新入社員の頃、
実によく先輩や上司の言うことを聞いていました。
とにかく最初のうちは、
謙虚に他人の声に耳を傾けるものです。
上司や先輩に教えを請い、指導を仰ぎ、
その指示に従わなければ、
仕事などできないからです。
ところが、2年3年と経ち、
自分にも後輩ができ、仕事にも慣れてくると、
謙虚さが次第に失われ、他人の声を軽んじて、
あるいは無視するようになってしまいます。
「今更そんなこと言われなくてもわかっている。」と、
逆に腹を立ててみたり・・・・
それは、とんでもない思い違いです。
どこの業界のどんな職場にも、
勤続何十年という大ベテランさんはいると思います。
えてして、そういうベテランさんの上司という人が、
実はその人より年下だったりすることがあるのです。
例え年下の上司であっても、
経験の浅い同じ職場の同僚であっても、
どんな内容の忠告でも、
感謝してその忠告を受けるべきです。
忠告に限らず、アドバイスでも、どんな指摘でも、
素直に耳を傾けるべきです。
忠告の声を遮ってしまえば、
次から、忠告を受けられなくなるかもしれません。
例え自分がわかっていることを忠告されても、
それはそれでありがたいことなのです、
忠告していただけること自体
感謝すべきことなのです。
何か忠告を受けたら、
よく言っていただけたと感謝すべきです。
そんな謙虚さをもち続けていたいものです。
そうすればまた、次の機会にも
忠告してもらえるのです。
他人の忠告に素直に耳を傾けていれば、
結局得をするのは自分なのです。
信頼関係を損なうこともありません、
人間関係にひびが入ることもありません。
職場の雰囲気を悪くすることもありません。
自分が正しいと信じるものを曲げてまで、
他人の意見に従えといってるのではありません。
人として、成長を願うのであれば、
どんな人の忠告も素直に聞ける
謙虚な気持ちを持っていたいものです。
わが智に自慢しては、われほど分別はなきと思い、人のいうことを嫌うは、誠の智にあらず
池田光政(江戸時代前期・備前国岡山藩主)