メジャー経験者3名による「音源を売る」ことについてのご意見 | 音楽活動を一生続けるためのヒント集 音楽専門カメラマン宮原那由太のブログ

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音楽専門のカメラマンとしてフリーランスをしている宮原那由太による、ミュージシャンのための音楽活動のヒント。
プロになるかならないかではなく、音楽活動をずっと継続できるように、「音楽を辞める」という選択をしなくて済むようなヒントを書いていきます。

こんばんは、音楽撮影プロデューサーの宮原那由太です。




先日11/23(月祝)のリーダーミーティングの時なのですが、僕がパネルディスカッションの時に、
登壇者の3名に対して一つ質問をしました。



で、僕自身もすごく勉強になったのですが、
その内容がとて興味深かったので、皆さんにもその内容を共有したいと思います。
3名の方には記事内容もご確認いただいていますので、是非読んで頂きたいです!






質問のテーマは、
「音源を売る」ということに関することです。







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宮原那由太


これからは有料ストリーミングサービスの時代だと言われてきたと思うのですが、無料期間から有料化した瞬間に離れたユーザーもいるという話を聞きます。
今の人々は、音源に対してお金を払うことに抵抗があるのでしょうか。
ミュージシャンは、今後も「音源を売っていく」のかどうか、ということに対して、皆さんの考えを聞かせていただきたいです。








谷口崇氏

確かに20年前のメジャーと、今の違いも分かりますし、そのような話も聞きます。しかし、
実際にライブを開催し、良いライブをすると、CDは売れるんですよ。
僕みたいな、一人でやっている人間は、今からどんどんステージ数を増やして、そこで生きていこう、歌っていこうと思っているので、そういう意味では、パッケージみたいなものはどうしても必要になると思います。
だから、「音楽に対してお金を払いたい」と言ってくれるお客さんの前で歌うことになるのではないでしょうか。ライブに来ている時点でそうですよね。
配信となると少し違うと思いますが。







川縁清志氏


「CDが売れない」と言っている人は多いですが、
「インディーズシーンでCDが売れないって、本当に思っていますか?」ということです。
特に、手売りレベルで活動しているアーティストは、何も変わっていないと思います。やはり、ステージパフォーマンスで満足させられないものに関しては、もちろん売れるはずはないと思いますが、面白いアーティスト、素晴らしいアーティストはいっぱいいて、ちゃんと満足いくステージングをした時には、その反応は返ってきていると思います。

このセミナー(リーダーミーティング)はインディーズのためのお話だと思うんですけれども、
「売れない」というのは、完全にメジャーの世界のお話だと思います。

「プロモーションのためにこれだけお金をつぎ込んだのに、回収ができない」という意味での「売れない」だと思います。
インディーズには当てはまらないとい
うか、もちろん自分達のCDを流通に通したとしても、お店には置いてもらいづらくなったんです。そういう意味では、「売れない」ではなく「売ってくれない」という形になっていると思います。ただやはり、ショップのスタッフが、「いいな」と思ってくれたら推してくれるという、人間味もまだ残っています。ですから、目の前にいるお客さんに、満足のいくものを提供すれば、(音源を)お金に換えられると思います。


一般の「ライブは行かないけど、音楽はちょっと好き」という人達からは、お金を落としてもらうのは難しいことです。ストリーミングサービスについて、特にインディーズのミュージシャンの場合、「有料ストリーミングを活用してやっていこう」というのはあまりビジネスとしての可能性が無いというか、(そのシステムに)乗っかっても、そんなにダウンロードされないし聞かれない、というのは分かってくると思います。だから、元々(日本のインディーズシーンにおいてのストリーミングサービスは)そんなに広がらないはずなんです。







ヤタユウイチ氏


有料ストリーミングサービスの多くは、完全に「グレー層」をターゲットにしているということで、「コア層」向けではないのだと思います。
「CDも買わないし、ツタヤでも年に1回借りるかな」みたいな人をターゲットにしています。逆にそういう意味では、インディーズなんかは、そういう層をターゲットにすることがないので、あまり影響はないと思っています。


ただ一つだけ、メジャーで新人をデビューさせる時、ちょっと前だと、いわゆる「着うた」が流行ったじゃないですか。あれは結構な拡散作用があったんですけど、今は全部スマートフォンになっちゃって、着うたもなくなって、今は「月額いくらで好きなのどうぞ」じゃないですか。あれって、ユーザーがチョイスしないんですよね。流れてきたものを聞く、ラジオみたいなものなんです。だから、売れてる売れてないに関わらず、「あ、これ、いいな」という、ユーザーがチョイスをする行為がなくなってしまうんですよ。


今、色々な「キュレーター」と呼ばれる著名人が、例えば「秋に聞きたい曲」とか、おススメの音楽を紹介したりしていますけど、あれも、ド新人だと入る隙間がないんです。だから、「元々あるアーカイブの掘り起こし」と、「ビッグアーティストの更なる拡散」という方向になってしまうんです。アメリカでSpotifyが出た時から、アメリカのインディーズレーベルの人も同じように言ってました。
日本では、サザンだとか福山だとかEXILEだとかのレベルの人たちはいいですけど、
いわゆる「これから」っていう人たちを底上げするツールではないという状態です。
有料ストリーミングの中には、新人紹介に特化したコーナーを作ろうとしているのはあるみたいですけれど、なかなか、そこからヒットする新人が出てくるっていうのはまだないです。「着うた」の時は、「着うたから出てきたアーティスト」っていうのがいたのですが、そのようなムーブメントは起こしづらいです。


盤(CD)かどうかっていうのはみんな言っていますが、これからはライブなどの体感型になっていくと思います。






川縁清志氏


ストリーミングやダウンロード等のデジタルデータを比較して思う「パッケージの良さ」っていうのは、同じ人が、何枚も同じものを買うことができるというところだと思います。
ダウンロードって一度手に入れたら終わりじゃないですか。パッケージがあると、「その日に来たライブの日付のサインが欲しい」という意味で、毎回購入する人などもいるんですけど、それは「体験」だし、「その日来た記念」ということで、パッケージはずっと残っていくんだろうなと思います。





ヤタユウイチ氏


旅行のお土産を買ってくるように、ライブに行ってCDを買ってくる、というようなね。だから、無くなりはしないんじゃないですか。








宮原那由太


ありがとうございました。





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いかがでしょうか。
要するに、「音楽が売れない」というのはメジャーの世界のお話であり、インディーズであれば音楽は売れる、物販としてのCDが強くて、有料ストリーミングサービスはなかなかインディーズには受け入れられないという内容でした。
僕はフリクルなどの登場によって、ストリーミングがメインになると踏んでいたのですが、必ずしもそうではないということが分かりました。
むしろ、アーティストにとっては、「手段が増えた」という考え方をすればよくなったのではないかと考えました。
今まではCDを売るという方法一択だったのが、色々な選択肢が増え、自分にとって一番いい方法を、アーティストが自分で選べるようになったというのが正しい見方なのだと思います。




これに関して何かご意見ご感想などがある方は、
LINE@からご連絡いただければと思います。


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