今日は温かい一日でした。
近所の野球場の桜も日に日に色づき始め、春の訪れを感じさせます。
でも・・・
温かくなってきたとはいえ、この時期農作物にとって気をつけなければならないのが、
「遅霜」による被害です。
お茶もその例外ではありません。
今日も夕方のTVの天気予報の中で「遅霜予報」をやっていました。
あんなに温かかったのに、明日の朝は霜が降りるかもしれないという予報・・・。
生産者の方々には、気の抜けない季節が始まります。
この遅霜予報は毎年、3月15日~5月10日の期間に予報として出されるものなのですが、
静岡地方気象台が発表する、静岡だけのものだそうです。
この時期はちょうどお茶の新芽が伸びてくる時期なので、柔らかくてミルい芽に霜があたってしまうと、
新芽が死んでしまい、味や収量に大きな影響を与えます。
過去実際に霜が降りた茶畑はこんな感じになってしまいました。
この年は新芽がでる直前だったので、あまりダメージは受けませんでしたが、
できれば、こんな風景は見たくありません・・・。
そんな時、頼りになるのがコイツ! 防霜ファンです。
茶畑に立っている大きな扇風機みたいなもの。
云わば、茶畑の見張り番です。
どれくらい大きいかというと・・・
プロペラ1枚が60cmなので、直径がだいたい150cmくらいでしょうか。
なかなかのサイズです。
以前、静岡で開催された「世界お茶まつり」の時に、メーカーさんのブースで
展示されていたものを撮影させていただきました。
この防霜ファンがどのように霜を防ぐかというと、
あらかじめ設定された温度(だいたい4℃くらい)にまで外気温が下がると、
ファンが回りだします。
そして、上空の比較的温かい空気を、ファンの気流で地表にあてることにより
霜が降りるのを防ぐという仕組みです。
霜はいろいろな条件が重なって降りるのですが、
風があり、地表面の温度が氷点下にまで下がらなければ、霜は降りにくいとされています。
茶畑では静かにたたずんでいる防霜ファンには、こんな働きがあるんです。
とはいえ、自然の力はコントロールすることが出来ないので、
生産者の方々は、遅霜予報と「にらめっこ」する時間が続きます。