この世界を作るということ | 島くらしの手帖 瀬戸内海・周防大島編

この世界を作るということ

この世界を作るということができるのだろうか?

 

自分自身の手でこの世界、もしくはこの国の方向性を決められるだろうか?

 

一部の政治家や官僚が作るものと思ってはいないだろうか。

 

選挙でどこに一票を投じるか、それくらいの力しかないと思ってる?

 

その無力感からか投票にも行かない人が国の約半分、20代に関しては6割以上。

 

こんな数字を目にするとさらなる無力感に襲われる。

 

この世界を作るのは誰だろう?

 

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つい先日、とある大学生から質問があった。

 

「農業体験における技術習得」と「その技術を生かした農業法人への就職」について。

 

19歳の女子とは思えない渋い質問。

 

しかも農業大学というわけではない。

 

自分は人を雇うことを想像したこともないので、先輩農家を紹介して

 

44、45のおじさん二人と、1年生と4年生の女子学生二人がテーブルを囲んだ。

 

俯瞰した写真が欲しいところだが。

 

農業と雇用、WWOOFなどの農業体験、非農家出身の二人がなぜ農業をしてるのか?

 

など、農の話題を中心に話は進んだのだけれど、本題を離れたところが面白かった。

 

19歳の彼女はファーストフードを食べないという。

 

ご両親から止められているのかと思えば、そういうわけでもない。

 

彼女のお父さんはこんな風に言うそうだ。

 

「ものを買うということは、その企業を応援することになる」

 

「その会社が目指す社会の方向性に投じる一票になるのだから」

 

「自分がどんな社会にしたいのかを考えてお金を使いなさい」

 

というような主旨のことだった思うのだが、先輩農家の話も混ざっているかもしれない。

 

何を買うか、どこで買うか。

 

さらに、先輩農家は「どこの銀行にお金を預けるかもあるよね」と続けた。

 

「その銀行がどんな企業、どんな事業に融資、投資しているかを知る必要がある」

 

「軍事産業に関わる企業と付き合いがあるなら、戦争に加担するのと同じこと」

 

戦争のない世界を目指すなら。原発のない国にしたいなら。など。など。

 

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だから、この世界を作るのはオレたち。

 

環境に良い選択している企業を応援すること。

 

そんな商品がたくさん売れれば、そんな商品で市場があふれるはずだ。

 

売れないものを企業はつくらない。

 

消費者が求めるものを企業は売る。

 

環境科学者ヨハン・ロックストロームの話。

 

「環境が大事とわかっていても、コストが高くビジネスにならなければ、誰もやらない。」

 

「再生エネは、化石燃料より安くなって広がった。」

 

「今の変化は持続可能性にこそ収益性があり、成功の道と分かったから起きている。」

 

「持続可能な消費や暮らしが、最も安くて簡単なら、

 人々は地球や環境のことを考えなくてもそれを選ぶでしょう。」

 

気づけば、最近、無添加のもの、国産原料のものが手に取りやすくなった。

 

どんな世界に暮らしたいかを想像すること。

 

そこに向けて大それた行動を起こさなくても、

 

理想を形にした商品を手に取ることで、より良い選択をすることで、

 

この世界を作ることができる。

 

LOVE MAKES THE WORLD.