第67回
萬平逮捕のニュースが新聞に掲載され問い合わせも多くなった。
従業員も心の中では不安だが、福子は「出荷が止まることはない」
真一は「罰金をどうするか考えないと」。
萬平に面会できるのは家族だけ。
福子は1人で東京へ行くことにした。
鈴は「萬平が目をつけられているのでは」と不安を口にした。
世良は金庫を蹴飛ばしたとき、骨にヒビが入ったから大阪に帰って治療に専念すると言って帰ってしまった。
みな薄々仮病だとわかっていた。
萬平は中野のアメリカ第8軍刑務所に収監されていた。
福子が面会
「どうしてこんなことになったのか、まるでわからないんだ」
萬平「東京の会社を売却して罰金の7万円を捻出するしかない。会社の資産経営に詳しい弁護士を探してくれないか」
福子「この子が生まれてきたときはお父さんに抱っこしてもらいたいです」
「すまない」
食堂で食事会
福子は、東京に着いてから何も食べてなかった。
なかなか引き受けてくれる弁護士がいないとこぼしていた。
食堂の娘の兄の知り合いが弁護士を始めてまだ2年目
翌日福子と真一は訪ねてみた。
東太一・何となく頼りなさそうな印象の弁護士だった。
第68回
弁護士秘書の尾崎が「東は東京帝京大学を首席で出た」
萬平を出すことよりも、罰金を払うことを優先させる話をした。
東にも資産経理の経験はなかった。
「でもやらして下さい。僕が引き受けます」
泉大津では、不安になった森本が会社がつぶれると言いだした。
岡は「わしらが卑屈になってどないすんやねん」
森本は「すまんかった」
福子は東を連れて面会に。
東は英語で書かれた判決文を読んだという。
福子は「東大一にチョンをつけただけやないですか」
東によると、脱税を取り締まる法律が改正され、より厳しくなった。
戦後の混乱期で脱税が横行している。
たちばな栄養食品は見せしめになった。
「アメリカの憲兵裁判所への不服申し立ては一切できません」
「僕はずっとここに、4年間も!」
「僕も頑張ります。諦めないで下さい。東京の会社は売却、ダネイホンを販売する権利も売る。7万円で買ってくれるところはあるはず。大阪のたちばな栄養食品は守ることが出来る」
「僕は東先生を信じるよ。福子無理はするなよ」
第69回
2週間後、東は豊村商会という信頼できる会社が買ってくれて罰金7万円は払ったことを報告。
いい知らせがある
萬平印のダネイホンは残ることに
福子は「萬平さんをここから早く帰してほしい」
萬平は「刑が確定しているんだ。それは無理だよ」
「萬平さんを私たちのところに帰して欲しい」
「考えます」
事務所で秘書の尾崎は「これは金にならない仕事でしょ。私の給料払えるの」
と嫌味を言った。
神部は、食堂やまね・美代子に「弁護士さんを紹介してくれてありがとう」
美代子は告白でもしそうな雰囲気だったが
「私は、応援してますから」
このやり取りを東京の社員が窓から見ていた。
神部は、美代子よりもタカの方が美人だと言ったが、みんなは冷たかった。
真一は福子に「明るく振舞っているけど、つらいときは辛いと言ってくれ
僕がなんとかするから」
福子はこの温かい言葉にべそをかいた。
鈴は占いの道頓堀の母・シズに見てもらった。
「立花萬平は大器晩成、まだまだ山あり谷あり」
萬平の牢での生活
剛田(イッセー尾形)は萬平を見かねて
「いっつも毒っいているのう、自分が悪いことしてない
しょせんどうにもならないんだから、ここの生活を楽しめよ。
ともかくカリカリするな。
福子と東京の社員たちが泉大津に戻った。
とにかく私たちは萬平印のダネイホンを作り続けるの
鈴が「また雷おこし?東京にはそれしかないの」
世良が雷おこしを持って来たことを言った。
「足の脚のヒビは気力で直したって」
みな仮病だとわかっていた。
東京財務局から電話
「追徴課税10万円です」
第70回
福子は東に相談した。
「そんなお金もう作れません。どうしたらいいんですか、東先生」
東は「どう考えても不当な課税だ。
差し押さえされるかもしれません」
東は萬平に面会し「同意してくれなければ何もできない。たちばな栄養食品を解散するんです。辛い決断だというのはわかります」
萬平は「簡単に言わないでください。
社員たちはどうなるんだ、人ごとだと思って」
東は「僕が戦争から戻った時、妹は栄養失調でした。妹を助けてくれたのはダネイホンです。
僕はあなたに感謝しています。僕だって悔しいです。
最善の策を考えないといけません。この方法しかないんです」
萬平は「分かりました。あなたを信じます。信じます」
剛田は萬平に「会社がなくなったってどうにかなるよ」
「どうしてそんなことを知ってるんですか」
「俺は人相見だよ。あんたは大器晩成型なんだよ。
晩年になって成功する」
萬平は「あなたはなぜここに入ったんですか」
「俺は弟子にやられた。金に困って、進駐軍の倉庫に入っちゃった。自分のことは占えないんだよ」
福子は東からの提案に「家から出ないといけないんですね」
「そういうことになります」
涙目で「私も東先生を信じます」
「譲渡先の候補となる会社を探しておいてください」
電話を終えて東は「こんなに辛い仕事は始めてです」
福子は源を背負って海岸に来た。
初めてここに来たことを思い出した。
「今から何が始まるんやろうってワクワクしてた。
もうあの頃には戻れない」
「絶対なんとかなるから」
また福子は泣いた。
第71回
鈴は、克子家族のところに来てぼやいた。
どんな占い師でさえも誰もそこまで言わなかった。
福子は真一に「三田村さんに相談した方がいいですよね」
真一は「お願いしにいくどころか謝りに行かないといけないよ」
真一も(視聴者も)投資してくれたお金を返済していたことを知らなかった。
福子は三田村の会社に電話すると、息子が代わって出た。
「今は会長職に退いています。実は、入院しておりまして」
萬平は「新しいこと、新しいこと」
剛田から「念仏みたいに呟いて。あれ、あんた近いうちに転機が来るぞ」
東も三田村の病院に駆けつけた。
ノックして三田村に挨拶、三田村は「大変やったね」
世良は「人生山あり谷ありや」
福子「申し訳ありませんでした」
三田村は「3万円の投資も、ダネイホンが売れた時に4万にして返してくれた」
福子は「弁護士の先生から話を聞いていただけないでしょうか」
東は「売却先を紹介していただきたい」
三田村は「世良くんと席ちょっと外してもらえんかな。
この先生と2人で話をしたい」
「会社というのは我が子と同然じゃ。本当に立花くんは納得しているんか」
「はい、立花さんには次のことを考えてもらいます」
「君はええ弁護士になるな。3社ほどある、紹介しよう。まあこれは私の最後の仕事になるな」
世良と福子は待合室
「胃ガンで余命3ヶ月やそうや。医者に何もせんでええと言うたらしい」
また福子はすすり泣きしたが、世良がはっぱをかけた。
「三田村さんは泣いてへんぞ。それどころか福ちゃんを助けてくれて、泣いてる場合違うぞ、福ちゃん」
「はい」
第72回
鈴は福子に「最近咲が夢枕に立ってくれないの」
「忘れているのは、お母さんの方やない」
鈴は「チョコレート、チョコレートって」
バレンタイン前のエピソードを思い出した。
「今思えば、(チョコをあげる相手が)いたのよね」
鈴が福子に「あなたは、今はこんなことになってしまって。幸せと不幸せはかわりばんこに来るのよね」
福子は「私は不幸だと思わないことにしたの。
そらいろいろ大変やけどたくさんの人が助けてくれているから」
「あなた、たくましくなったわね。私は武士の娘の娘ですから」
東京財務局は差し押さえの準備を進めた。
東は「北浜食品が12万円で買ってくれました。新しいことを始めてください
どうか希望を捨てないでください」
「ありがとうございます、東先生」
萬平は「今回のことは従業員には伝えたのか」
福子は「最初は戸惑っていましたが、今はもう覚悟決めてます」
再就職先も東と一緒に探してくれた。
東「まだ戦いは終わっていません」
萬平と福子は金網越しに手を合わせた。
福子は泉大津に戻り、神部ら9人は北浜食品に、野村たちは三田村紹介の大國商会、小松原らは世良が紹介してくれた梅下電器への転職を伝えた。
タカが大泣き
「みんなバラバラになってしまうんでしょ。そんなのいやや」
福子は「今まで頑張ってきたからこそ、それを無駄にしてはいけません。これからの人生に生かして下さい。
たちばな栄養食品は解散」
「赤いりんご」を歌い出した。
従業員はすすり泣き。
財務局が差し押さえにやってきた。
「会社を売ったのだな。その金はどこにある」
東は「それは黙秘します」
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また切ない展開・厳しい追徴課税10万円。
涙涙のたちばな栄養食品の解散となってしまった。
従業員たちのほとんどはクランクアップだろうか。
三田村会長がこんなに出番があるとは思わなかった。
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前回の「まんぷく」記事はこちら(2016年12月17日)
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では、明日。