原発問題をきっかけに
クリーンエネルギーを考えるとき
環境問題に関心が高まります。
もう19年も前に
20世紀最高のスピーチと賞賛された
「伝説のスピーチ」があります。
日本でも北海道の洞爺湖で開催されましたが、
それより以前、1992年6月、
地球温暖化問題をメインテーマに
ブラジルのリオデジャネイロで
「環境と開発に関する国連会議(環境サミット)」が
開催されました。
通称「リオ地球サミット」と呼ばれるこの会議は
100以上の国と地域から多くの首脳が集まり
「持続可能な開発」をキーワードに
地球環境問題と開発問題を取り上げて行われた
史上最大の国際会議と言われています。
この会議の開催国ブラジルから
遠く離れたカナダで
ひとりの少女が仲間の子供たちと共に
環境学習を行なっていました。
子供環境運動
(エンヴァイロンメンタル・チルドレンズ・オーガナイゼーション)の子供たちです。
子供たちは、
リオで地球環境の将来を決める会議が開催されることを知りました。
会議開催1年前のことです。
「子供こそ、その会議に参加すべき」と考え
1年間、自分たちで費用を貯めて、
はるか1万キロ彼方のブラジルを目指したのです。
スピーチの機会はおろか、
招待さえされていないのに、
ただ自分たちの想いを伝えたい・・・
その一心で行動を続けたのです。
そして奇跡が起きました。
会議の開催期間中のNGOブースでの
粘り強いアピール活動が実を結び
サミット最終日の最後に
子供代表として
スピーチするチャンスが与えられたのです。
演説台に上がったのは、
わずか12歳の日系4世の女の子です。
名前をセヴァン・スズキ(Severn Suzuki)といいます。
そして「伝説のスピーチ」と言われる
6分40秒の奇跡のスピーチが始まりました。
先進国と発展途上国の
環境問題への責任をめぐって
対立が生じた会議としての印象が強い
地球環境サミットですが、
セヴァン・スズキのスピーチは
そういった政治的・経済的な利益を優先的に考える
各国首脳を戒め、
環境保護の重要性を説いた素晴らしいスピーチでした。
彼女は訴えます。
「オゾン層に開いた穴をどうやって塞ぐのか、
あなたたちは知らないでしょう。
死んだ川にどうやってサケを呼び戻すのか、
あなたたちは知らないでしょう。
絶滅した動物をどうやって生き返らせるのか、
あなたたちは知らないでしょう。
今や砂漠となってしまった場所に
どうやって森を蘇らせるのか、
あなたたちは知らないでしょう。
どうやって直すのかわからないものを
壊し続けるのはもうやめてください。」
環境問題への真剣な取り組みを怠り
地球から自然が失われ続けた場合
苦しむのは今の子供たち、
そして未来の子供たちです。
大人も子供も先進国も途上国も、
みんなが家族として協力し合って
地球の危機に対処しなくてはいけない・・・
たった12歳の子供が
真剣に環境問題について考え
行動に移している姿勢に、
そのスピーチを聞いていた大人たちの驚きと共に
大きな拍手を沸き起こすことになったのです。
12歳の子供が語った内容ですから
平易な言葉と簡潔な表現です。
何ら難しい言い回しや単語を使っているわけではありません、
しかし、だからこそ
聞いている人の心を揺さぶったのでしょう。
将来に向かっての希望と
その希望を実現するための勇気を与えてくれる、
この「伝説のスピーチ」を聞いた会場の出席者は
一言の反論もできなかったのです。
大勢の大人の会議参加者を前に
6分40秒のスピーチを堂々と行い
人々の心を揺さぶった12歳の少女
セヴァン・スズキのスピーチはやがて
「リオの伝説のスピーチ
(Legendary Speech in Rio)」
と呼ばれることになるのです。
ここまで読んでいただいたのも
運の尽きです
日本語訳が字幕でありますので
是非、この「伝説のスピーチ」をお聞きください。
伝説のスピーチ (クリックしてください)
This legend amazin speech was made by Severn Suzuki,just 12 years-old girl,at the conference ofEnvironment in Brasil,Rio,in 1992.
今も思い出します、
初めてこのスピーチを聞いたとき
私は、あふれる涙を
止めることができませんでした・・・