従兄の面会許可をいただけたので

一緒にホスピスへ行ってきました。

母の病状はさらに進んで

利き手の左手はゆっくり動かせるけれど

右手はもう動かせなくなっていました。

耳は聞こえて理解はできるようですが

返事をすることができないようなのです。


 

そんな状態なのに

面会時間の30分がきて帰ろうとすると

「また、明日ね」なんて

小さな声で言うので

なんて答えたらよいかわからなくて困りました。

やっと言葉が見つかり

「今度は妹が来てくれるからね

 私たちもまた来るからね」

と言ったら

母の顔が赤くなり歪んで泣き顔になりました。

泣いているようなのですが

涙を出せなくなっているように見えました。

 

どんなに手厚い看護があったとしても

ずっと個室で一人で

家族に週に三回たった30分しか会えないなんて

寂しすぎるよなあ・・・とつくづく思いました。

 

私なら多少痛みがあっても

多少辛いことがあっても

家にいて毎日誰かの顔が見れる方が

いいと思うだろうなあと感じました。

きっと母もそうなんだろうと。

でも今更ね、連れては帰れない。

 

もう絶対に良くならないで

死に向かっていく他ない人を見つめるのは

本当に辛く悲しいものです。

母はもう高齢で仕方ないことですが

これがまだ年若い家族だったら

どんなに辛いことだろうと考えながら帰路につきました。

 

まだ理解できるうちに

何か伝えておかねばならないことはないのかと

考えてはみるのですが

あまり良いことは思い浮かびません。

そのようなことは後になって思うことなのかもしれません。