１０００人のおっぱいを触ったフリーアナウンサーこと下着美容研究家、湯浅美和子です
下着の寿命はいつでしょう？
その見極めポイントは２つ！「見た目」と「中身」です。そのどちらかがボーダーラインを越えてしまったら、そこが下着の寿命！つまり捨て時です。夏が秋に寄り添う季節。そろそろ下着の衣替えを考え出す時期です。来年までキープするものと今シーズンでさようならするものを分けて、クローゼットをすっきりさせてみてはいかがですか。
まずは「見た目」です。私は生花と同じ気持ちで下着の捨て時を決めています。要は枯れてしまう前に捨ててしまうのです。
花にはフラワーセラピーのような効果があると聞きますが、その癒しも花そのものが生き生きとした表情の時に一番強く感じます。ランジェリーも同じだと思いませんか？誰かに見せるわけではなくとも、自分の目から心への影響は強いものです。
新しい下着を身につける時は理屈抜きで嬉しいです。下着はお肌に直に触れるものですから、清潔感が自分にとけ込むような歓びとエネルギーが湧いてくるものです。個人的な感想ですが、そういう瞬間にランジェリーセラピーがあるのでは？とさえ思ってしまいます。
下着が枯れてしまう前とは、そんな新品のアプローチからかけ離れる手前の段階を指します。完全に枯れてしまう前に捨てるのは、枯れかけた（もしくは枯れた）下着を身に着けることに抵抗があるからです。生花もそうですよね。明らかに枯れかけているものや枯れたお花を飾るなんてしませんもんね。
ですので、使用回数は関係ありません。仮に使用回数が少なくとも、見た目に劣化を感じたのなら寿命だと判断します。
具体的に挙げると、脆化、斜行は必ずチェックします。
脆化現象とは下着のパワー強度がなくなることです。特にポリウレタンを含む下着は酸化によって時間経過とともに脆化しやすいので、伸縮性が弱くなっていないかどうか確認します。
斜行現象とは縫い目がななめに伸びてしまうことです。ニットインナーに多く、洗濯回数とともに変形していくので形が崩れていないかチェックします。
脆化と斜行が始まった下着は機能面にも影響するので、状態が始まったら自分のためにも捨てることをおすすめします。
型くずれしていなくとも、色落ち、レースの劣化、ほつれ、毛玉などを見つけたら「下着の寿命」と判断するように見た目の印象も大切にしています。下着は自分の鏡だと思えば、捨てる頃合いをシビアに見極められるはずです。
続いて「中身」です。特に、ブラジャー、ウエストニッパー、ボディースーツ、ガードル等のプロポーションを整える下着（ファンデーション）は外見だけではなく中身もチェックすることが大切です。
下着の中でもファンデーションは生地の中にパーツが入っていることが多く、一見、変化がないように見えても中身が変形していることもあります。特に、洗濯機で通常の洗濯物と一緒に洗ったブラジャーは、仮にネットに入れていても１００%パーツ変形してしまいます。洗濯機の場合、下着は弱水流で「洗い～脱水まで５分前後」でなければ耐えられないのです。
ワイヤーやボーン、カップの変形はダイレクトにボディラインの変形につながります。私も以前、まちがえてブラジャーを洗濯機に入れてしまったことがあります。新品同様でしたが泣く泣く処分しました。ブラジャーは少ないものでも２０～４０個のパーツを組み合わせてできています。そのひとつひとつに意味があり、それが健全でなくなってしまった場合、残念ながらそのブラジャーはご臨終なのです。
洗濯機を使わなくてもパーツは使用とともに劣化していきますので、買った時の弾力があるかどうか中身までしっかり確認しましょう。機会があれば、捨てる時にパーツを取り出して見てみると参考になりますよ。
エコの時代、物を大切にする心がけは必要ですが、下着に関しては「捨てないという姿勢」よりも「捨てない状態を保つ姿勢」が大切だと思います。日常からやさしく手洗いをして、形が変形しないように水気を切り、型直しをしてから陰干しします。クローゼットにしまう時も、窮屈にならないようスペースをキープしながらていねいにしまうことです。天然繊維のものには防虫剤も必要と、下着の扱い次第でその寿命は伸ばせます。下着寿命を伸ばすということはスタイルの寿命を伸ばすことですから、大事に扱い、捨て時には潔く捨てることですね。
日本ボディファッション協会認定インティメイトアドバイザー
下着美容研究家 湯浅 美和子