歌舞伎座 令和六年 壽 初春大歌舞伎 | 五反島愚記

五反島愚記

日々の取るに足らない話や、歌舞伎や歴史ついても、備忘のために書いていきたいとおもいます。
私的な愚記ではありますが、読んでいただければ幸いです。

歳が明けた4日から、東京へ3日間行くことになっていた。

歌舞伎座、浅草公会堂、国立劇場主催の歌舞伎公演を観ることを予定していた。

 

しかし、当日とても体調が悪くて行くことを断念した。

少し無理してでも行こうかと迷ったけれども、先月も2度ほど体調を崩していたので、しっかりと体調と整えるために諦めた。

 

とても楽しみにしていただけに、無念である。

 

特に、歌舞伎座での中村壱太郎の娘道成寺を観たかったので、残念で仕方がない。

 

 

しかし、どうしても壱太郎の娘道成寺を諦めきれなかった。

娘道成寺は役替えがあり、壱太郎は14日までの出演であるため、それまでに行かないといけないけれども、その後体調も回復したので、13日に思いきって歌舞伎座だけでも行くことにした。

 

七草粥を食べてから、体が回復してきたような気がする。

 

 

 

 

元気を出すために、新幹線の中で鰻を食べた。

売店のサンプルと比べると、鰻の枚数が少ない上に貧弱だったので、力が抜けた。。。

 

 

 

いつも新幹線は、富士が見える側の席に座るけれども、この日は間違って反対側の席を取ってしまった。

こんな日に限って快晴である。。。

 

 

東京駅から歌舞伎座までは歩くことにした。

病み上がりのせいか少し疲れた。

 

 

 

 

11月と12月は歌舞伎座へは行かなかったので、3ヶ月ぶりで久しぶりに来た感じがした。

 

 

 

正月らしい装いで、少し正月気分に戻ることが出来た。

 

 

 

 

 

昼の部

 

 

昼の部は三階席で、あまり良くない位置だった。

 

當辰歳歌舞伎賑

最初は五人三番叟で、若手5人による三番叟の格好をしての踊り。

華やかで躍動感あり楽しめた。


そして英獅子では一転、ベテラン3人による踊り。
どちらも、めでたい感じがし、ここでも少し正月気分に戻ることが出来た。

 

荒川十太夫

忠臣蔵の後日談で、廻り舞台と照明を効果的に使い、過去の回想を合わせた演出で面白かった。
 

狐狸狐狸ばなし

あまり期待してなかったけど、気軽に楽しめて、笑えた。
幸四郎さんも右近さんもいいな。

 

 

お昼ご飯は、銀座ひらいの穴子弁当を食べた。

 

 

見た目そんなに美味しそうに見えなかったが、こちらは朝の鰻とは違い、とても美味しかった。

本当にほっぺが落ちそうになった。

 

 

夜の部

 

 

夜の部は1階の前の方で、良い席だった。

 

鶴亀
女帝の前で、鶴と亀の舞。
真ん中の福助さんがとても良いエッセンスになって、絵になっていた。
とてもめでたい感じがした。

寿曽我対面
凄いベテラン揃いの配役で、何か豪華な感じがし見応えがあった。


息子
情緒的で、白鸚さんと幸四郎さんのやり取りが、とても印象的で頭から離れない。

 

京鹿子娘道成寺

壱太郎さんの娘道成寺、とても感動的した。
全体を通して柔らかく滑らで、華やかな舞いだった。
恋の手習の場面は、何とも色気があって素晴らしかった。

席が前の方だったので、その迫力を直接感じられて、本当に良かった。
所化の手拭は、3度ほど近くまで飛んで来たが手に入れることはできなかった。。。

 

今回の娘道成寺は、道行からの所化と花子の問答は省略された構成で、

花子は花道からは現れず、舞台下手から現れ、中啓で鐘を指し、乱拍子から舞い始めた。
そのため、花道での舞、所化への鐘供養の頼みなどは無かった。

 

玉太郎の所化は、アニメの一休さんみたいで、可愛らしかった。

 

 

 

 

 

諦めずに、思いきってこの娘道成寺を観に来て良かった。

もし行っていなかったら、一生後悔していたような気がする。