◆『翔んで埼玉』:実は原作者は埼玉LOVE | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。

魔夜峰央さんが30年前に書いたギャグ漫画。
2015年に、約30年ぶりに単行本として復刊されたことをきっかけに多数のメディアで取り上げられ、実写映画として公開されることになった。
日本アカデミー賞・優秀賞最多12部門ノミネート



その昔、東京都・埼玉県・神奈川県東部というところが一体となってできていた大国・武蔵国があった。
やがて、東京と神奈川が独立、取り残された海なし県、それが現在の埼玉県というところである。

埼玉にまつわる、ある都市伝説。

キャバレーで突然、サイレンが鳴った。
埼玉県人の青年が見つけられ、通行手形を要求された。
持っていないと知られるや、連行されてしまった。
埼玉県人は川口の関所から東京へ入れない。
都内のいたるところに、不法侵入者たちを感知して知らせる監視カメラがある。

いつの日か埼玉を救う救済主が現れないかという、革命の物語なのである。

銀野ライラさんによる写真ACからの写真 )

官僚を輩出するエリート校の白鵬堂学院に麻実麗(ガクト)が、アメリカから転校してきた。
埼玉県人たちの暮らす小屋が見えた。
「あいつら今でも通行手形が無いと街を歩けないのよ」
生徒会長は、壇ノ浦百美(二階堂ふみ)という男性。
麻実を見て、顔が美しいだけでなく、都会指数も高そうだと感じた。
2人の前でZ組の3人が現れた。
信男(加藤諒)は、昌子を医務室に連れて行きたいと言う。
「医務室を利用できるのは、東京都民だけだ。埼玉県人には、そこら辺の草でも食わしておけ」

麻実は、百美の足を蹴飛ばして倒した。
「権力をかさに威張り散らしているやつを見ると、勝手に足が出る」
「貴様、埼玉県人の味方をするつもりか?」
「別に」麻実は去ってしまった。
「こんなことして、ただですむと思うなよ」

Z組の昌子が草を食べようとしたところ、麻実が来て「治りはしないよ。これ、飲むといい」薬を与えた。
Z組の部屋の中を見せてもらったら、ひどい環境だった。
この学校を卒業すれば、東京で働くことはできるという夢がある。

青山の壇ノ浦の自宅。
理事長・建造(中尾彬)が「麻実と言えば、東京丸の内証券会社の御曹司。財界でも指折りのビッグネームだ。おろそかにできんよ。麻実は学校に10億もの寄付金を払ったと聞いておる」
執事の阿久津(伊勢谷友介)が、理事長の迎えの車が来たと知らせに来た。
阿久津も、麻実は要注意人物だとマークしていた。

麻実は自宅で、30キロのベンチプレスをしていた。
家政婦のおかよに、東京初日の感想を話した。
「がっかりしたよ。白鵬堂学院には、お高く止まった連中や、自分を卑下する連中しかいない」
父親からのビデオメッセージ「お前の使命を忘れるな。都知事になり、通行手形制度を撤廃させ、埼玉を解放させるのだ。埼玉の未来はお前にかかっている」
転校して来た麻実こそが、埼玉を救う救世主だったのである。
しかし、麻実麗のことをよく思わない、あの男が勝負を仕掛けて来た。

会長による公開処刑が始まるという。
生徒は講堂に集まった。
これまでA組に来る男子生徒は都知事候補になっても、会長に潰されて終わりだった。
壇上で麻実を紹介した。
お題を受け、ヒートアイランド対策について、外国語でスピーチした。英語以外の何各語も交えて。
次は、東京ティスティングの格付けクイズ。
瓶に入った空気を吸って、どこの街なのか当てるもの。
麻実は渋谷、白金、難問の第3の西葛西も正解し、百実の最短記録を更新した。
百美は立ちくらみをした、キャッチした麻実が「医務室まで運ぼう」

医務室で麻実は「キミはツンケンしなければカワイイのに、もっと、素直におなりよ」
そしてキスをした。
百美はすっかり麻実のとりこになってしまった。
生徒の態度がよくなったのも気づいた。
麻実「キミが弱さを見せて、周りも親しみやすくなったのだろう」

百美は麻実を理事長に会わせた。
阿久津は麗のことを「お前らは埼玉デューク、クーデターを仕掛ける日を待っている奴らだ」

百美と麻実は港区でデートしていたら、埼玉警報が鳴った。
家政婦・おかよが、子どもと遊びに来ていたのが、当局に見つかった。
麻実も埼玉県人だと疑われたが、否定した。
「では、埼玉県人でないところを見せてもらおう。これを踏むんだ」
隊員が草加せんべいを出した。
「しかも、シラコバト付き」
見ていた百美「麗、そんなの早く踏んじゃえよ」
麻実はせんべいを踏めなかった。
隊員「やっぱり埼玉県人だな」
麻実「だったら、どうする?」埼玉ポーズを取った。
おかよ親子は捕まった。
麻実と百美は逃げることが出来た。
「ここから先は私、1人で逃げる」
百美「麗が埼玉県人でもいい、付いて行きたい」
「一緒に来るか、所沢へ」
「と、と・・・」地名を最後まで言えなかった。

学院に館内放送が流れた。
「麻実麗君は隠れ埼玉県人であることが判明しました」
理事長の元にも、百美も一緒に逃げ回っていると連絡があった。
「恥知らずめ、今すぐ連れもどせ」

麻実と百美は、池袋にたどり着いた。
「池袋は、埼玉県人の夢の街。同胞の者たちも多数生息している。埼玉に戻り、体制を立て直す」
百美「戻ると言っても、ここから埼玉に戻る道は全て封鎖されているはず」
麻実「茨城を経由していく。上野から我孫子経由で取手で降りる、それから徒歩で埼玉との県境へ向かう」

SATの隊員が、所沢の麻実の父のアジトを襲った。

常磐線に乗った2人。
百美が「松戸で降りれば」と提案したが、麻実「千葉解放戦線に捕まったら、身体中の穴という穴にピーナッツを詰め込まれ、九十九里で網引きをさせられる」
列車が急ブレーキ。
動物のヌーの群れが線路を渡り始めたため、運転の見合わせ。
2人は、村人の引く台車に乗った。
百美は、野田に着いてしょうゆ臭を感じた。

かつて埼玉県人が大洗までトンネルを掘って、海水を引こうとした計画があったが、霞ヶ浦の淡水が流れ込んで来て、計画は頓挫されたこともあった。

麻実と百美は、阿久津ら千葉解放戦線に襲われた。
阿久津の目的は、通行手形を撤廃したいため。
都知事の執事として、チャンスを伺っている。

千葉の海岸でとらわれの身となったが、バイクの助けが来て、春日部にたどり着いた。
助けてくれたのは、埼玉デューク(京本政樹)だった。
かつて埼玉デュークはクーデターを企てたが、エンペラー千葉・阿久津の父によって阻止された。

歴代の都知事たちは、私腹を肥やして金塊を隠している。
百美は都知事である父親のことは尊敬していた。
だが、東京を離れて、他県の人たちがどれだけ辛い思いをしてきたかわかった。
通行手形を撤廃できるよう努力すると、誓った。
麻実は「1番を競い合うのではなく、互いを認め合えれば」

百美は、突然高熱に襲われた。
埼玉デュークによると、春日部の蚊に刺され、サイタマラリアに感染している。
東京の医者に診てもらわなければならない。

都知事・建造は、阿久津に対して、「これまでの賄賂は無しだ。その代わり、千葉を東京、神奈川に続く第3の都市にしてやっても良い。埼玉デュークをつぶせ。殺しても構わん」と命じた。

埼玉デュークが馬に百美を乗せ、草加に差し掛かった時、鉄棒隊によって射殺された。
百美は、麻実が阿久津に捕らえられた夢を見て、起き上がった。
自宅のベッドだった。

池袋の地下組織の同志たちは、埼玉ホイホイで壊滅状態。
千葉はこの戦いに勝てば通行手形を撤廃できると息巻いている。
春日部のアジトに、麻実の部下の猿橋が、やっとの思いでたどり着いた。
父からのメッセージで、デュークが麗の本当の父で、デュークは父とされていた人の弟だったことを知らされ、父も連行されていった。

麻実は、デュークに代わるリーダーになり「今、我々にできることは埼玉を守ること。千葉を迎え撃つ」と宣言した。

百美は咳き込みながらも、都知事の部屋を探し回っていた。
銀のクルミを箱に入れたら、秘密の部屋への扉が開いた。
秘密の部屋には群馬の地図やだるまがあった。

麻実が、千葉解放戦線との戦いに気合を入れたが、埼玉の武士たちからは士気が上がって来なかった。
それどころか、浦和の隊長と大宮の隊長がもめ出してしまった。
「俺たち、商品券もらったから来ただけで、戦い方だって教わってない」と帰ろうとした。
麻実「お前たちには埼玉を守ろうという埼玉愛はないのか」
Z組の信男「本当は悔しいです。身内なんかで争っている場合じゃない」
高校生たちの訴えにより、埼玉チームが一つになった。
麻実「流山橋を通って攻めてくる。いざ、出陣じゃ」

百美は1人で群馬に入り、捕まってしまった。

流山で千葉と埼玉のにらみ合いが続いた。
兵隊は、千葉7万に対して、埼玉9万。
千葉から有名人対決の「カード」が示された。
X-ジャパンのヨシキに対しては、アルフィーの高見沢。
次に女優、埼玉は反町らで反撃。
千葉は市原悦子を出してきた。

神奈川県知事(竹中直人)が崎陽軒のシウマイ弁当を持って、建造を訪問。
デュークを仕留めたのは、神奈川県の使者だった。
「これを機に、東京に楯突くものを潰してやりましょうよ」
金色のひょうちゃんが入っていて、建造のひょうちゃんコレクションに加わった。

阿久津「我々には海がある」
麻実「我々には誇りがある」
兵隊同士による、直接対決が始まった・・・。

「見つけました、金塊の隠し場所を」捕まったと思った百美は、群馬県スタッフに身分を伝え洞窟に案内されていた。
赤城山の洞窟から大量の金ののべ棒を見つけた。

突然、千葉と埼玉のデモ隊が一緒に都庁に向かって進み出した。
阿久津と麻実が手を組んでいた。
実はデュークも生きていた。
前夜に阿久津のアジトにデューク、麻実、百美が集まっていた。

百美は「不正を握りつぶすなんて、許されることではありません」
「百美、やめてくれ」と建造は土下座したものの、聞き入れられなかった。

麻実らは都庁に着いた。
百美は都知事の不正を暴いたチラシをばらまいた。
「ごめんなさい、お父さん」

建造が連行され、埼玉と千葉のデモは一つの成果を生んだ。
麻実と百美は熱いキスをした。

建造は失脚し、埼玉と千葉の通行手形は撤廃された。
両リーダーは騒乱罪として、取り調べを受けることになった。
「これからも良きライバルとして競い合って行こう」
と、麻実と阿久津は握手を交わした。
デュークは百美に「これはまだ序章に過ぎない。これからのことは君に託した。君こそが救世主だ」とファイルを渡した。
そのファイルには『日本埼玉化計画」と記されていた。

現在、埼玉は言わずと知れたショッピングモール天国。
「何もない」と揶揄され続けて来た埼玉県だったが、実は特化したものが無いだけで、ほどほどに満たされている、という魅力に気付き始めた。
そんなほどよいこの街は、今や全国に広がりを見せている。

埼玉から発祥したそれぞれの店は、全国に点在している。
中でも埼玉で1号店から始まったコンビニチェーンであるファミリーマートは今や全国に1万7000まで店舗を増やした。
埼玉の植民地である池袋は、全国住みたい街のベスト3にランクインした。
それを皮切りに、今まで圏外だった埼玉勢の中で、浦和大宮までもがライクインすると言う快挙を成し遂げた。
さらに東京、神奈川と埼玉をつなぐ鉄道アクセスは飛躍的に発達。
来る日も来る日も、埼玉のみならず埼玉県の空気を、東京と神奈川に輸送し続けている。
もはや日本国民は全国どこにいても埼玉県と触れ合っている。
西も東も北も南も、埼玉で覆いつくされているのだ。
しかしこれほど一気に進んだ埼玉化には、埼玉解放戦線の活動があることは知られてはいない。
彼らは普通の生活を送りながら、粛々とその計画を推し進めている。
あなたのすぐ近くにも、彼らはいるかもしれない・・・。

数年後、百美と麻実は埼玉県人の決起集会で
「埼玉の良さを広めて行こうではないか」
麻実「次の計画を発表する」
「世界埼玉化計画」という垂れ幕が降りた。

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『のだめカンタービレ』、『テルマエロマエ』の武内英樹監督がメガホンを取った。
名立たる俳優陣が、みんな楽しんで大真面目に演じていたようだった。
ビデオで出て来た麻実の「父」は、何者だったのか。
原作者は、ギャグ化しながらも埼玉県に相当詳しい人のようだった。
ファミリーマートが埼玉県狭山市で誕生したことは知らなかった。
ブラザートム・麻生久美子の車のシーンは、カットしてもいいかと勝手に感じた。
エンディングのはなわの『埼玉県のうた』も、2003年の曲を再録音したそうだ。

今回テレビで観たが、劇場で周りの人と一緒にゲラゲラ笑いながら楽しみたかったものだ。


謎のやりすぎウマすぎ 大繁盛ご当地チェーンの記事はこちら(2017年10月9日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12317964641.html

では、明日。