、
私にはもうプロレスをやる気はなくなっていて、心残りと言えばフェードアウトはやっぱりちょっとな。。。っていう逃げた自分への気持ちのモヤモヤ。
もう大きな怪我するのも嫌だしね。


そんな気持ちも普段心のどこかにしまい仕事に没頭していたのちまたハムさんからメールがきました。
「3月後楽園で試合をしよう!それで復帰するのもいいし、続けるのが嫌ならそこで引退してくれてもいい」といった内容。
自分はそのメールにとても惹かれました。

そこで引退ができる。

今まで逃げてた自分にやっとこれで終止符が打てるのだと。

【引退】に向けての練習を再開しました。


そして3月。
現役のハムさんにパッと復帰した私が勝てるわけもなく…。
はい、それではみなさん今までお世話になりました。今まで逃げてた自分とやっと決別が出来ます。
さよーなーらー!!!!

ってなるはずが!!

翌週には数年ぶりの道場マッチになんのためらいもなくあがっていました。

プロレスとはすごく不思議なスポーツです。
嫌悪しか抱いてなかったプロレスがまた大好きになってリングに上がる。
今までの自分を払拭するかのようにまたイキイキとやりだしたプロレス。

プロレスに嫌悪していたはず。でもそれは今思うと嫌いになろうとしていたんですね。
でもやっぱりなれなかった。
そして相方の存在。ハムさんがずっと待っていてくれたことが大きかったと思う。
復帰してからはシングル路線よりかはタッグとして試合をすることが主でした。

ずっとプロレスにたいして負の気持ちだったのに今は1試合1試合がとても大事。
取りこぼして良い試合なんて1つもない。

タッグって恋人じゃないけど、恋人のような存在だと思う。相手が何を考え何を感じ、何を求め何を欲しがってるのかを常に考える。
でもそれが私には分かるし、相方のハムさんだって分かってくれてると思う。

ハムさんが北海道に帰るとやっぱり寂しいし戻ってくると安心するのです。



去年の11月、横浜でハムさんが一緒に組んで戦ってたあおいさんを裏切ってハムさん自ら勝ちを狙いにいった。

私はものすごく見ててたぎった。
ベルト挑戦表明のマイク、とてもかっこ良かった。
この時私は絶対ハムさんが勝つって信じた。そしてこの瞬間から次のベルト挑戦表明は私!だっていう、自分の中で全力で意識しだした。

12月31日見事にハムさんはあおいさんを越えた。
何年もかかってやっと取れた念願のベルト!
涙でた。
タッグパートナーとしてこんなに誇らしいことはない。
だから私の渾身の1発お見舞いしたよね。

チャンピオンになって嬉しさに浸る暇もなく私の襲撃。何が起こったのかわからずキョトン顔してたハムさん。

2015年の後楽園を女子プロレスが締め括る瞬間だったのに、襲ってごめんなさい。
でもね、今まで私達が一緒に過ごしてきた私の気持ちをぶつけたつもり。
何も言わなくてもその気持ちハムさんならきっと汲んでくれますよね?

私はハムさんのパートナーだからなに考えてるのか分かる。だから手の内とかわかっちゃうと思う。
でもそれはハムさんにとっても同じこと。
明日は馬鹿し合い、だまし合い、駆け引きが重要になる試合だとおもう。

先輩だけど、姉妹のようなライバルのような家族のような特別な存在のハムさん。
あのとき私を、カンバックさせてくれてありがとう。

今私がプロレスをやれてるのはアナタのおかげです。
私のパートナーがハムさんでよかった。
私がハムさんのパートナーになれてホント良かった。

私新しいコスチュームお腹開いてません。
宮城もちをオンリーワンにしたお腹の技はもうやらない。
それがなくても宮城もちはもう充分宮城もちでいられる。


明日私はアナタを越えるからね。

きっと。




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