今日は東映の岡田裕介会長のお別れ会へ伺いました。

大好きな岡田さん。恩人の岡田さん。

未だに、天に召されてしまったことが信じられません。

 

岡田さんと初めてお目にかかったのは

吉永小百合さん主演映画「時雨の記」のキャンペーンMC時。

1998年のことでした。

 

その後、吉永小百合さんの映画ではいつもMCとして呼んでいただけるようになり

吉永様を座長に全国キャンペーンに幾度もお供させていただきました。

九州だったと思いますが、

岡田会長がお食事の席で滑稽な踊りの芸を披露してくださって

吉永さんがクスクスっと笑っていらっしゃったのが印象的です。

 

移動中もロケバスでは岡田さんがなぞなぞを吉永さんに出題していて

それが、知的なものばかりで。

まだ20代、北海道から出てきたばかりの私にとって

すごい世界だなぁ。大人ってかっこいいなぁと

本当に刺激的でした。

 

当時、岡田さんは東映の部長さんで

その後、社長となり会長となり、

どんなに偉くなっても、私を見つけると

「ゆあさぁぁぁぁ」と

決して、嬉しそうではない表情なのですが(笑)

なんだかんだ、いつもかまってくださって。

しがないMCですのに「湯浅もこい!」と食事の場に呼んでくださったり。

 

東映以外の映画会社の方々がいらっしゃるところでは

「湯浅を司会で使ってやって」と

あたたかな振る舞いをしてくださったり。

 

今日のお別れ会では岡田さんの写真が何枚も展示されていたのですが

あのイベントも、このイベントも、私、司会をさせていただいた。

上手にできた回は「よかったよ」と言ってくださった

岡田さんのお声が鮮明に蘇りました。

 

実は、私は岡田さんと同じ美容室に通っていて

偶然なのですが、同じタイミングになることが幾度もありました。

私を見つけると「ゆあさかぁ〜」としぶ〜いお顔をなさる。

でも、私より先におかえりになる際は

「湯浅くん!頑張れよ」とエールを送ってくださった。

美容室はおでこ全開になりますよね。

私、デコッパチがコンプレックスで

その姿を岡田さんに見られるのが恥ずかしかったのですが

「綺麗なおでこだ、いいおでこだ」と言ってくださった。

 

いつも、鮮度よく演出なさる。

連続するキャンペーンで、良いアイディアがあれば

その場ですぐに採用し、実行!

台本なんてなくてもいいだろ!行け〜。

岡田さんの決断力と速攻性は本当にすごくて、

結果、そうすることでイベントは大盛り上がりとなるのです。

 

全国キャンペーンでは本番後、ホテルのバーに

自然と関係者が集まって、

岡田さんを中心に「次はなにやる?どうしたら面白くなる?」と。

敏腕プロデューサーの一面も拝見することができ

本当に光栄でした。

 

私が司会でもたもたしている時は

舞台横に来て「早くしろ」と叱られたことも。

フリーの私にとって叱ってくださる方は貴重です。

 

こうして、今でも東映様はじめ

吉永小百合様とのご縁が続いているのは岡田裕介さんのおかげです。

 

育てていただきました。

 

ものすごい方なのに、偉ぶらず、

優しくて、あったかくて、チャーミングで。

大好きでした。

 

お別れ会の会場だったホテルのエスカレーターで

ふと、えっ?今?

「ゆあさぁぁぁ」と、岡田さんの声が聞こえてきました。

 

感謝が尽きません。

 

心よりご冥福をお祈り致します