礼を尽くす | ミックスココアのひとりごと

ミックスココアのひとりごと

気ままに思いついたことを折々に

仕事柄、お客様・お取引先の会社へ訪問します。

また役目柄、いろんな方の訪問も受けます。


こちらから訪問した場合、

お話が終わって辞去する際に

先様がお見送りをしてくださることがあります。


応接室または社長室のドアを出て

「もうここで結構です」と、

申し上げているのにもかかわらず

社長様自ら、

玄関の外までお見送りいただくこともあります。

来客用の駐車場の

自分の車に乗り込んで

走り出して

バックミラーにいつまでも写っている

お見送りいただいてる社長様の姿に頭が下がります。


こちら側が商談を提案する側で

相手の社長様がお客様の場合であってもです。


わざわざ訪ねて来てくれたことに対して、

また、ビジネスチャンス、

あるいは情報の提供に対しての

感謝の意の表明かもしれません。


どれだけ遠くまで送っていくかによって

表そうとしている敬意の度合いがわかります。


会合の場である会議室、

あるいは商談の場である応接室、

あるいは面談の場である社長室…


それぞれの部屋の中でそのまま別れるのは

相手を相当低く見ている、

と言われても仕方ありません。


強者と弱者の関係であったとしても

取引相手であろうとなかろうと

どちらが客であろうとなかろうと

これから取引することになるかもしれない関係ならば

なおのこと

せめて

所属部署、あるいは受付、

あるいはエレベーターのドアの前までは

送っていくべきではないでしょうか


見送ってもらう時に

せっかくエレベーターホールまで見送ってもらったのに

エレベーターに乗って、

ドアが閉まり始めるや否や

きびすを返して立ち去る人がいます。

もうあと0.2秒もかからないのに…


エレベーターの中から

閉まりかけたドアの隙間から

その様子が見えるのです。

見送られる側は

最後まで見送ってもらったという

気持ちになれないので

とても残念です、

まさに、

「九仞の功を一簣に虧く」行為です

*「きゅうじんのこうをいっきにかく」

(長年の苦労が、最後のわずかな失敗のために

不成功に終わることのたとえ)


求人募集に際して

応募してこられる方にお会いをして

二次面接、三次面接をさせていただくことがあります。


相手は年も若い応募者です。

けど、採用するしないにかかわらず

もしかしたら

将来、お客様の立場になられるかもしれない

そんな相手でもあるのです。


だから、必ず面談のあと、

エレベーターホールまでお見送りして

乗りこまれたエレベーターのドアが閉まるまで

ドアに向かって頭を下げ続けています。

「ご応募いただいてありがとうございました」

そんな気持ちで。


大切なお客様(になるかもしれない)に対して

丁重に遇する姿勢を明瞭にあらわさなければ

礼を尽くしたことにはなりません


口先だけで

「ありがとうございました」と言っただけでは

気持ちは通じません。


以前にも書きましたが

カレンダーをお届けした取引先の会社で

応対してくれた部長が

ご挨拶が済んで退去する際

まだ私がドアの外にも出ていないうちに

くるっと振り向いて

今、手渡したばかりのカレンダーを

机の上に放り投げている姿を

目の当たりに見てしまった時

本当に残念でした。


相手に対して

礼を尽くす気持ちがあるのならば

最後の最後まで手を抜かないことです。