朝淹れたコーヒーを夕方 帰り際に飲もうとして
ふと手を止めてしまった。6年前に大学院に入学した時に
栄養学の授業でのＭ先生の言葉を思い出した。
食品の酸化は体には良くないこと 時間が経過したコーヒーも。
Ｍ先生は栄養学の専門。健康には細心の注意を払われていた。
食事は愛妻弁当で二段弁当の下段は全て野菜サラダ。
食べるものには かなりの拘りを持っておられた。
研究室に籠もりがちで運動不足になるため 室内にルームランナー
まで設置されて時間があればトレーニングも。
友人が糖質制限の発表をしたときには いろいろな食事療法は
存在するからと大らかに受け容れられていた。
私が緑茶についての発表をした時には着眼点を褒めてくださった。
緑茶と胃がんの話から癌はなぜ英語でＣＡＮＣＥＲというのか
ガンの病痕がカニの甲羅に似ているためＣＡＮＣＥＲ（蟹）
と名が付いたこと。そんな薀蓄（うんちく）を傾けられるのを
耳にするのが楽しかった。思い出は尽きない。
だから 先生の訃報を知ったときには驚いた。
あんなに健康に留意されていたのに・・・
肝臓癌であっけなく天国へ旅立たれた。まだ52歳
もっといろいろなお話を聴きたかった。
今から5年前 あの柔和な笑顔が忘れられない。