柴舟小出のきんつば | 御殿場高原ブログ ~禁煙に失敗したら即閉鎖することを約束させられたブログ~

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御殿場高原の中心で富士山メシをサケぶョ。でも転勤したらブログは終了だけどね。

虎屋のようかんによく似た風合い。
なるほど飴を使わず寒天で固めているんですね。
私の好きな和泉屋庄三郎(創業文政元年)のきんつばは水飴を用い、寒天は使用していませんからこの差は性格にしっかり現れます。
柴舟のきんつばは寒天らしいキメの整った感じが魅力的。
逆にいえば寒天の個性が小豆に勝るために素朴さはそれほどなく、締りの強めの皮にしっかりとした餡が味わい淡泊に存在するという感じ。小豆の風合いは食感の梁によるところが強く、小豆そのものの旨みを味わうことに狙いをおいた感じでもありません。
それでもすっきりしたこの風合いは、なかなかの個性で、時折無性に食べたくなるもの。
ジワリとというよりは、きれいすぎる曲線を描くように甘味が浮かび、その洗練され具合が物足りないことも。
和泉屋の大名きんつばのちょっとボソボソした感じの餡が、どうにも体感的に肉肉しい感動を与えてくれるのとは方向性が大きく異なります。
小豆も半壊させられているが故に、これまた不思議とざらつく小豆の皮が素朴で心地よく、よくもまあここまで田舎染みた風合いを感じさせてくれるものだと驚くほど。甘味も口当たりから感じさせるも密な風合いでなく、小豆のザラッとした風味に重ねつつも、徐々に小豆の皮の持つ苦みの中にその甘みを埋め込み、コクとして表現を変えていくような性格。
皮も柴舟よりもやや厚みを感じさせつつも張りがなく、それでいて渋みはそれなりに伝えるという、なんだか手作りおにぎりを思わすような個性。
そうなんですよ、おにぎりなんですよ。
柴舟は極上のコンビニおにぎり。
和泉屋はおばちゃんのおにぎり。ぶっちゃけ時々餡の風合いが違う気がする時もあるしね。
と、きんつばの話は今日はここまで。

和泉屋 ☆9
又一  ☆8.5
柴舟  ☆6.5