酉年ですので”鳥”の絡むことわざを集めてみました
*鴛鴦(えんおう)比目(ひもく)の枕
夫婦仲睦まじいことのたとえ
*天に在(あ)らば比翼の鳥、地に在らば連理の枝[比翼連理]
意味は前と同じ
*屋烏(おくう)の愛
愛情の深いたとえ
*空飛ぶ雁(かり)を吸い物に当てる
不確実なことに期待をかけて当にすること
*飛ぶ鳥の献立
まだ捕えてもいない鳥の料理の仕方を考える、早計も甚だしいことのたとえ
*鳶(とび)が鷹(たか)を生む
子が親より優れていることのたとえ
*鳶が孔雀を生む *雉(きじ)が鷹を生んだよう
意味は前と同じ
*鳶の子鷹にならず
凡庸な親から非凡の子は生まれないことのたとえ
*飛ぶ鳥も落ちる
権勢や威勢が盛んなさまのたとえ
*鳶に油揚げを攫(さら)われる
思いがけず横合いから大切なものを奪われること
*鳥なき里(さと)の蝙蝠(こうもり)
すぐれた者のいない所ではつまらない者が幅をきかすということ
*鳥は木を択(えら)べども、木は鳥を択ばず
人は居住地を選択できるが、土地には居住する人を選ぶ自由がない
*鶯(うぐいす)鳴かせたこともある
多くは女性の側から過去の全盛時代を述懐して言う言葉
*鶴の脛(はぎ)切るべからず
物にはそれぞれ性質があって無理にそれを変えてはならないということ
*鴨の足は短けれども継げば憂う 意味は上に同じ
*鷺に尾がないとて足切ってつがれもせず 意味は上に同じ
*鶴の林
仏の涅槃(ねはん)をいう
*鶴の一声[雀の千声鶴の一声]
有力者、権力者の一言
*鶴は千年、亀は万年
長寿でめでたいこと
*弦(つる)無き弓に羽抜け鳥
どうしょうもなく役に立たないことのたとえ
*鶴の戒め
霜や露を鶴が知らせるとの言い伝えから、霜の異名
*越鳥(えっちょう)南枝(なんし)に巣を掛け胡馬(こば)北風(ほくふう)に嘶(いなな)く
望郷の念にかられること
*雉(きじ)の草隠(くさがく)れ
一部分だけ隠して他の部分が現れているのを知らぬことのたとえ
*雉も鳴かずば撃たれまい
無用の発言をしなければ、禍を招かずに済むことのたとえ
*風声鶴唳(ふうせいかくれい)
ささいなことにもびくびくとおじけづくこと
*水鳥の羽音に驚く
上に同じ
*足元から鳥が立つ
突然意外なことが起こるようす、又、あわてて物事を始めるさま
*鳩に三枝(さんし)の礼あり烏(からす)に反哺(はんぽ)の孝あり
子の親に対する礼儀と孝行を重んじることを説いたもの
*夜鶴(やかく)子を思う
親の子に対する愛情が深いこと
*焼け野の雉(きぎす)夜の鶴
子を思う親の深い愛情のたとえ
*梁(うつばり)の燕(つばめ)
上と同じ意味
*鵜(う)翼(つばさ)を濡らさず
有りそうもない異常な事態のたとえ
*烏頭(うとう)白くして馬(うま)角(つの)を生ず
有り得ないことが起こる事
*烏の頭が白くなる
上に同じ意味
*鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負って来る
うまい話が二重三重にやってくること
*鴨の水掻(みずか)き
何事もないように見えても人知れず常に苦労があること
*烏は百度洗っても鷺(さぎ)にはならぬ
生まれつきのものを変えようとしても無益だというたとえ
*鵠(こく)は浴せずして白し *鷺は洗わねどもその色白し
上に同じ意味
*烏(からす)を鷺(さぎ)
間違っていることでもあれこれ理屈をつけて強引に正当化すること
*鷺を烏
物の道理を強引に言い曲げること
*刀下(とうか)の鳥林藪(りんそう)に交わる
九死に一生を得た思いをすること
*上見ぬ鷲(わし)
何も恐れるものがなく悠々としているさまのたとえ
*夜鷹(よたか)の宵(よい)だくみ *梟(ふくろう)の宵だくみ
自分ではできもしないような実力不相応な計画を立てること
*阿呆(あほう)の鳥好(とりず)き貧乏の木好(ぼくず)き
趣味は人それぞれ、また無用の物好きをあざけってもいう
*先の雁(かり)より手前の雀
当にならぬ良いものより、多少悪くても今すぐ手に入るものの方が良い
*雁(がん)は八百(はっぴやく)
獲物は多いがそれを取る手段が少ないこと、どれを取ろうか迷うこと
*孔雀は羽(はね)故(ゆえ)人に捕(と)られ麝香(じゃこう)は臍(へそ)より身を滅ぼす
長所がかえって身の仇となること
*四鳥(しちょう)の別れ
親子の悲しい別れ
*鷙鳥(しちょう)は撃(う)たざれども、その首を悗(ふ)す
内に強いものを秘めたものほど一見柔和そうに見える
*能ある鷹は爪を隠す
才能のある人は平生身を慎んでいて尊大ぶらない
*一燕(いちえん)夏をなさず
一部を見てその全体が分かったと思ってはならない
*雁(がん)が飛べば石亀(いしがめ)も地団太(じだんだ)
自分の分際や実力を忘れて、みだりに他のまねをしようとすること
*閑古鳥(かんこどり)が鳴く
人けが無くてさびしいさま、商売などのはやらない様子
*何処(どこ)の烏も黒い
どこへ行っても同じものは同じで変わるはずがないという意味
*図南(となん)の翼(つばさ)
大きなことをしようとする志や計画のこと
*虎(とら)に翼(つばさ)
もともと威力のあるものがさらに威力を増すこと
*林深ければ鳥棲(す)み、水広ければ魚遊ぶ
正しい心優れたものに、自然に多くの人が慕って集まる
*鳥雀(ちょうじゃく)枝の深きに集まる
徳を積めばおのずと多くの人がその徳を慕って集まってくる
*白鷺(はくろ)は塵土(じんど)の穢(けが)れを禁ぜず
清廉潔白な人はどんな地位や環境にいても自分の生き方信念を曲げない
*翡翠(ひすい=かわせみ)は羽を以って自ら残(そこな)う
長所や才知が原因で禍(わざわい)を招くことがあるという意味
*梅に鶯、紅葉に鹿、牡丹に唐獅子、竹に虎
同じ季節内で似合うもの、調和して絵になるものの組み合わせ
*掃(は)き溜(だ)めに鶴 *鶏群の一鶴 *鶴立鶏群
みすぼらしいものばかりが揃った中に、際立ってすぐれたものがいること
*燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや
小人物には大人物の考えることや志は分からない
*蝙蝠(こうもり)も鳥の内
つまらぬ存在のくせに、賢者に交じって仲間ぶっていること
*籠鳥(ろうちょう)雲を望む *籠の鳥雲を慕う
拘束されている者が自由な境遇をうらやむこと、離れた故郷を恋しく思うこと
*闇夜の烏、月夜の白鷺 *雪に白鷺
そのものの色や形が周囲の状況とよく似ていて判別しにくいもののたとえ
*雪山(せっせん)の鳥(=ヒマラヤの想像上の鳥)
過ちに気付かずそれを何度も繰り返す人
*君子は寝鳥を射ず
正々堂々として、相手の弱みに付け込むような卑怯な行為はしない
*鶏口(けいこう)となるとも牛後(ぎゅうご)となる勿(なか)れ
大きな組織の低い地位にいるより、小さな組織でもそのかしらになるほうがよい
*鴻鵠(こうこく)一挙千里、恃(たの)む所は六翮(りっかく)のみ
頼りになり必要なのは多数の凡人ではなく、数名の賢人である
*枳棘(しきょく=からたちといばら)は鸞鳳(らんぽう=想像上の霊鳥)の棲む所に非ず
立派な人物は卑しい地位におるべきではないというたとえ
*窮鳥(きゅうちょう)懐(ふところ)に入(い)れば猟師も殺さず
困窮して救いを求めてくれば助けてやるのが人情であるということ
*闘雀(とうじゃく)人を恐れず
夢中になっている者が思わぬ強さを発揮すること
*誰(たれ)か烏(からす)の雌雄(しゆう)を知らん
人の心や物事の是非、善悪などはなかなか判定しにくいものであるということ
*飛鳥(ひちょう)尽きて良弓(りょうきゅう)蔵(かく)る
用のある時は使われ、用が無くなるとたやすく捨てられることのたとえ
*雀海に入って蛤(はまぐり)となる
物が変わりやすいこと
*雀の糠悦(ぬかよろこ)び
せっかく喜んだのに無駄であること
*雀百まで踊り忘れぬ
若い時に身に付けた習慣、道楽の類は、歳をとってもなおらない
*鶏鳴狗盗(けいめいくとう)
卑しい者の事、又、どんなくだらない技能でも役に立つことがあるというたとえ
*鶏鳴の助け
女性の内助の功のこと
*雌鶏(めんどり)うたえば家滅ぶ
妻が夫に代わって権勢をふるうような家はうまくゆかない
*雌鶏(めんどり)勧(すす)めて雄鶏(おんどり)時(とき)を作る
夫が妻の言いなりになること
*鵜(う)の真似する烏(からす)
自分の能力や身の程を顧みず人まねをして失敗をする者のたとえ
*鵜(う)の目鷹(たか)の目
鋭くものを探し出そうとする目つきやそのさま
*後の雁が先になる
後輩の学識、地位、力量、権力、財産などが先輩のそれを凌(しの)ぐこと
*鷹居眠るとき、鳥雀(ちょうじゃく)喧(かまびす)し
権力者がぼんやりしてると人々が好き勝手して世の中がまとまらない
*鷹匠(たかじょう)の子は鳩を馴(な)らす
子供は将来継ぐべきその家の職業を見よう見まねで覚える
*鷹は水に入って芸無し
有能な人でも才能を発揮できる場所に居なければ全く無力である
*亀の歳を鶴が羨(うらや)む
欲望には際限がないことのたとえ
*鷦鷯(しょうりょう=ミソサザイ)深林(しんりん)に巣くうも一枝(いっし)に過ぎず
深い林に巣を作っても必要なのはたった一枝、その身分に応じて現状に満足すべし
*一石二鳥
一つの行為によって同時に二つの利益を得ることのたとえ
*鶏を割(さ)くに、なんぞ牛刀(ぎゅうとう)を用いん
小事を処理するのに、大げさな方法を用いる必要はないということ
*鶏寒うして木に登り、鴨寒うして水に入る
同じ条件の元でも異なるものはそれぞれの特性の元に違う行動を示す
*鶏をして夜を司(つかさど)らしめ、狸(り=猫)をして鼠を執(と)らしむ
それぞれその才能を生かして使うこと
なぜそういうのか、故事由来おもしろいものも沢山ありますのでご興味あれば是非調べてみて下さいね
「知らない」と「忘れた」は根本的に違う
我、未だ木鶏たり得ず