一合雑炊二合粥、三合飯に四合ずし、五合餅なら・・・・ | ミックスココアのひとりごと

ミックスココアのひとりごと

気ままに思いついたことを折々に

ダイエットという言葉は単なるブームから最早、

生活スタイルへと定着してしまったのでしょうか・・・

米(コメ)は太りすぎの元凶とまで言われるようになり、

日本人一人が1年間に消費するコメの量も、

約75kgと、

戦前の約半分にまで落ち込んでしまいました。


そんなコメの将来は、

必ずしも明るいものとはいえないのですが、

日本人とコメのかかわりの歴史は古く、

かつては、コメを腹いっぱい食べることは、

とんでもない贅沢だったのです。

というのも、

明治維新以前の江戸時代より昔は、

農民はコメを作っても、

その大部分を年貢として供出し、

自分達の口にはほとんど入らなかったのです。


「一合雑炊、二合粥、

三合飯に四合寿司、

五合餅なら誰も食う」


こんな諺が農村にありました。

(地方によって若干言い回しが違います)


雑炊は「増水」ともいい、

コメの食い延ばしのため、

ご飯に肉類・魚介類・きのこ類や野菜を沢山入れて

醤油や味噌などの調味料を加え、

再度煮て量をカサ増ししたものです。

粥は水だけでコメの成分を延ばしたものです。


昔の人々は一食にコメを約3合食べていました。

お寿司にすれば、美味しいから4合は平気です。

餅に加工すれば

成分が圧縮されて形が小さく見えるために

ついつい食べ過ぎて

5合分は食べることができます。


つまり、この諺は、

調理や利用の方法によって、

食べる量がかなり違ってくることを

言い表しています。


言い換えれば、

雑炊なら1合のコメで一人分になるものが、

粥なら二合で一人分、

普通のご飯なら3合で一人分、

寿司なら4合で一人分、

餅なら5合で一人分になるということです。


そのため、普段の貧しい生活では、

雑炊や粥ばかりで、餅などは、

正月や祭りなどの特別の日でもない限り

口に入ることはなったのです。


実は、この諺は、

コメを節約するための目安を表したものですが、

裏を返せば、

同じコメでも、雑炊よりは粥、粥より飯、

そして、飯よりも餅にした方が、

より美味しく沢山食べられることを物語っています。


ハム・ソーセージや竹輪・蒲鉾など、

食べ物に限らず、

たいがいのものは、

手をかけて加工すればするほど、

その価値は上がり、歓迎されます。


私たちも、何事においても、

面倒がらずに、もう一工夫を凝らし、

手を加える努力を惜しんではならないのです。