清水のブランド茶「幸せのお茶 まちこ」。
お茶なのにほのかに桜葉の香りがするという、
なんとも美味しくて不思議なお茶。
まちこという名前も、もともとの名前が無かったこの品種を、
それではかわいそうだと、地元清水のお茶摘みさんが
ご自身の名を付けてあげたというストーリーを持つお茶でもあります。
そしてこのお茶の最大の特徴でもある
桜葉の香りの正体は「クマリン」という香り成分。
桜葉にも含まれるこの成分が、まちこにも含まれている事が
大学との共同研究で近年、明らかになりました。
その今人気のお茶まちこが、茶畑からいろいろな工程を経て
皆さんのお手元に届くまでを、計3回に渡り、
このブログでご紹介させていただきたいと思います。
今回はその初回 まちこができるまで2022 ~茶畑編~ です。
4月22日(金)、前日までの雨も上がり、
絶好のお茶摘み日和となりました。
今年もいい茶葉が順調に育っています。
雨が降り、気温がグンと上がると
茶葉も一気に伸び始めます。
茶葉の状態や収量の目途を見極め
天候とにらめっこしながら、
お茶摘みがはじまります。
今年もお世話になっている生産家さんの
初摘みに同行させていただきました。
重さ15㎏程ある茶刈り機を持ち、摘採がスタート。
静岡県には急斜面の茶畑が多く
こうした手持ちの茶刈り機でしかお茶を刈れない茶畑が、
県内の全茶畑の約54%を占めます。
こうした手持ちの茶刈り機でお茶を刈るのは
大変重労働な作業です。
それでも「このお茶を飲んでくれる方の笑顔が見たいから!」
と、笑顔でいつも話してくださる園主ご夫婦に
農業の礎を感じています。
こちらが刈りとった新芽です。
今年の新芽も葉と葉の間の茎が長く
その樹勢の強さを感じます。
摘採された新芽は放っておくと
茶葉の中に含まれる酸化酵素で発酵がはじまる為
速やかに荒茶工場へ移動し、蒸気によって
酸化酵素の働きを止める作業が必要。
ここからは時間との勝負。
次回のブログでは、刈り取られた新芽を
1次加工する「荒茶つくり」をご紹介します。
休憩中、園主とお茶のお話をさせていただきました。
私がこちらの畑の初摘みに同行させていただいて
8年目になりますが、毎年このお茶に懸ける
「想い」の強さに刺激をいただいています。
現場で教えていただくことは
とても身に染みます。
生産者さんの想いをお茶の仕上げにも
生かしていきたいと思います。