来世への門出
紫微斗数を深く研究したり、多くの鑑定を経験すると、不思議なことに気付くと思います。
生まれた時刻(生年月日も含む)で命盤を作成してみると、その人が生まれてから、死ぬまでの期間の様々な出来事と、その時々の心の状態を読み取ることが出来ます。
この事から、未来についても、今から予定されている出来事と、その時の心の状態(感情)までもシナリオとして設定されている、ということに驚かれるでしょう。
■過去記事 ⇒ 私の幼少期からの出来事
(命盤に現れていたこと)
私と両親とのことを記述しています。
人は生まれた時には、その一生涯に起こる全ては、すでに計画(予定)されていて、当然死ぬ時期も設定(予定)されている訳で、その事を紫微斗数を学べば理解できるでしょう。
では、死ぬ時期も決まっているのなら、その死ぬ時期というのは、何か大きな意味が有るのだろうと考えるようになりました。
何かの事故や災害で突然に亡くなってしまう人も居るのですが、しかし、紫微斗数で診れば、たまたま偶然と思われた死期は、すでに生まれた時に決まって居たという事に驚きます。
ただ、死ぬ本人や家族や周りの誰も、それを知らなかったという事で、偶然に運が悪く、亡くなったと思っているだけです。
以上のような事を、多くの鑑定をしてみて、死ぬ時期に関して絶対に何か大きな意味が有るのだろうと考えていました。
そこで、思い付いたのが「死んだ年月日と時刻」で命盤を作成したら、どんな命盤が出来るのだろうと考えたのです。
幸い(?)私の両親は私が最後まで看取ったので、息を引き取った時刻を記録していました。
両親の生前の命盤と、息を引き取った時刻の両親の命盤を、それぞれ照らし合わせてみたら、意外なことを発見しました。
しかし、もっと多くの事例で検証しないと確かな事は判りません。
ぜひ、私の生徒さん達、研究熱心な占い師さんに多くを検証して戴きたいと思います。
以下で両親の命盤で試してみます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230130/23/miya-ritumei/cb/28/p/o0413000315236685163.png?caw=800)
■生前の父親(今世の命盤)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240712/13/miya-ritumei/35/f8/j/o1654233815462203796.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240306/08/miya-ritumei/23/6f/j/o0413000315409698273.jpg?caw=800)
■父親・宮﨑清治(死亡時刻の命盤)来世の命盤
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240712/13/miya-ritumei/16/93/j/o4962701315462203867.jpg?caw=800)
二つの命盤をよ~く比較してみてください。
共通点が多くあります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240306/08/miya-ritumei/26/65/j/o0413003015409698144.jpg?caw=800)
次に母親(宮﨑澄江)です。
■生前の母親の命盤(今世の命盤)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240712/13/miya-ritumei/2d/38/j/o1654233815462203795.jpg?caw=800)
母親(死亡時刻の命盤)来世の命盤
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240712/13/miya-ritumei/5f/1d/j/o4962701315462203871.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240306/08/miya-ritumei/23/6f/j/o0413000315409698273.jpg?caw=800)
父親、母親、二人の人生については過去記事で多くを書いていますから、宜しかったら読んでみてください。
両親の今世の人生について、ハイライトを以下に記述してみます。
両親はそれぞれ、今世では地獄のような人生でした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240306/08/miya-ritumei/23/6f/j/o0413000315409698273.jpg?caw=800)
■父親(清治)の今世の人生
清治は明治41年(1908年)生まれです。
4人兄弟の長男として産まれましたが、女ばかり3人の中の長男として産まれました。
母親は大変に気性の激しい女性でした。
父親は婿入りで人柄も良く穏やかで、母親とは真逆の性格でした。
清治が15歳の頃、隣家から出火した火災で実家は全焼してしまいました。火災の後は焼け残った土蔵で一家は生活をしました。
土蔵には窓は一つも有りません。昼でも中は真っ暗です。入り口は土で出来た重い戸ですから、一年中開け放しです。まさに難民生活のような状態です。
実家は貧乏で両親には家を建てる金もありませんでした。そこで清治は自分が大工になって、自分で家を建てようと決心をします。
昔の事ですから職業訓練校なんてありません。丁稚奉公という手段で大工仕事を覚えたのです。
※丁稚奉公とは:年少者がある一定の期間、商人または職人の家に寝泊まりし、賃金などは貰わずに食事を提供して貰って、雑役などの仕事をしながら仕事を覚えること。
丁稚奉公の末、清治はやっと大工仕事を覚えて帰ってきました。さっそく実家に戻って、焼け残った材料を搔き集めて初めての家を建てました。何せお金が無いのですから、焼け残った柱や梁を集めました。所々に焼け焦げもありますし、思い通りの材料も有りません。有り合わせの廃材を集めた一応は新築の家でした。
<私の幼少期の記憶では、友達の家は綺麗なのに、自分の家は黒く焼け焦げた家だったので、友達に遊びに来て貰うのは嫌でした>
清治は、唯一の男子として三人の姉妹の親代わりとなって面倒をみました。三人の姉妹は嫁いで行きましたが、嫁ぎ先でも散々に苦労(夫で苦労)し年中、実家に泣きついて帰って来ていました。
妹たちは帰ってくるたびに清治に金の無心をし、また嫁ぎ先の愚痴を言うために、午前中から来て夕方まで居るのようなことも当たり前でした。
妹たちが来る度に、澄江(清治の妻)はお茶の支度をしたり、昼飯、夕飯も面倒していました。
妹たちが来ている最中は、澄江は大人しく台所で片づけをしながら黙って姉妹たちの愚痴話を聞いていました。
清治の母親は若い頃から凶暴で、清治の女房(澄江)に日頃から暴力を振るっていました。母親の認知症が酷くなってからは、母親を土蔵に閉じ込めて、食事も排泄も土蔵の中でした。
母親の性格は清治にも遺伝していて、清治は外面は極めて優しくて大人しいのに、澄江には腹を立てて暴力を振るっていました。
清治は先妻に先立たれて再婚です。
先妻も清治の母親の酷いパワハラに遭い、そのストレスから十二指腸潰瘍を患い早くに亡くなりました。
そのため、清治は先妻の子供二人と、後妻(澄江)の子供三人の合計五人の子供を授かりました。
私(宮立命)は五人兄弟の末っ子として産まれました。
清治は大工と農業をして生計を立てていましたが、両親と夫婦と五人の子供の合計9人の生活費が必要でした。
農業の現金収入は大したことがありませんし、大工仕事も前金で貰える訳ではないので大変です。
清治の命盤の「奴僕宮Ⓒ―C」では、お客の言いなりで仕事をする傾向です。これはお客からは大変に良い評判ですが。
「新築も改築も、無理をお願いしても、すべてお客の要望を聞き入れてくれて、丁寧な仕事をする」と部落では大そうな評判でした。
評判を聞きつけて遠くからの仕事の依頼も多かったです。
しかし、収入にはあまり貢献しませんでした。
また、お客が「ここは適当に仕上げてくれれば良いです」と言っても、命宮Ⓓで自化Dも三個(その内一個は官禄宮D)もありますから、超【化忌】ですから、仕事を「適当」には済ませられない厄介な性格の人だったのです。
【化忌】というのは、コストパフォーマンスは無視です。
ただ、ただ、金に成らなくても、自分が納得する仕事をしたいのです。
この事が、時にはお客の不満にもつながるのです。
清治の命宮Ⓓが災いして、自化Dの有る宮に苦労が波及します。
〇子女宮では子供、子育てで問題が起きやすい。
五人の子供に恵まれたけれど、私以外の四人は清治が死ぬまで実家に対して知らん顔でした。親不孝四人です。
〇官禄宮では、仕事の停滞、トラブル。
拘り過ぎて納期(建前)に間に合わない。工期がどんどん遅れる。予算超過(超過分は清治が自分で負担、利益が減る)
〇福徳宮では、ストレスです。
息子の私から清治を見ていて、家に帰って来ていても常に悩み深い表情をしていました。
ラジオで音楽や落語が流れていると、怒ってスイッチを切ってしまいました。楽しい事は大嫌いに観えました。
〇命盤全体に「自化C」と「自化D」が多いので、マイナス思考で、物凄く小心者でした。HSPとも云えます。
常に近所の人の顔色を伺い、何かトラブルが起こるのではと常にビクビクして生きていました。
役所から封書が届けば死刑宣告でも届いたかのように怖がりました。私が【化権】タイプでしたから、私のすることにも常にビクビクしていました。私の性格を羨ましいと思っていたかも知れません。
常に能面のような顔つきでした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230530/09/miya-ritumei/42/5b/j/o0478068615291384913.jpg?caw=800)
清治は死ぬまで楽しい事は無かったのかも知れません。
でも晩年に大工を完全に辞めて、私の電気店の仕事を手伝ってくれている頃に、やっと笑顔を見ることが出来るようになりました…
清治は大工を辞めて少しばかりの農業に精を出していましたが、母親譲りの認知症に早々になりました。
やはり、自化忌D,自化Cが多い人は、若い頃からストレスが多いので認知症になり易いような気がします。
大限74(74歳)で認知症が酷くなり、入院して寝たきり植物状態になってしまいました。
植物状態で4~5年は生きたと記憶しています。
清治は生まれてから生涯、何も楽しい事が無い寂しい人生だったと思います。
私が清治の命盤を診てアドバイスするなら、コダワリも過ぎると「百害あって一利なし」ということ。
奴僕宮Ⓒも限度を超えれば「くたびれ儲けの大損」になります。
「自化C」も「自化D」も多いほど超マイナス思考で神経質になります。多い人は努めて「成るようにしか成らない」と適当(多少出鱈目でも可)に慣れることです。
そんな清治が死期が訪れて、来世でやり直すなら、どんな人生なんだろうと、亡くなった時刻で命盤を作成しましたら、以下の命盤になりました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240712/13/miya-ritumei/16/93/j/o4962701315462203867.jpg?caw=800)
命宮Ⓓは変わりませんね。
やはり【化忌】は前世の繰り越しですからね。
奴僕宮の【化科】も変わりませんね。
福徳宮の【化権】も変わりません。
【化禄】が「田宅宮」から「財帛宮」に移動しました。
これは、前世で家族に【化禄】ですから、両親の面倒や三人の妹たちの面倒、子供たちの面倒で散々に苦労しましたからね。「もうたくさん、勘弁してくれ」、という事でしょうね。
大きな変化は、自化Bが命宮と疾厄宮に入ったことです。
どちらの宮も性格に大きく影響する宮です。後天的に【化権】タイプになれます。【化権】の足を引っ張る自化の数が少なくなりました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240306/08/miya-ritumei/23/6f/j/o0413000315409698273.jpg?caw=800)
■生まれ変わった清治の命盤解説
来世の命盤から性格や行動を分析します。
前世でのコダワリは持ち続けていますが、自化Dが少ないお陰で苦労は少ないです。唯一、官禄宮に一つ自化Dがあるので、コダワリ過ぎると仕事上の苦労やミスは起きます。
奴僕宮Ⓒは持ち越しですが、人に対する配慮や優しさは活かせます。人を相手にする仕事なら喜ばれるでしょう。
財帛宮Ⓐは人柄の良さを持つ事になります。
そして、何より前世では貧乏で散々の人生でしたから、来世は少しは裕福を味わう事が出来るでしょう。
財帛宮Ⓐは、そのまま福徳宮に作用し、【化禄】タイプのようになれますから、ストレスは少ないでしょう。
前世では融通の利かない堅物で地獄の人生でしたが、来世では喜びの多い人生と思います。
福徳宮Ⓑは嫌な事があっても良い方に切り替えが出来るし、【化権】タイプですから「骨折り損のくたびれ儲け」をしなくても済みそうです。
財帛宮Ⓐは、命宮Ⓓのコダワリをお金で獲得も出来る訳ですから、来世はガラッと良い人生になりそうです。
【来因宮】が前世では奴僕宮で、しかもⒸの破格でした、そのため大工仕事も部落の付き合いも、いつも損な役割ばかりしていました。「清治さんに頼めば何でも引き受けてくれる」と最終処分場みたいな役割が多かったです。
しかし、来世は【来因宮】は子女宮です。
前世で五人の子供に恵まれましたが、誰一人(宮立命は別)として役立たずの親不孝者ばかりでした。
でも、来世では【来因宮】の子女宮は破格ではありません。
子育ても良し、何かを教えたり、指導したり、導いたりも良いです。
福徳宮Ⓑですから占い師もOKですね。
来世で生まれる子供が「宮立命」かも知れませんね。
で、親子で占いで生計を立てるのも悪くはないですね。
来世の「業報因果」を読み解いてみます。
B=福徳宮(スピリチュアル、陰徳)
A=財帛宮(人柄が良い、自営向き)
C=奴僕宮(人に優しい、寄り添う)
D=命宮(特殊な仕事のスペシャリストで活躍)
業=夫妻宮(夫婦関係が最悪だったので、それがテーマ)
報=遷移宮(夫婦関係を上手くして社会で活躍出来る)
因=官禄宮(特殊な仕事のスペシャリストの才能を持っている)
果=命宮(業報因果を達成するための人生となるでしょう)
余談
あの世、あるいは来世で親父と再会し、親子(師弟)として紫微斗数を共に研鑽する仲間として活躍したいですね。
母親の検証は次回のブログで・・・
<続く>
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240311/20/miya-ritumei/23/5c/j/o1075071715411895018.jpg?caw=800)