もしこの記事を、病院のベッドの上で、
読んでおられる方がいらっしゃいましたら、
一日も早く全快されて
退院されますようにお祈りしています。
さて、今までに入院された方は
どれくらいいらっしゃるのでしょう?
幸いなことに、物心ついてから
一度も入院なんかしたことがないという方、
本当に幸せだと思います。
健康な身体に恵まれたことは
とても幸せなことだと思います。
残念ながら、入院したことがあるという方、
それはそれで、とても貴重な経験をされたという点で
幸せなことだと思います、
なぜなら、今は入院中ではないということですから。
入院中の病人とは、いかにも孤独なものです。
日頃、元気に飛び回っている人ほど、
ひとたび病に倒れると、
これが同一人物かと目も疑いたくなるほど
意気消沈して気弱になってしまいます。
「私は、もうダメ・・・。
どうして私だけが、こんない不幸な目に
あわなければならないの・・・」
病院のベッドの中で、
何の飾りもない白い壁を見つめ、
枕を涙でぬらし、
無限奈落の谷底のような絶望の淵を
孤独に一人でさまよっているかのような光景を
垣間見ることがあります。
弱気になったその気持ち、
4度も入院したことがありますので、
よくわかりますが、
しかし、そんな気持ちのままでは、
よくなるものもよくなりません。
病気で苦しんでいるのは、
何も自分ひとりではないのです。
病院に行けば、入院患者さんはいっぱいいますし、
病院の待合室は人であふれかえっています。
みんな、自分自身のために、
支えてくれる家族のために、
心配してくれる友人のために、
病気と闘っている人ばかりです。
さらには、
これが病人かと思うほど元気(?)に、
病と闘いながら明るく一生懸命に
生きている人もいます。
泣きわめいても、泣き叫んでも、
わめき散らしても、八つ当たりしても、
すねて、ふくれて、むくれても
自分の心の弱さをさらけ出すだけで、
そんなものは何の役にも立ちません。
自分の目の前の仕事は、
この病気と闘い、これに勝つことだと思って、
ほかの事は何も考えずに、
退院できるその日が来ることだけを考えて、
希望を持って、明るく積極的に病気に挑み
打ち勝つように心がけるしかありません。
お見舞いに来てくれた友人の、
温かい励ましの言葉に支えられて、
病気が治ることを、心待ちにしていてくれる人が
いてくれることの幸せに気付くこと、
そうすれば、自分の荷物の重さは
たちまち急に軽くなっていきます。
病気になったことのある人も、
病気の人も、
病気になったことがない人も、
今、こうして生かされていることの
ありがたさを感じれば、
学校に行って、会社に行って、
やるべきことがあることの幸せを
感謝せずにはおれないと思うのです。
やらなければならないことがあるということは
ありがたいことです。