七夕の短冊に込めた願い | ミックスココアのひとりごと

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気ままに思いついたことを折々に

DSC_1245.JPG七夕は、桃の節句や端午の節句等

五節句の一つで「七夕(しちせき)の節句」です

 

中国から伝わった「星伝説」と、

中国の宮廷行事「乞功奠(きっこうでん)」が

結びついて生まれた行事だそうです

 

実はその歴史は古く

聖武天皇の時代(701~756年)に行われるようになり

やがて江戸時代には

短冊に願い事を書いて笹に飾り

和歌や書道の上達も願うようになりました

 

更に陰陽五行説に当てはめて

五色の短冊に願い事を書いて笹に飾るのは

日本特有のものです

 

ところで

七月七日の七夕の前には

学校や病院やホテルのロビー、

ショッピングセンターのエントランスなどで

大きな笹飾りよよく見かけました

 

色んな願い事が書かれた短冊が吊るされて

一つの装飾イベントのようでした

 

さて、七夕が終わった後、

その短冊はどう処分されたのでしょうか

燃えるごみの日に他のごみと一緒に捨てられたのでしょうか

 

実は

とある総合病院のボランティアさんが

入院患者さんの為に各病棟に

笹と短冊を用意して七夕飾りをしておられるとお聞きしました

 

病院の関係者を通じてお聞きすると

イベント終わった後短冊等は捨てているとの事でした

 

聞いてしまった以上

私はその短冊を何とかしなければならないと、

神職としてどうしても見逃すことができませんでした

 

お世話なさっているボランティアさんにコンタクトを取って

その短冊を神社に持ってきていただきました

 

入院患者さんが、そのご家族が

怪我や病気が早く良くなりますように・・・

元の元気な体に戻れますように・・・

ドナーが見つかりますように・・・

手術が成功しますように・・・

 

祈るような気持ちで書かれたであろう

その短冊に込めた思いや願いの重さは

決して紙切れ一枚の薄っぺらな軽いものではないはずです

 

入院患者とそのご家族の為になさってる

そのボランティア活動の七夕の短冊

私もボランティアで応えたいと思いました

 

玉串料も御祈祷料もいりませんから

短冊に書かれた願いや思いを

神様に取り次ぐ仲執り持ちが私のお役目ですから

そうお伝えしてお持ちいただいた短冊を奉献し

ボランティアさん達の参列のもと

ご祈祷を斎行させていただきました

 

ご祈祷料・玉串料を戴かずに

ご祈祷させて頂くことに

もしかしたら色んなご批判があるかもしれません

 

豪雨の後のがれきの撤去活動のボランティアに

時間的に動くことができません

義捐金も限られた僅かな額しかできません

けれども神職として出来るこんなボランティアも

有ってもいいのではないかと私は思います

 

病院のボランティアさん、

「実は今まで短冊棄てていたんです、

お声を掛けていただき、こうやってご祈祷して頂けて

本当にありがたいです・・・」

そう言いながら、頬を濡らし涙ぐまれるその姿に

胸が詰まる思いでした

 

何度も何度も頭を下げながら帰って行かれる

後姿を見送りながら

神職としての務めと役割について

あらためて思いを新たにした日でした