1000人のおっぱいを触ったフリーアナウンサーこと下着美容研究家 湯浅美和子です。

 

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あまりネガティブなことを書きたくないのですが、こういうことに巻き込まれてユーザーは損をするということを目の当たりにしたので被害者が増えないためにも書くことにしました。

 

先日、下着のフィッティングの場で目を疑う事態に出会いました。

友人が結婚するにあたり、ドレス用の下着を見立てました。事前に友人からドレスを着用した写真を見せてもらい、更に友人のサイズを採寸、ドレスにひびかず、ボディにジャストフィットし、ブライダル以外でも使用できるタイプのものを選びました。

 

結婚式の二週間前のドレス試着日に友人から「持参した下着だとドレスのフックがしまらなかった」という連絡を受けました。ありえない!もし、それが本当なら下着美容研究家として大ショックです。責任もありますし、式直前の最終のドレス試着日には同行することにしました。

 

式場は名前を出せば誰もが知っている老舗の格式高い会場。試着担当スタッフもかなりなキャリアの女性でした。下着を持ち込むのが気に入らなかったのかはじめからあたりがきつく、憧れていた会場だっただけに残念に思いました。でも、もっと驚いたのはいざフィッティングが始まってからです。

 

結論から言いますと、ボディに合わせた下着&ドレス選びではなく、下着に身体を合わせるアプローチ。むか~し昔のヨーロッパ、ウエストシェイプのためにクジラの骨で作った円周30センチのビスチェに身体をつっこむ!極端に言えばそういう感じだったのです。

 

まず、持参下着をつけてドレスを着用。すると、ドレスの背中のフックがしまらないと言うのです。確かに余裕があるわけではありませんが、新婦の選んだドレスサイズにはおさまる円周の下着を選んでいるのでそんなはずはない。けれど、3センチぐらいドレスがきついと。

 

仕方がなく、会場が薦める下着Aを試着。すると、「息を吸って、とめて」と言いながらドレスを寄せ、フックをつけたのです。ほら、入ったでしょ~と。

更に、会場おすすめ下着Bも同様に。ただ、こちらは他2点よりも薄くソフトな素材なので2点よりはスムーズ。「色々試しているうちに身体が馴染んでくるんです」と言われました。そんな一瞬で細くなるなんてありえないのに。しかも、下着Bは「5本のボーンでおなかをぺったんこにしている」と自慢され...。いえいいえ、持参したウエストニッパーも8本のボーンのあるブライダル用なんですけどね~と心で思いつつ。

 

納得いかず、「すみません、私、下着のプロなんです。一応、これ、ワコールのブライダル用のウエストニッパーなんですけど」と。(ブラはワコールでもブライダル用でもなく、それでも対応できるハーフカップのものをチョイス) 

だって、絶対に入るはずなんだもん。そして、本人がどれをつけても着け心地は変わらないと言うのですから。だったら、持ち込んだもので良いではないですか。

 

もう一度、持参下着を着用。そして、私がドレスのフックをつけようとしたらまるでどけてという感じで手ではらわれ、会場スタッフが新婦の背中にまわりこんだんです。ここで、よくぞ、私はキレなかったと自分を誉めてあげたい(笑)。

まぁ、それはさておき、「やっぱりしまらない」と。「でも、下着Aとあまり変わりませんよね。同じようにすればしまるはずですけど」と、私が原理を説明すると「あっ、しまりました」と。でも、すぐに「フックがとれた」と、ドレスのフックの糸が切れたと言われました。

しかも、「ワコールの下着はひどくって扱うのをやめた」とか「薄っぺらくてぺらぺらだ」とかのメーカー叩きが始まりました。此処はどこ?格式高い会場のはずよね?と耳を疑いました。

(ワコールの名誉のために言いますが、決してそんなことはありません)

 

ドレスの一番上のフックをもう少し頑丈にして、強い糸でドレスにしっかり固定してくれれば持参の下着でも充分使えるのですが・・・。すすめられた下着は2万円のスリーインワン。物自体は優秀なのですが、新婦はメリハリのある美ボディのためジャストフィットするものをさがすのは困難。ウエストで合わせるとバストが窮屈(=肉漏れ)、バストで合わせるとウエストがすかすか。ブラとウエストニッパーがセパレートされた下着を着用する方が個々のパーツを美しく整えることができるのです。

 

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結局、会場の下着で押し切られました。まぁ、私なら下着のトークショーなどでも使えるので私が買うことに。その代わり、新婦が着用する時はフックの位置を変えてもらうようお願いしました。スタッフが最初にセットしたフック位置ですと無理やり窮屈にしめた分、はみ肉がこぼれてたくましく見えてしまったからです。どうも、そのスタッフさんはきつくすることが良いというアプローチでして。

 

そもそもドレス選びの段階から助言が足りない会場だと思いました。持ち込み禁止で、ドレスはすべてリース。サイズ調整もできないので、挙式当日までに増減ともに体型変化への具体的な心配事を花嫁さんには伝えるべきです。特に窮屈なドレス、窮屈な下着は、その時間は整えられたとしても身体へのダメージは多大なるものですので、そういうことを踏まえた上で「挙式までに何センチ程スリムになってください」とアドバイスしてあげれば、花嫁さんもダイエットしやすいはず。

 

ブライダルインナーって特別なものではなく、普段の下着を合理的に合わせているだけなんですよね。ですから、本来、身体にジャストフィットするものを購入していればきついこともなく、普段でも使えるのです。でも、今回のようにドレスに中におさめるために窮屈にしめて着用したら、以降、着けようとは思いませんよね。すべて揃えたら3万円ですよ。有効に使えるものを購入できるようにアドバイスしてくれる販売員さんや会場スタッフさんと出会えなれば大損ですよね。

 

今回の会場はドレス選びの日と挙式直前の試着日のスタッフが別の人だったそうです。更に、挙式当日も別のスタッフ。着せ方の癖もちがっていたそうです。

 

こうやって、たった一度、数時間しか着用できない合わない下着を買ってしまうということが結構起こっているのでしょうかね?下着は素晴らしいもので、苦しくなく、女性のボディの強い味方のはずなのに、かなしいです。

的確に今と未来のヘルス&ビューティーを考慮した下着選びをアドバイスしてくれるスタッフさんのもとでしたら、きっと、2万円の下着でも「買ってよかった~」と思えるはず。そういう販売員さんに出会えるとフィッテイング(試着)の時間が楽しくなりますし、今の自分のみならず未来のボディも輝くに最適な下着と出会えるのですから。

 

日本ボディファッション協会認定インティメイトアドバイザー

下着美容研究家 湯浅 美和子