◆三谷幸喜のザ・マジックアワー(平成20年東宝) | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。

▼写真ACからの hshkさんによるフリー画像「幻想的な夕焼け」


守加護という港町のミナトホテル。
銃を持った黒川(寺島進)が部屋に入って来て、備後(妻夫木聡)は捕まった。
一緒にいたのは、天塩商会のボス(西田敏行)の愛人・マリ(深津絵里)だった。
2人はセメント漬けにされそうになるが、スナイパーのデラ富樫と顔見知りだと言って、5日以内に連れてくれば、全てを水に流してくれることになった。
もちろん備後のウソ。
誰に聞いても居場所まではわからない。

備後はクラブ・赤い靴の支配人。
備後は替え玉作戦を思い付き、映画俳優の村田(佐藤浩一)に白羽の矢を当てた。
備後から自ら監督をやり、台本も無いと聞いて、村田は席を立ってしまった。
村田は次の芝居でも、役者(唐沢寿明)と息が合わず、降板することになった。
村田が落ち込んだところへ、再度備後は誘い、同意した村田はマネージャーとともに車に乗り込んだ。
話を聞きながら、村田は「オールアドリブなのか?」と驚いた。

マネージャー・長谷川(小日向文世)は疑いの目を持ち、安心して仕事が出来ないとクレーム。
撮影になって、カメラが無いんじゃダメだぞと釘を刺した。
たまたま街に来ていた撮影隊をガス漏れだとだまして避難させ、そのまま器材を利用した。

街に着くシーンはマリまで担ぎ出して、デラがホテルを探すシーン。
クラブ・赤い靴の従業員親子・鹿間(伊吹吾郎)、夏子(綾瀬はるか)も協力してくれた。
村田は「こんなスリリングな経験は初めてだ」と言った。

村田がボスと初対面。
隠しカメラで隣のビルの窓から撮っていることになった。
「君がデラ君かね」
村田はナイフを舐め「俺がデラだ」
黒川からカーテンを閉められて、慌てて備後が開けた。

先月、ボスが狙撃された。
「撃ったのはお前だ。君を雇ったのはデボラ商会。私は自分に銃口を向けた人間を決して許さない」
村田「だったらお返しに、俺もいいことを教えてやる」
村田は突然飛びかかってボスに銃口を向け、2階の窓から飛び出した。
窓の下にはトランポリンが用意してあった。

ボスは、村田の持っていたゴム製の拳銃を手に取りながら「冨樫君、一つ相談があるんだ。君の底なしの勇気には、ほとほと感心したよ。類まれなるユーモアのセンスだ。気に入ったよ。うちに来ないか?」
村田「お断りするよ。この商売の信用が大事だ」
ボス「残念だね」
天塩の部下たちが村田に拳銃を向けた。
備後が「カット」と言って入ってきた。
備後の説得で、仲間になることを約束した。
ボス「冨樫くん、私に力を貸してくれるね」
村田「今日からあんたをポスと呼ばしてもらうよ」
備後は後見人になった。

黒川が真似して「カット」と言ったため、村田は怒った。
備後はバーに戻ってきて「役者って、すごいな。本物の殺し屋に見えた」と、夏子に言った。

ボスは、デボラ商会の会長・江洞(香川照之)に電話した。
「デラ冨樫はウチの仲間になった」
江洞は食事中で、デラ冨樫も一緒だった。
江洞「君のまがいものが、出回っているようだな」

黒川が備後に無断で、村田を取引場所に誘った。
黒川「香港マフィアから仕入れた秘密兵器を、東南アジアのゲリラ組織に売りつける」
村田「なるほど、お馴染みの光景だな」
黒川「高性能のライフル銃だ。あんたの力量を知りたいためだ」銃も渡した。
備後も大急ぎで追いかけた。

波止場に到着。
黒川「奴らがもうすぐ到着する」
村田「みんなスタンバイ出来てるのか?」
黒川「役者は揃った」
村田「役者だけじゃダメなんだ」

村田はバッグを空にして、演技で重く見せかけた。
相手の現金も偽物だった。
村田「派手にぶちかまそうぜ」
ゲリラ組織と撃ち合いになった。
村田「ものすごい撃ち合いでしたね」
黒川「俺もこんなの初めてだよ」
撮影だと思った長谷川は真ん中に入って、ゲリラ組織にパンチされた。

黒川は事務所に戻った。
ボス「デラはどうだった?」
黒川「奴は本物です。敵の弾の中を笑いながら転がっていきました」
ボス「デラと飯が食いたい」

マリ「いつまでこんなこと続ける気?」
備後「確かなのは、やらなきゃ僕たちの命がなくなるってことです」

村田は、料理を食べる真似をした。
ボス「ダイエット中か?」
備後「食べていいんだよ」
村田「黒澤方式か?」
食事中、マリによるステージが始まった。

ボスのカンパニーに、国税局から査察が入ることになった。
ボスから村田への司令は「裏の仕事の帳簿があるのだが、帳簿係の菅原が国税局の人間と連絡を取り合っている。今夜中に菅原を消してくれ」

備後「こうなったら、あの人に本当のことを打ち明けるしかない」外に飛び出した。

村田は備後に「デラ冨樫が最高の役だと思っている。声をかけてくれて感謝している。ありがとう」
黒川が入って来て、病院の図面を渡した。
村田は、鹿間、夏子と夜に病院に向かった。

マリ「私、決めたわ。やっぱり街を出よう」
備後「どうしてボスの申し出を断ったんですか?」
マリ「あの人はわたしを側に置いておきたいだけ。私は人形じゃないわ。なんやかんや言っても、所詮は田舎のヤクザじゃない」
備後「おい!」
マリ「お金使うったって、たかが知れてる。しかも今は下り坂。近いうちに、街はエボラに乗っ取られるわ。先の見えた人に興味はないの」
そして備後に「あなたには未来がある。ねえ、一緒に逃げよう。新しい街で2人で暮らそう」
車にマリを乗せた。

マリ「戻るなんて言わないでよ」
備後「やっぱり村田さんをほっとけないよ。あの人は今は売れてないけど、いい役者だ」
マリ「どんなにいい役者でも、永遠に騙し通せるわけないでしょ。いつかはバレるって。バレたら、私たちはどうなるの?考えてよ」

村田は菅原を見つけ、銃を構えた。
備後が追いつき「カット」

菅原まで車に乗ってきたので、備後は守加護警察に連れて行った。
黒川に電話して、警察が来たことにした。

村田は街でマリと公開されている『暗黒街の用心棒』を見に行った。

備後はボスに「申し訳ありませんでした」
ボス「完璧な人間などいない。私にとって問題は、部下の裏切りだ。人は100%かつ見込みが無ければ、勝負に出ない。これは人生の鉄則だ。君は大いに甘かったと言わなければならない。これは映画のワンシーンだよ。どんな映画だと思うか?君には悪いが、これはコメディだよ。純然たるコメディだよ」
ドアが開き警察が来て、菅原が連れてこられた。
ボス「ここの警察署庁と私は中学の同期なんだよ。さーて、どうしたもんかな」

マリが村田をほっぽらかして帰って来た。
夏子「備後さんがつかまりました」
マリ「馬鹿な男」

備後を助けに行った村田まで捕まった。
備後と菅原がセメント漬けにされた。
備後「村田さん、あんたに謝らければいけないことがある」
村田「聞いてないよ俺は」

夏子がマリに「掛け合ってあげなさいよ。ボスに」

村田は、セメントが固まって来ている。
太田垣が村田にパンチした。
村田「監督、これひょっとして映画じゃねえな?映画じゃねえのかよ。あんな芝居二度と出来ねえぞ」

マリが入って来て、太田垣を後ろから殴った。
黒川が降りてきて解放してくれた。
「これで借りは返した。今度会った時は殺す」
菅原は固まってしまって、バケツごと運ぶことになった。

マリはボスに「気が変わった。ずっとそばにいる。あの人たちのことを許してあげて」

備後「あなたの演技は完璧だった」
村田「お前に何がわかるんだよ」
備後「もう一度だけ、力を貸してくれませんか」
村田「悪いな、監督」断って帰ろうとした。

村田は映画館に忘れ物をした。
村田の目の前で、撮ってあったフイルムが偶然再生された。
見ながら村田は涙を流した。

村田は備後のところに来た。
「デラ冨樫に相応しい死に様を与えてくれ。ラッシュ見たんだよ。お前は俺の最高の演技を引き出しやがった」
村田は東京から映画スタッフを呼んだ。

備後「マリさんを助け出す」
菅原は帳簿の内容をすべて覚えていた。
備後はボスに、菅原の帳簿内容披露のビデオを見せ、マリを引き渡せと要求した。
ボス「驚くべき記憶力だな」

ボスは備後についてマリに「どこまでも愚かな男だ。彼には死んでもらうことになるが、構わんかね?」
江洞が市長と警察署長らを連れてきた。
「市がバックアップしてくれることになったんだよ。あなたもそろそろ今後の身の振り方を考えた方がいいと思いますよ」

村田は『暗黒街の用心棒』主演の高瀬允を見かけた。
村田はのラストシーンのセリフを聞き出した。
高瀬「そろそろだね、マジックアワー。役者辞めるんだってね。もったいないな。いい演技はスタッフのおかげ、いいスタッフに巡り合うことだ。早いんじゃないかい。君はまだ若い」

霧の中、村田が映画スタッフのクレーンで、マリの部屋の窓の前に現れた。
「ポケットに手紙が入っている。その指示に従え」
次に村田が黒川の部屋に押し入り、拳銃の弾を抜いた。

波止場で菅原とマリの交換。
菅原が走って車の影で入れ替わり、身代わりの鹿間が撃たれ、海に飛び込んだ。

長谷川たちが東南アジアゲリラ軍団になって銃を構えていた。
(ポスと黒川はこれが劇であることを知らない)
村田「死ぬのは怖くない。怖いのは誇りを失ったまま生き続けることだ。生まれ変わったら、一緒に暮らそう」と、『暗黒街の用心棒』のセリフを放ったが、マリは付いて来れなかった。

ボスが「ちょっと待った」と叫んだ。
ボス「殺すんなら私を殺せ。撃つなら私を撃て。私は全てを失った。もういい。マリのためにここで命を落とせるなら、本望だ。備後、マリのことは頼んだぞ」
東南アジアのゲリラ軍団は去って行った。
マリ「私はどこへもいかないわ」
一同が「えっ」
村田「あんたの勇気に負けたんだよ」
ボス「お前、誰なんだよ」
マリ「私はこれからもあなたとずっと一緒」
ボス「備後くん、そう言うことらしい。悪いね」

ボス「さよなら、こんなことになっちゃって」
マリ「ごめんな」と言って、黒川を置いて車は走り出してしまった。

備後「こんな結末ってありか?」
村田「マリが幸せになったからいいだろ」
長谷川「これじゃ役者は辞められないな」
村田「ああ」

備後「この街にももういられないな。これからゆっくり考えますよ」
村田「お前さんは、どこでも生きていけるよ」
備後「村田さん、また会えますか?」
村田「俺に会いたかったら、映画館に来な」
備後「楽しみにしてます」

医師が銃を持って現れた。
「よくも私の名を語ってくれたな。銃を捨ててもらおう」
村田「デラ冨樫は俺だけだ」
医師「では、必然的にどちらか消えてもらうようだな」
銃を置いた村田「デラは人を撃つのに拳銃なんかいらないんだ。彼は生まれながらの殺し屋だから」
「バン、バン」
言うたびにネオンが爆発し、備後が、夏子が撃たれた。
炎が道を走り、後ろの車が炎上した。
びっくりしてデラ冨樫は走って逃げて行った。

映画チームに向かって村田は「なべちゃん、完璧」
備後「お疲れ様でした」
鹿間「撤収ー」
映画スタッフの片付けが始まり、唖然とする黒川。

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佐藤浩市がコメディーに出るのが新鮮に感じた。
他にもたくさんの俳優陣がチョイ役で楽しませてくれた。

マジックアワーとは、日没前の数十分、日中や屋内では撮れない、幻想的な雰囲気の写真が撮れる時間帯のこと。


『記憶にございません』の記事はこちら(2021年2月5日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12654287197.html

では、明日。