結婚して一年後に新築した家に越してきて3年以上が経っていた。
この家を建てる頃から、マスコミなどでシックハウス(新築病ともいわれていた)なるものがあるとは、ちらほらと耳にしていた。
しかし、それは一部の悪徳業者によるものであったり、新築後数カ月の体調不良のことだと思っていた。
私達の家は、夫の従兄の紹介で大工さんに建ててもらった。
大工さんは腕の立つ、とても誠実な良い人だったから、安心しきっていた。
後から思えば、2階の寝室の建材の臭いはきつかったのかもしれない。
けれど、住宅展示場や他所の新築の家やマンションと同じ臭いで、そのせいで、明らかに具合が悪くなると言ったような感じは受けなかった。
もし知識として知っていたなら勘づいたかもしれないけれど。

様々な症状のなかで気が付いたのは、とにかく午前中の症状が重いということだった。
朝起きてすぐ鏡で顔をみると土気色をしていて、生気がないということが多かった。
一階のリビングは無垢のフローリングに樹脂入りの洋風聚落壁だったけれど、2階は合板フローリングにビニールクロスという仕様だった。
その頃になって、新建材から揮発する有害物質は10年以上たっても大して減少しないということを知る。
夫にも軽い症状が出始めていた。
彼の場合、もともと青魚などにアレルギーがあったので、さらに分かりにくかった。
しかし、蕁麻疹のでる頻度が高くなって、ハウスダストなどにも反応するようになっていた。

ひょっとしたらシックハウスかもしれない・・・そう思いはじめた頃、母と経営していたお店で害虫駆除を始めた。

つづく

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