知人友人の結婚式や披露宴に招かれた時、何を着て行きますか?
今日は下着美容としての慶事マナーについて書かせていただきますね。
本来、結婚式や披露宴でのドレスコードは正礼装、準礼装、略式礼装の3パターンがあります。
一般的に新郎新婦の近親者や主賓として出席する場合は正礼装、招待状に「平服」とあれば略式礼装、そうでなければ準礼装という判断となります。むずかしいのが、正礼装、準礼装、略式礼装ともに昼と夜では解釈が変わるので、慶事での正しいフォーマルスタイルを知っておかなければ失礼になってしまいます。大人の女性として、正しい装いのマナーは熟知しておきたいですよね。
結婚式や披露宴に列席する時の大原則は「新郎新婦より目立たない」ということです。当然、白のドレスは避け、身だしなみは極端に華美でないように心がける必要があります。しかし、ラフすぎても無礼になります。この「フォーマルのサジ加減」は自分の立場と式の時間帯によって変える必要があるのです。
まず、理解しておくべきなのが結婚式は儀式であるということです。そして、披露宴はその儀式を終えた二人を祝福する慶事の一部であり、自分がおしゃれを楽しむパーティーではないという点です。クリスマスパーティーではおしゃれなドレスを着て素足にピンヒールで登場しても構いません。しかし、結婚式や披露宴での主役は新郎新婦ですから、二人を基準とした装いをした上で、二人のテリトリーへおじゃまさせていただくという気持ちでいた方が無難です。
例えば、披露宴に素足で来ている人を見かけることがありますが、人様の家へ裸足で上がることは失礼ですよね。と言う事は、人様の儀式に裸足で参列するのもやはり失礼なのです。ベージュのストッキング、もしくは光沢が強過ぎないデザインのタイツなどを履いて肌の露出を控えるべきです。更に、つま先が見える靴もNGです。これは「妻が先に逝く」という意味が込められてしまうそうなのです。知らず知らず、そのような非礼なメッセージを発信してしまっては大変です。
続いて、服装は何を着たらよいでしょうか?
最近、披露宴に行く女性の殆どがカクテルドレスを着ているように見受けられます。肩や腕を出したひざ下丈のワンピースのようなスタイル!エレガントではあるのですが、実は昼間の披露宴ではタブーな装いなのです。
基本的に昼間の披露宴での肌の露出はご法度です。昼の正装はアフタヌーンドレス、準正装はアフタヌーンドレスかセミアフタヌーンドレス、略式礼装はインフォーマルドレスとなります。
アフタヌーンドレスとはくるぶし丈の長さで襟元がつまったものを言います。セミアフタヌーンドレスはワンピース、アンサンブル、ツーピースなども含まれ、インフォーマルドレスはタウン感覚に近いスーツやワンピースを指します。これらにすべてに共通しているのは、デコルテと肩を隠すという点です。つまり、昼間の披露宴での列席者の装いマナーは「デコルテと肩を出さない」ということになります。
先程、花嫁のドレスカラーである白は避けるべきと書きましたが、昼間の披露宴では黒もNGです。黒は葬儀や夜をイメージするカラーなので、なるべく控えた方がよいでしょう。生地も光沢があるものは避けるのが本来の昼間の慶事での衣装マナーとなります。
さて、夜ですが、夜は肌露出がマナーとなります。robe decolletee(ローブデコルテ)というのですが、袖無しのオフショルダーが淑女の慶事参加着の正しい着こなしなのです。裾が長く靴が隠れるぐらいのイブニングドレスが正装、くるぶし丈のセミイブニングドレスが準礼装、丈がひざ下ほどのカクテルドレスが略式礼装です。
肌を出すことが夜の披露宴のフォーマルマナーではあるのですが、日本はもともと和装文化の国。欧米のように露出のあるドレスに瞳が慣れていません。正しいマナーとはいえ、他の人の目から見て派手になりすぎていないか?下品に見えていないか?特に、胸の谷間やブラジャーの透明ストラップなど下着やバストを連想させるものは避ける配慮が大切です。
見せてよい肌時間と肌部分!この見極めが、大人の慶事フォーマルマナーなのかもしれませんね。新郎新婦やご親族に失礼にならないよう、正しいマナーのもと心から祝福してあげたいものです。
日本ボディファッション協会認定インティメイトアドバイザー
下着美容研究家 湯浅 美和子