乃木坂46の白石麻衣(26)が出演する日本テレビ系ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」(土曜・後10時)が20日にスタートする。白石は赴任2年目の世界史教師役。下ネタも平気なやさぐれ感たっぷりの役どころで「みなさんがイメージしている私と違った一面を見せたい」と意欲を見せた。乃木坂46が結成されて9年目。「センターでなくても自分のできる役目を果たしたい」とグループ第一を念頭にした上で、独自のセンター論を披露。また、グループを引っ張ってきた1期生が続々卒業している中、自身については「卒業はタイミングかな」と話した。(ペン・国分 敦、カメラ・小泉 洋樹)

【写真】「週刊少年チャンピオン」に4号連続で表紙&巻頭グラビアを飾る筒井あやめ

 ドラマは古田新太が演じるゲイで女装趣味の教師が「ダイバーシティ」構想を掲げた私立高校に赴任し、独自の接し方で学生の悩みや問題を解決する痛快学園エンターテインメント。そこで白石は「ぽこち〇」「でか〇ん」など下ネタも平気で言う、少々ぶっ飛び気味の教師として登場する。
 「先生役って初めてです。やってみたいとかの願望はそこまでなかったんですけど、実際に私は26歳だから先生でいてもおかしくない年齢なんですよね。ちょっとでも先生らしく演じられるようには心掛けているんですけど、けっこうやさぐれている教師で始業式の日に居眠りしていたり、刺激的な台詞(せりふ)を言ったり。(下ネタの)台詞を言うことに抵抗はないですが、私が通ってきたごく普通の先生とはまったく違いますね」

 ―優等生のイメージを払拭する役だが。
 「う~ん、いろんな人から真面目というイメージを持たれがちですけど…。グループでの役割みたいなところからそう見られるのでしょうか。自分自身はもうちょっとはじけたタイプだと思います。今回、自分の思っていることを出し切ってやるつもりですけど、ファンの方もそうでない人も、こんな一面もあるんだと思ってもらえるような演技ができたらと。ぶっ飛んだんじゃないですけど、何か気になるような先生でいたいです」

 

今や歌やCM、ドラマなどで活躍。日本のエンターテインメント界の一線を走っているが、学生時代は芸能界に興味はなかったという。
 「高校の時、音楽への興味はありましたが、芸能界に入りたい気持ちはなかったです。音楽の専門学校に行って先生に乃木坂のオーディションを紹介してもらって『一つの経験として受けてみよう』というノリでしたから、受かった時は焦りました。でも(デビューするまで)何回もやめたい、やりたくないという気持ちはありました。夜中までミュージックビデオ撮って、次の日は早朝からジャケ写撮りとか。今までと全然違う生活リズムになって、若干のストレスだったり不安とか、この先どうしたらいいんだろうって。まだグループの色も何もついていない、楽曲もない。どうやって(グループを)作っていくんだろうと深く考えた時に『あんまり続けられないかも』という気持ちにもなりました」

 ―乗り越えられたのはなぜ。
 「一番は一緒に活動している1期生のメンバーがいたからですね。楽しい時やつらい時をみんなで共有して乗り越えてきましたから。でも(グループが)“イケそう”と思ったのは最近ですよ。一昨年の東京ドーム公演からで『ドームという大きな箱でできるようになった』って。大きく成長を感じたのはその時です。ドームは楽しかったな~。広い会場の上までぎっしりサイリウム(発光ライト)が見える。あの景色は忘れられません」

 デビューからメインメンバー“七福神”に選ばれ続け、6枚目のシングル「ガールズルール」ではセンターを射止めた。だが、次作で外れることに…。
 「正直、そこに立とうとは思わなかったですし、選ばれた時は『どうしよう』って不安でいっぱいでした。生駒(里奈)ちゃんがそれまで5作連続センターをやっているのを見ていて、重圧やいろいろ背負うものがあるポジションだなと思っていましたから…。乃木坂の子って私だけじゃなく『私、絶対センター立ちたいんだ』って思う子がビックリするぐらいいなくて、それが乃木坂の色というか良さかもしれません。7作目に外れた時はホッとしたというより戸惑いがありました。入ってきたばかりの2期生の堀(未央奈)ちゃんがセンターで『入ってきてすぐにセンターに立つんだ』みたいな、正直ちょっと複雑な感情はありました。そんな思いも、センターの子を支えるというか隣になるポジションが多かったので、徐々に背中を押してあげられるようになりました」

 

チームを引っ張ってきた白石には自らが考える「センター論」がある。
 「私もセンターに立ってから周りが見えてグループのことをより考えるようになれたので、センターっていろんな子が経験した方がいいと思います。それに楽曲にもよりますが、センターに立つ子でグループの雰囲気も全然変わるんですね。私の最初のセンターでは盛り上がるような曲だったので元気な感じを出すと、周りの選抜の子もそれに常についてきてくれました。いい例で言うと、西野(七瀬)がセンターに立った『気づいたら片想い』の時、楽曲もすごいはかない感じでしたが、どこか守ってあげたくなるような雰囲気を西野が出して、それがメンバーに伝わり、そこで『乃木坂ってはかない』というイメージがついたと思います」

 昨年は生駒をはじめ斎藤ちはる、若月佑美ら多くの1期生が卒業。特に盟友・西野がグループを去ったショックは大きかったようだ。
 「1期生がいなくなるとさみしさは残りますけど、その子たちがいてくれたおかげで今の乃木坂があるワケです。新しい子が入ってきて、またグループも力をつけられる時代になってきているのかとは思いますね。西野の時はそういう(卒業の)話もしていたので覚悟はしていました。そろそろだなって。いつも隣でシンメ(トリー)になることも多かったりして一緒に頑張ってきたので、どうしても(いなくなって)最初の頃は、今もちょっとそう思いますけど、どこかさみしい…。でも、彼女の新しい道を応援したいと思っています」

 ―自分の卒業についてはどう考える。
 「卒業はタイミングかなとかは思いますね。はっきりとは私も分からないとしか言えないんですが、そろそろという時が絶対に来ると思います。『私グループで全てやりきった』とか『乃木坂には私がいなくても大丈夫だな』という時期が来たら卒業かなと思います。それから先ですか? あまりゴール地点を決めていなくて、やりたいことができたらいいなとか、今が楽しかったらいいかなって。私けっこう軽い感じなので」
 クールビューティーは仮の姿なんだろう。グループを背負う責任から解き放たれた時、彼女の真の魅力がはじけるはずだ。

 

◆欅
 妹分の欅坂46の存在はいい刺激になっているようだ。
 「欅ちゃんとは全然グループの色が違います。同じ坂道グループで妹分にはなると思うんですけど、私たちとは全然、方向性も違っていて向こうはかっこいい楽曲も多いですよね。でも、いい刺激にはなっていますね。欅ちゃんを見ていて『パフォーマンスかっこいいな』とか『すごいなダンス』って思いますけど、乃木坂はそこじゃない。私たちは乃木坂らしさを出していけたらと思っています」

 ◆素
 ―素に戻れる時は。
 「私、結構このまんまって言われます。お仕事なので切り替えはありますが、基本的な感じは変わんないです。だからあまり疲れたとかも思わないし、メンバーといる時とか楽屋では、ちょっとうるさいのかなというぐらい。お仕事も好きですし、それ以外は料理ですね。家でご飯を作っている時はすごいゆったり時間が流れている感じがするので落ち着きます。手間をかける料理が好きですね。時間がある時には大好きな豚の角煮を作ったりします。普通の鍋で4時間ぐらい煮込みます。ストレス解消にもなります。時間があったら調理師免許とか欲しいとは思いますが、今は時間がなかなかないので…」

 ◆仲
 乃木坂46のメンバーは、どこか一歩引いたおとなしさがあり、女性グループ特有の悩みはないそうだ。
 「乃木坂には難しい人間関係はないです。すごい言われるんですよ。『実際は仲悪いんじゃないの?』って。でも本当に仲が良くて、みんなで支え合いながらやっている感じです。それは昔から変わらなくて、みんなの空気感が似ているのもあるんでしょうかね。乃木坂に入った時に1期生の子に『何で入ってきたの』って聞くと『アイドルになりたくて入ってきた』って子は少なくて、親とか友達が応募したという子が多くてガツガツした感じはないですね。初めて顔を見た時に同じ空気感を感じてやれそうな気がしたし、そんな雰囲気があったから今までにない新しいグループ像ができたのかなと感じます」