第5回目 text by とまそん
・・・ ちゅん ちゅん 。
ん?
もう朝か・・・。
鳥の鳴き声かと思ったら、近所でドンパチやってる音だった。
「マタ、クミアイ、ショウトツ。
コワイネー。」
そう呟いて、洗面台へ。
顔を洗い、顔をあげる。
鏡には、たいそうぽっちゃりしたえなりかずき似の男が映っていた。
その上さえない顔をしている。
こんなんじゃモテるわけがない。
考えるより先にため息が出る。
『はぁ。 ダニエル・・・。』
また名前を間違えてしまった。
気を抜くとついつい昔の彼女の名前を口走ってしまう。
せっかくこぎつけたデートも、いつも途中で怒って帰ってしまうのは
これが原因なのかもしれない。
準備も整ったので昨日のメモを片手に、指定された場所に向かう。
思ったとおりそこは建物もなにもない空き地だった。
しいて言うなら、人気のない車が一台路駐してあるくらいだ。
とりあえず、妙に高い声のメリーメリー言ってる人を待つことにする。
数時間が経った。
なかなか現れない。
よく考えてみると、待ち合わせの基本である「時間」というものを決めていなかった事に気づく。
なんて事だ。
目の前に止まっていた車の窓には、太ったえなりかずき似のさえない男が映っている。
『お前は本当にバカだよ。』
あきれるように呟いた。
すると、驚いたことに車の窓がゆっくりと開いたのだった・・・。
次回へ続く