この記事ではヴァイオリンの「剥がれ」と言われる症状について書きたいと思います。


乾燥はヴァイオリンの大敵

修理が必要なヴァイオリンの症状として多いのが板の剥がれです🎻


原因の大半は乾燥。


湿度の変化で木が伸縮するなど変形し、接着面が限界を迎えると剥がれます。


あとは衝撃を与えると剥がれてしまうこともありますアセアセ


私が学生の頃のエピソードですが...


雨の日にツルッと足を滑らせて尻もちをついたことがあったのですが、その時に尻もちと同時に背負っていたケースの底を地面に強打してしまいましたガーン


見事にエンドピン周辺の表板と側板の部分が剥がれていて、すぐに修理に出した記憶があります。


その時は剥がれ以外は特に損傷が無く安堵しました。



楽器の剥がれに関しては私はその時しか経験がなかったので、今年乾燥によって所持している楽器の数々が剥がれた時はショックでしたアセアセ

(詳しくは下記の記事をご覧にください鉛筆)

が、職人さん曰く板が剥がれることはわりと良くあるのだそうです。


特に昨年と今年の空気の乾燥は酷く、剥がれの修理はかなり多かったと伺いました。

剥がれの他にも、板の割れや指板が取れてしまうなどのケースもあったとかアセアセ

乾燥、本当に恐ろしいですねショボーン


楽器が剥がれると...
見た目はこんな感じ


写真で分かりにくいとは言え、隙間が見えると思います。


エンドピン周辺が剥がれた場合は、顎当てを止めているパーツ(正式名称分からずタラー)で表板と裏板を挟んでいるため、気付きにくいこともあります。


板が剥がれた部分を叩くとこんな音がします。

最初叩いた数カ所は剥がれていない場所。


残り13秒のタイミングで叩いた場所が剥がれているところです。


音の違いは歴然だと思います。


剥がれていない場所は「コンコン」という音ですが、剥がれている場所は板と板がぶつかる「バチッバチッ」という音がしていますよねアセアセ


楽器屋さんに楽器を持っていくと、職人の方がよく楽器をコンコンと叩いているのを見かけると思います。


職人さんは色々な目的で叩いているのですが、剥がれがないかを確認している行為の一つですニコニコ


定期的なメンテナンスが大切
肝心の音色ですが、剥がれた状態では音色は「ボーッ」とした音がします。

こもった音というか、締まりのない音というか、、、

箱が空いてしまっているんですから、そりゃ楽器は鳴らなくなりますよねアセアセ

しかし、音色だけで剥がれに気づくのは難しいと思いますショボーン

音色はある程度違いますが聴き比べないと判断が難しいので、剥がれを経験した人でないと分かりにくいと思います。

楽器を弾く時に駒の角度をチェックするのと同様に、簡易的でいいので毎回楽器の状態をセルフチェックする習慣をつけると良いですねニコニコOK
(注意楽器をコンコン叩く時はくれぐれも軽い力で加減して行いましょう!!)

それでも剥がれを発見するのはなかなか難しかったりしますので、季節の変わり目(特に乾燥と湿気の季節)に定期的に楽器屋さんにメンテナンスに出すことをオススメします!!

素人目には大丈夫そうでも色々アクシデントが起こっていることは沢山ありますからアセアセ

信頼できる工房さんを見つけましょう照れ

修理の値段
剥がれの修理は、剥がれた箇所に膠(弦楽器製作の時に使われる動物性の接着剤)を塗り、クランプして数日置いておく方法が一般的だと思います🎻

(ちなみに、大量生産型の楽器は膠ではなくボンドのような接着剤を使用していますガーンアセアセ)

修理費は工房さんにも寄りますが1箇所3000円程度〜。

楽器の入院期間は3日前後です。

剥がれは放置し過ぎると板が変形してしまうことがあるので、長く放置はしない方が良いですパー

焦る必要はないですが、剥がれを見つけたら早めに修理に出しましょうニコニコ


板の剥がれは直せば楽器の状態としては全く問題なく使えます。

しかし、「問題ない」とか「良くあること」と言われても自分の楽器が剥がれるとショックでメンタルかなりやられますアセアセ

過度な乾燥を防ぐため、ダンピットや加湿器を上手に使って少しでも楽器への負担がないように冬を過ごしましょう!!