コブ巻き

私の母はちょっと個性的

小さい頃は、まぁこんなもんかと思っていたが、

自分が年を重ねてみると、その独特な個性には

多少驚くものがある。

よく言えば賑やか…と言うか、わが道を行くタイプ。

記憶に残っているのは一緒に行った幼稚園のバス旅行。

お弁当を食べた帰りのバスの中で、私はふと母の足元に

黒っぽい物が落ちているのに目についた。

即座に母に“なにか落ちてるよ～”と言うと

母はチラッと見て“あーコブ巻きだよ”と答え、拾おうとする私を制した。

変なところで潔癖症のある母はジロリと見て、それで終わりだった。

私もその後、気にしないようにしていたが、バスを降りた後が大変だった

私が何か落ちていると指摘したのは、母が履いていたお気に入りの靴のリボン

だったのだそれからの慌てようはスゴかった

でも結局、コブ巻き＝靴のリボンは発見されず…

初めての幼稚園のバス旅行はなぜか私が叱責されて終わりになった。

ナゼナンダロー(・・?)

それからの私は…昆布は大好きなのにコブ巻きだけは、見ると

気が重くなってしまう経緯がある。