花 100 | 舞う葉と桜〜櫻葉・嵐綴り〜

舞う葉と桜〜櫻葉・嵐綴り〜

腐女子向けのお話ブログです。

横山さんに渡すチョコも、相葉くんに渡すフィナンシェも届いた。


でも俺は、リーフシードに行けないでいた。





………こわくて。





おかしいだろうか。


あのハウスに居る動くオレンジの木。


あれに意思が、意識があるような気がすると思うのは。





いや、待て。


それはおかしい。


普通に考えたらおかしいに決まっている。


相葉くんもそんなことは一言も言っていない。





だがしかし。


駄菓子菓子。





次にたかはしたかしが来ると思ったかい?





眠る相葉くんを抱き締めるみたいにしていたオレンジの木。


俺を威圧するみたいに『睨んでいた』オレンジの木。


威嚇のように、忠告のようにあちこちに落とされているオレンジの葉っぱ。





おかしいのだろうか。


そう思う俺がおかしいのだろうか。


連日の寝不足と連日の酒の飲み過ぎで、俺の思考回路がおかしくなっているのだろうか。





まあ、1回心がやられちゃってるから。


残念だけど『俺がおかしい』可能性しかないだろうな。


酒を飲まないとマンションに居られなくなってるし。





さすがにこれはまずいと、二宮先生のところに電話をしてすぐ行った。それが水曜日。





もちろん、あのオレンジの木のことを話すわけにはいかない。


だから、またオレンジ恐怖症が出始めて………と、話した。





二宮先生には、リーフシードに行くことや、オレンジMを取り返すことをやめるとか、もっと間隔をあける、もっと落ち着いてからにするなどをしたらどうかと言われた。





けど、それは。





ここまであれこれしてくれている相葉くんや風間さんに申し訳なくて。





俺がそれはできないですって言ったら、このままじゃぶり返しちゃうよ?って。


それは櫻井さんが一番分かってるよね?って。





………はい。


………分かってます。





うん。


そうなんだよ。


やばいんだよ。まじで。


このままじゃ俺。


このままじゃ。





………また、ぶっ壊れる。


俺が。心が。





「オレンジの何がそんなにこわいですか?」





二宮先生曰く、人はぼんやりしていること、はっきりしないこと、つまり漠然としたこと、曖昧なことに対して恐怖や不安を抱きやすいらしい。


だから、何がこわいのか、どうこわいのか、どうなりそうなのかなど、どうなったらダメだと思うのかなど、具体的に考えたらどうだろうと言われた。





確かにそうかも。





ってことで、俺はそれをやってみることにして、前に二宮先生のところに通い始めた頃の薬を出してもらった。





眠れる薬と、落ち着く薬。





もちろん、酒を控える約束とともに。





さらに、ひとりで居ることがこわいなら、不安なら、実家から仕事に通うことも考えた方がいい、とも言われた。





………けどそれは。


そこまでじゃないと、思いたい。


まだ、そこまでの状態では、ないと。





薬を飲んで、オレンジの木への恐怖を書き出して、少し様子を見てみますって答えて、診察を終えた。










「もちさんっ‼︎」
「え、ええ⁉︎相葉くん⁉︎」





そろそろリーフシードにお伺いしないとなと思っていた、金曜日。


連絡しなきゃ連絡しなきゃと思いつつ、連絡できないままの金曜日。


相葉くんと最後に会ってから5日の金曜日。


禁断症状が出始めた金曜日。





ここは農業大学研究室。


俺の職場。





の、はずだが。





何故かそこに、相葉くんが、お天使が降臨なされた。もちさん‼︎って、結構な勢いで。





「大丈夫⁉︎」
「へ⁉︎ななっ………何が⁉︎」





大丈夫って何⁉︎


っていうかお天使が何故ここに⁉︎


ほわーい⁉︎





今にも俺に飛びつかんばかりのお天使に、もちはオロオロするばかりなのであった。










本編祝100㊗️

おめでとうって方は米ください🌾

最近寝坊がひどいみやぎです{emoji:062_char3.png.えーん}