演劇/劇団新感線「港町純情オセロ」(2011) | みやのすけの映画倉庫/『ゴジラVSコング』への道
2011/5/13赤坂ACTシアターにて
原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚本:青木豪
演出:いのうえひでのり
出演:橋本じゅん、石原さとみ、田中哲司

橋本じゅん、復活おめでとうビックリマーク
というわけで、一年ぶり待ってましたの劇団新感線公演ビックリマーク
本来なら半年前に「鋼鉄番長」を観てるはずなのだが、何と主演橋本じゅんの椎間板ヘルニアのため公演は中止。
今回は新鋭青木豪を招いてシェイクスピアの「オセロ」
これを関西の暴力団抗争に換骨奪胎して、全編関西弁で演じられるのがまず意表を突いて面白い。

ブラジル人に犯された日本人移民の子として産まれた藺牟田(いむた)オセロ(橋本じゅん)は様々な差別を受け、流れ流れて日本の神戸(かんべ)で赤穂組傘下の藺牟田組組長にのし上がった。
たまたま入院していた越智医院の美しい一人娘モナ(石原さとみ)を妻に迎えたオセロは、退院するや新しい若頭として汐見(伊礼彼方)を指名する。
しかし、これに不満を持った伊東(田中哲司)は、オセロを陥れようと策略を練る…。

何といっても橋本じゅんビックリマーク
「ギックリ腰で入院している」という幕開けに客席がドッと湧く。
そして「もうバッチリ完治ですわビックリマーク」と軽く動いてみせて大拍手。
話が話だけにいつものような激しいアクションはないが、橋本じゅんのおかしさはやはり抜群。
この人は観客席だけでなく、共演者を笑わせるのが趣味(?)なのだが、石原さとみ、田中哲司、吹くのをこらえて下向いて小刻みに震えているのが本当に可笑しく、客席も悶絶。

石原さとみはもう何というか信じられないぐらい可愛いですなラブラブ!
関西弁がまた…ラブラブ!
東京の人なのにうまいんだ、これが。
あまりに純粋すぎるデスデモーナはこの人しか有り得ないという輝きで、嫉妬に狂ったオセロに殺害される直前、オセロの心の美しさを切々と語る長いセリフが素晴らしいビックリマーク

それから伊東=イアーゴを演じる田中哲司が出色。
イアーゴはこの物語を動かす、いわば真の主役で名セリフも多いのだが、それを関西弁で語り、なおかつ原作の意図や品格、重厚さを失わないのはスゴい。

荘重なラストへ向けて、歌あり踊りありギャグありの賑やかで盛り上がるが、原作のキモは見事に捉えた脚本と演出が光る。

しかし粟根まことの見事な「トランスフォーム」にはやられたにひひビックリマーク
完成度高すぎビックリマーク
一度も見破れず、いちいちビックリしてしまいました

こんなオモロイ「オセロ」は滅多にありまへん!!