お客さんにお返しする前の試験航行に行って来ました。
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船外機加工という特殊な仕事柄、経験値の少ないモノに対しては
どうしても試験航行が外せません。

過去に失敗している船外機なら尚更の事。
念には念を入れて仕事をしています。
最近は実績もある程度付いてきたので、ほぼ1発で決まる様になりましたが、
成功の裏には数々の試行錯誤と失敗の歴史があります。
今回のテストでは最高速度、アクセルの付き、トルク感も問題無し!
セッティングが決まった証拠ですね。

安心して富山県のお客さんの元にお帰り頂きました(*^_^*)
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ついでと云ってはなんですが、DT-8改の試験航行も!
こちらは80台近い加工実績があるので問題はありませんが、
進化する為の考察として出力特性などを調査。
どちらも40k/h近く出る船外機なので15馬力近くは出てると思いますが
進化してナンボの工房ですから常に何かを考えています。


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試験航行を終え、工房に戻ってからは腰の重かった整備仕事。
何故に?腰が重いかと云うと海水使用履歴のある船外機・・・
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しかも、メンテ不足の証拠が塗装表面に出ていたから。
写真の様に塗膜の下から腐る理由はアノードの管理不足!
アノードがキチンと機能していれば塗装が無くても腐食しません。
塗装していない鉄でも錆びる事は無いんですよ!

案の定、ロアケース外しからボルトが折れるか?折れないかギリギリの攻防。
ようやく、インペラケースに辿り付くも塩噛みが酷く、苦労しました💦

過去にはインペラ交換だけで丸3日!
実費で5万以上かかった事があります!
海水使用&メンテ不足となると、単純作業でオシャカ(全損)になる事なんてごく普通にあります!!

ここでは自分が経験してきた苦労を、転ばぬ先の杖として書いていきます。
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船外機の場合、ネジ、ボルト固着が進行すると壊して外すしかありません。
原因は塩噛みとアルミの腐食が最大の原因。
アルミ腐食はアノード管理不足と書きましたが、腐食すると表面が膨張し
白い粉を吹く様になります。
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外したボルトのネジ山に堆積しているのが塩と腐食粉の化合物。
通常、ボルトを緩める際、ネジ山に僅かな隙間が出来て簡単に外れますが、
こうもビッシリと付いていると、緩んだ隙間に粉が纏わり付いてガッチリと噛んでしまいます。これが潮噛みの原因です。
皆さんも知ってる通り、塩の結晶は四角ですから転がりません。
しかも融点は1200℃とバーナーで炙っても溶けませんし、
融点の低いアルミの方が先に溶けてしまいます。

幸い今回は折れずに済んだので、今後の予防措置を取ります。
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ボルトのみならず母体にもビッチリ付いているのでタップを立てて掃除します
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ボルトはワイヤーブラシでも良いですが、タップを立て直すのが理想。
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キレイに掃除したらボルトに耐水グリースをたっぷり塗って組み戻す。

インペラ交換は1~3年に一度の頻度で行うものですから、上記の処置を施すだけで次の作業が容易になりますし、今回の様に苦労する事がありません。

蓋をしてしまえば見えないですが、ボルト1本に対しても怠らずやるのが
プロの仕事。

キチンとした仕事をしているか否かは、
解かる人間が見れば雅工房の足跡は残せると思っています。