かつて映画『キューポラのある町』の舞台だった私の故郷は、『マンションだらけの町』になってしまった。
荒川を越えると東京の赤羽。
その境界線にあったキューポラのある鋳物製造工場は何時のまにか、マンションになってしまった。

川口市の奥地へ奥地へと鋳物製造工場は追いやられていき、本当にマンションだらけの町になってしまった。

私が幼い頃、住んでいた場所は準工業地帯で、小学校から帰るとランドセルを置くと友達と近くの鋳物工業に行き、窓越しに溶けた『湯気』と呼ばれた溶けた鉄がキューポラから砂で造られた型に流されるのを、ワクワクみていた。
午後5時すぎると工業の仕事は終り、おじさんが男の子には『ベー駒』を、女の子には鉄製の『おはじき』を呉れた。
私や友達は追いやられて『おはじき』をぴかぴか✨に磨いて硝子のおはじきと並べては、ニコニコしていたものだ。
叉は、『磁石』(砂鉄で作ったのかな?)を呉れた。

みな、今は昔…優しい思い出になってしまった。

ドーン ドーンと打ち上げられているオートレース場ので花火をマンションや建物の影から観ながら思い出している。