ファッション用語をさりげなく使いこなせたら恰好いいと思いませんか?
洋服を買いに行った時に、販売員さんがごく自然にファッション用語を交えてお話しする姿は高貴に映ります。ファッション誌の方々とお話しする時も、自然にファッション用語が飛び出し、私はいつも羨望のまなざしでうっとり聞き入ってしまいます。ボディファッション用語(下着の専門用語)は私も発しているかもしれませんが、ファッション全体のことを理解して語ることができる販売員さんやファッション誌の方々には敵いません!本当にカッコいい!素敵です!

 

私がインティメイトアドバイザー(日本ボディファッション協会)の資格を取得する際、ファッション用語も幾つか学びました。勉強を進めていくと、それまでいかに曖昧な認識でいたのかを痛感。頻繁に出てくるファッション用語を的外れに受け止めていたのです。誤った認識をリセットして、用語本来の意味を知ると、ファッション誌を読むのも楽しくなりました。販売員さんの説明もなんとなくのニュアンスではなく、ピントの合った解釈ができるようになり、洋服を選ぶのもスムーズに!

 

何気なく使っているファッション用語の中でへ〜と思ったのが「シルエット」という言葉。シルエットが整う、シルエットが綺麗、シルエットに影響など、結構、使っています。シルエットとは外形、つまりアウトラインのこと。美術の世界では内側を塗り潰した影絵のような単色画像をそう呼ぶそうです。でも、実は、元は人名でした。

 


 

フランスはルイ15世時代の財務を担っていたエティエンヌ・ド・シルエットは、当時の経済難を打破するため贅沢を戒めました。写真がメジャーではなかったこの時代、肖像画を書く風潮があったのですが、その絵を輪郭のみにし、中を黒く塗りつぶすように指示したのです。このことから、輪郭を表したものをシルエットと呼ぶようになったのです。
 

ファッション界では商品そのものの外形とともに、着用した際の立体的なボディラインそのものを「シルエット」と呼んでいます。そして、アウターの世界では、シルエットの呼び名が色々と決められています。これを覚えると、ちょっとだけファッション通になったような気持ち?何事もその奥行きを知ることは楽しいですよね。


アルファベットの文字から名前がついたのがAラインとHラインです。
Aラインはトライアングルラインとも呼ばれ、裾広がりになっています。Hラインは基本はストレートでHの横線がベルトや切り替えによって表現されています。次いで、上半身からスカートをつなぐウエストに切り替えがなく、腰から裾に向けて広がっているのはプリンセスライン。20世紀半ばにクリスチャン・ディオールが発表した絞ったウエストと細身のスカートが特徴なのがチューリップライン。そして、ボディラインに沿ったシルエットはボディコンシャスと言います。


洋服は色や模様だけではなく、シルエットによって醸し出す世界観も変わります。そして、それによって自分の印象を変化させることも出来るのです。シルエットの個性を美しく見せるためには、個々に応じた下着選びも重要となります。シルエットと下着との相性を交えながら、シルエットを引き立たせることを「ウェアリング」と言います。これ、私はいつもSNSで「下着のレシピ」として発信しているプロセスです。次回はウェアリングについて書きますね!

 

下着美容研究家 湯浅美和子

日本ボディファッション協会認定インティメイトアドバイザー