ようこそドーナツマニアランドへ あんドーナツNo.1決定戦 製パンメーカー編 2008/4/7 | 御殿場高原ブログ ~禁煙に失敗したら即閉鎖することを約束させられたブログ~

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御殿場高原の中心で富士山メシをサケぶョ。でも転勤したらブログは終了だけどね。


セブンイレブンの餡ドーナツが美味しいという噂を聞いて、コレは確認しなければと思い立ったある日の午後の話。

コンビニのアンパンが美味しいと言われても何とも心は動かなかったと思うのですが、ドーナツフリークの私です。餡ドーナツが美味しいと言われれば話は別です。

そこでスーパーで餡ドーナツを探してみます。セブンイレブンの餡ドーナツを食べる前に予習が必要だからです。しかし意外と無いものですね。何とかスーパーで見つけて購入したのが敷島製パン「ずっしりあんドーナツ」、銀座木村屋「アンドーナツ」、神戸屋「揚げパン粒あん」、山崎製パン「あんドーナツつぶあん」です。予習をしないとあんパンに不慣れな私にはセブンイレブンの餡ドーナツを正確に判断ができないと考えるあたり、仕事以外にはまじめな一面が伺われます。

まずは敷島製パンのPascoブランドの商品「ずっしりあんドーナツ」です。こちらは餡の味が良いですね。粒餡の食感もほど良くアクセントを与えていますし、口当たりも悪くありません。風味の強いドーナツ生地に入っているわけですから、それほど後味の余韻を楽しむことはできませんし、それを狙う必要もありません。低価格に抑えながら必要なことを必要な分だけやったという印象ですが、嫌な気はしません。ドーナツ生地と餡の重さや質感が近いので、私はとても自然な感じで味わうことができました。意図的に食感に差をつける場合もあると思いますが、このドーナツの場合はこれが正解でありましょう。餡も粒が良いアクセントとなって、スナック感覚でカジュアルに楽しめる風味です。この路線はこの路線で良いものだと、私は非常に高く評価します。

続いてアンパンの本家、銀座木村屋です。しかし私は銀座木村屋の「あんぱん」について高い評価をしていません。私の印象では、世間の評価程には餡の風味が良くないのです。口解けが悪く、味にも華やかさがありません。やっぱり良い餡とは舌の上で風味を残しながら存在そのものは消えてなくなるかのように溶けないといけません。柏餅の餡を思わせるような田舎風のやや野暮ったい印象があります。柏の葉がついていないのに、柏の葉がついているかのような錯覚を覚える味なんですね。草の風味が感じられます。軽やかな甘さがスッと入ってくるようなタイプではなく、餡の質感だけが先行して旨みが追いついてこない・・・そんな感じです。また、あくとりが足りないのか雑味が残っている印象も受けるんです。こし餡を使用したものは、つくりのレベルが伝わりやすく、誤魔化しがききません。それ故に低価格で抑えることが難しいのかもしれません。しかし銀座木村屋ブランドのイメージとしては・・・ね。銀座木村屋の餡パンが美味しいというのは、多くの方の思い入れ、悪く言えば思い込みなのですから、期待に応えて欲しいものです。そんなわけで銀座木村屋の「アンドーナツ」にもあまり期待をしていなかったのですが、良い意味で裏切られました。ドーナツ生地が餡の悪いところを包み込んでしまうような印象で、上手にバランスの取れた一品となっています。敷島製パンが粒餡のスナッキーな心地よさに魅力を感じるとするならば、銀座木村屋は餡を包み込むドーナツ生地のホットケーキ的な卵の優しい甘さに魅力があります。表面のシュガーパウダーがこぼれやすいのが気になりますが、味はなかなか良いではありませんか。それでも餡そのものは評価しているわけではありませんので、銀座木村屋さんにはもっと頑張って欲しいところです。
それにしても敷島製パンの餡を銀座木村屋よりも高く評価するあたりに、私の舌の怪しさか、はたまた他人に影響されずに自分の舌で評価していることの証明されるのか、・・・まあどちらかなんでしょうね。

続きましては神戸屋の「揚げパン粒あん」です。正確にはドーナツではありませんが、揚げパンとドーナツの間に大きな差が無いと考えてのセレクトです。このパンは餡の量自体がやや少ないので、作り手のイメージする味のメインは揚げパン生地なのかもしれません。そうすると餡の質を問うのはコクなのかもしれませんね。などとフォローを入れたくなったのは、餡の味が悪いからに他なりません。何より口当たりの風味が雑です。舌先から餡がスッと溶け、甘味が口の中に広がり、綺麗な余韻が美しく消えていくのが餡の理想像。入りから雑な上に、舌の上にべたつく重い食感は、低価格の餡の典型的なパターンです。

最後にパン業界の重鎮であります山崎製パンのあんドーナツつぶあんを紹介しましょう。しかし私はこの商品にはあまり期待をしていませんでした。それも以前に山崎パンの餡ドーナツを食べたことがあったからなのです。その名も小豆洗いのアンドーナツ! おまけのカードもついて、お得感抜群!・・・ってことは全然なくて、キャラクター使用料とおまけの制作費でドーナツそのものにお金がかかっていないのではないかとの不安を的中させる一品です。餡の味は神戸屋のそれと大きく変わらず小さく下回るといった印象。それにしてもの雑味が多いのです。パンもスカスカで張りもなく、子供向けのチープな甘味が美味しくない。モスバーガーのバンズの方がむしろドーナツしているとさえ思われます。パンの下側の表面部分はやや硬くて心地よいなんて書かなくてはいけないほどに、他に喜びを見出せる部分がありません。最悪この上ないパンでありました。しかしこのあまりにも酷い餡ドーナツをつくったメーカーとは思えないほど、あんドーナツつぶあんは優れていたのです。ドーナツ生地も甘く優しく、餡も非常に明確な味を見せてくれるものでした。甘さもしっかりとしていますが、粒の存在が風味にも食感にも良い変化を与えており、敷島製パンのスナッキーな餡をより軽快にハツラツとした風味に仕上げた印象です。しかもドーナツ生地も敷島製パンのそれよりは随分と明るく、メリハリのあるテイストであるのです。これは高く評価できるものと確信します。

ではこの4品に順位をつけてみましょう。

関係者には申し訳ないですが山崎製パン、敷島製パン、銀座木村屋、神戸屋ですかね。80点、77点、76点、73点と言う感じですかね。山崎製パン以外の商品は、ちょっとセブンイレブンには勝てないんじゃないかなあ~と、厳しい予想するところであります。