店舗の暖簾を新調し、装いも新たになりました。
5月も残り少しとなりましたが、
新茶の仕入れ、仕上げが連日続いています。
店舗の拝見場では、新茶の見本が畑から届くと、
お茶の鑑定が行われます。
今日はちょっと面白い見本が届いていました。
同じ品種のお茶の古木(こぼく)と、幼木(ようぼく)の荒茶見本です。
上の写真の向かって右側が5歳の幼木の荒茶。
向かって左が30歳の古木の荒茶です。
画像ではわかりにくいのですが、手で触れると違いがわかります。
幼木の荒茶は油っ気があり、ひとつかみ持っただけでもずっしりと重たく、
古木は同じひとつかみでも、軽く感じます。
お湯を入れて味を見ると、やはり幼木の方が甘味を多く感じるのに対し、
古木は淡泊な味わいです。
茶畑で管理されているお茶の経済寿命は5~30年程言われており、
まさにこれから収量も味わいも乗ってくる5年生と、
長年にわたり美味しいお茶を作り続けてきた30年戦士とは、
かなり差があることが改めてわかりました。
同じ年の違う畑の茶を鑑定することが多い中、
樹齢の違う同じ畑の同じ品種を鑑定させていただくことは、
大変貴重な経験でした。
ちなみに、お茶の経済寿命とは市場で取引できるレベルの
収量と品質を維持できる年数の目安で、実際お茶の樹の寿命は、
うまく育てれば、100年以上生き続けた記録もあり、
実際、静岡県藤枝市や佐賀県嬉野市には、
300年以上生き続ける大茶樹が、今でも存在します。
もはやお茶の樹というよりは、パワースポット的な
場所なのではないかと、個人的には思います。