「おとーさん!くるしいよー!!」
しぃちゃんの叫び声で起きた。
今、俺だけ別室で寝ている。
それでもこの反応。
しぃちゃんの超えには敏感な俺。
すぐに皆が寝ている居間に向かった。
しぃちゃんが布団の上に座り込んで大泣きしていた。
どうした?
大丈夫?
「しぃちゃん!泣いてもいいからもう少し静かに!ひぃちゃんが起きちゃうでしょ!!」
と、寝たまんまで怒っているおかー。
うそだろ?!
この状況で怒るか???
ありえん!!!
奥さんのその態度に怒りを覚えた。
しぃちゃんは泣き叫んだ。
しぃちゃん、ちょっと落ち着いて!
苦しいの?
痛いの?
それとも水ぼうそうがかゆいの?
落ち着いておとーさんにお話をしてみて!
俺は優しく話しかけた。
「あー!あー!あーーーー!!!」
ただただ叫び続けるしぃちゃん。
遂にひぃちゃんが目を覚ましてしまった。
ま、起きるわな・・・
苦笑
「あー!あー!あーーーー!!!」
ただただ叫び続けるしぃちゃん。
暴れるしぃちゃん。
泣き出すひぃちゃん。
おい!
まずは落ち着けって!!
俺も不機嫌になってきた。
でも、この不機嫌のおおもとはしぃちゃんではない。
おかーだ。
すると、今度はしぃちゃんがえづいた。
吐きそうだ。
ど、どうした?
吐くの?
気持ち悪いなら吐いちゃったほうがいいよ!
まさか・・・ノロ???
水ぼうそうとノロウィルスのダブルパンチか?!
うそだろ!!!
そんなことがアタマによぎった。
しぃちゃんはただただえづいた。
そして、苦しいと言っては暴れた。
ちょっと、なに?!?!
なんだこれっ。
しぃちゃんを抱きしめ、背中でもさすってやろうとしたそのときだった・・・
バチン!
「やーだ!!!」
しぃちゃんに思い切り顔を叩かれた。
痛っ
さらに、ガツン!
顔面に頭突きが来た。
痛っ
イラッ
なんやねん!!!!
しぃちゃんは俺を突き飛ばし、おかーさんにしがみついた。
うそだろ、おい・・・
「大丈夫?苦しかったら吐いていいんだよ。泣いたっていいんだからね・・・」
なにその急な優しさ。
それになんか・・・
体調が悪くて泣いてる子に怒ることないじゃん!可哀相に!
みたいなこの雰囲気になってない?
おかしくないか?!
おいおい・・・
ひぃちゃんも独り悲しそうに泣いていたので、俺はひぃちゃんを抱きかかえた。
でも、泣き止まないひぃちゃん。
大好きなおんぶをしてあげた。
それでも泣き止まないひぃちゃん。
ひぃちゃんは俺のおんぶから無理矢理降り、泣きながらおかーの元へ向かった。
おかーは二人を抱きしめた。
「二人とも可哀相ね・・・」だって。
なんだこれ?
勝手にやってろ。
寝室に戻って眠らせて頂きました。