◆池上彰が2回目の米朝首脳会談をわかりやすく解説 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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トランプ大統領と金正恩委員長の2回目の歴史的会談がベトナムの首都ハノイで開催された。

TK Kurikawaさんによる写真ACからの写真


【金委員長って何の委員長】
・国務委員会委員長
・朝鮮労働党中央軍事委員会委員長
・朝鮮労働党委員長
3つを兼務している。
中国の習主席もこの3つを兼務している。

【北朝鮮と国交があるのは】
162カ国(2017年2月現在)
国交が無い先進国は、日本、アメリカ、フランスぐらい

【なぜアメリカと北朝鮮が敵対していた?】
1950年6月朝鮮戦争が勃発。
韓国と戦争していた北朝鮮は優位に立っていたが、アメリカの加勢によって、消滅の危機にまでさらされた。
中国やソ連が加勢して軍事境界線のところで休戦して現在に至っている。
中国やソ連(現 ロシア)の援助が減ったため、独自路線でいくことになった。
軍事力を強化することになり、限られた資金を核ミサイルに注ぎ込む方針を取った。

寧辺(ヨンビョン)に作った原子炉を核施設にして、豊渓里(ブンゲリ)で核実験。
それぞれにミサイル基地を置いた。
アメリカはこのミサイルをすべてやめさせたいという思いがある。

【最近まで相手をののしり合っていたのに、なぜ両者は急に近づいた?】
トランプの思惑として、中間選挙に有利だと考えた。
歴代の大統領に出来なかったことを成し遂げたかった。
北朝鮮としては、今の体制を保証して欲しかった。
両者の思惑が一致して会談が行われた。

【どこで開催するか】
それぞれの相手国に行くのはプライドが許さない。
第1回はシンガポールが手を挙げた。

【第1回の共同声明】
・新しい関係を樹立する
・平和の体制を構築する
・完全な非核化に向けて取り組む
・米兵の遺骨の返還
非核化については、具体的なことが何も決まっていなかったため、第2回で詰める事になった。

【第2回の場所はベトナム】
北朝鮮とベトナムは、似た者同士とも言われる。
1958年には金日成国家主席がベトナム訪問した。
今回金委員長は列車でベトナム・ハノイまで。
飛行機だと3時間半なのを鉄道ではおよそ60時間。
列車で行ったのは、おじいさんを習ったから(当時は広州までしか通っていなかった)。

1960年代ベトナムでも戦争があり、北緯17度線で南北が区切られていた。
最初は南ベトナムの中での戦争だった。
北ベトナムが解放戦線を援護した。
最終的には解放戦線が南べトナムを壊滅させて南北が統一されている。
アメリカとの関係も良くなり、ベトナムは急激に成長して来た。
2002年から2017年で、物価が3倍
ベビーブームのため働く人が多い・平均年齢が30.4歳
経済成長率6.6%(日本は1.14%)
北朝鮮は、ベトナム式の経済発展をしたいという思いがある。

ベトナムはドイモイ政策(=刷新)
政治はベトナム共産党の一党独裁、経済は資本主義。

アメリカはかつてベトナムに経済制裁をしていたが、解除している。
「完全な非核化をすれば、北朝鮮はすぐ経済大国になる」
と北朝鮮に呼びかけている。
ベトナムは中国の南シナ海進出の脅威もあって、アメリカに貸しを作っておきたかった。

【今回の会談では何を決める予定だったのか】
<交渉カード>
想定していた北朝鮮からのカード
・寧辺核施設査察・廃棄
・非核化の行程表
・核・ミサイル完全申告
・ICBM(大陸間弾道ミサイル)廃棄

アメリカの用意した見返りは
・人道支援
・連絡事務所設置
・朝鮮戦争終戦宣言
・南北経済協力の再開
・経済制裁の緩和(北朝鮮から石炭を買わないなど)

【やりとり】
北朝鮮→米国:寧辺の核施設の廃棄と経済制裁の一部解除
米国→北朝鮮:他の核関連施設も廃棄
北朝鮮→米国:完全な制裁解除を要求してきた
アメリカから、不合意にしたと言われる

今回は事務方の下交渉がまったく出来ていなかった。
ポンペイオ国務長官が外交交渉をしたことがなかったため。
北朝鮮と交渉をしたことにある人物もいなかった。
トランプ大統領としては、取引のプロである俺が出ていけばまとまるのではないかとの思惑があった。

【第3回はあるのか】
これからも話し合っていきましょうということで一致したものの、3回目については、現時点ではわからない。
労働新聞は、物別れになったことまでは報道していない。

金委員長は新年テレビで、これ以上核兵器は作らないと言っていたが、今ある核兵器については一言も言っていない。
ここが不気味なところ。


前回の「池上彰とアメリカ西海岸」の記事はこちら(2018年12月8日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12423741119.html

では、明日。