先日、歌舞伎座の錦秋十月大歌舞伎をみにいった。
今年は、今月が最後の東京になる。
十一月と十二月は歌舞伎座へは行かない予定だ。
二月から連続して東京へ行っていたが、新幹線からなかなか富士が見えず、今年は一回しか見られなかったので、ようやく富士を見ることができた。
今年最後に、とても綺麗な富士が見られてよかった。
前回同様、今回も品川で乗り換えて東銀座で降りた。
とても便利だ。
少し肌寒く、ジャケットを羽織る季節になっていた。
昼の部
天竺徳兵衛韓噺
松緑さんの異語話はとても聴きごたえがあった。
あまり好きな役者ではなかったが、先月の国立劇場での妹背山を観てから、良いなと思うようになった。
今回も役によく合っていたと思う。
妖術による蝦蟇の動きも、最後の大蝦蟇も圧巻で、見応えがあった。
文七元結物語
寺島しのぶが出演、山田洋次が演出することで話題になっていた。
効果的な舞台機構に、現代人にも分かりやすい話の流れと台詞で芝居が構成され、とても面白かった。
山田洋次の演出も流石だなと思った。
長兵衛を演じた獅童さん、文七の新悟さん、お久の玉太郎さん、角海老女将の孝太郎さん、近江屋の彌十郎さんと、どの役者の演技も素晴らしく、笑いもよく起こっていた。
ただ歌舞伎というよりも時代劇の新劇という感じで、歌舞伎って何だろうと思った。
現代の普通の芝居という感じだ。
夜の部
双蝶々曲輪日記 角力場
濡髪長五郎に獅童さん、放駒長吉に巳之助さん。
好きな演目だが、この二人の関取に何か物足りなさを感じた。
菊
雀右衛門さん、錦之助さん、男寅さん、虎之介さん、玉太郎さん、歌之助さんによる舞踊。
六人とも容姿が優れた役者なので、華やかで美しかった。
その中でも虎之助さんに見入ってしまった。
水戸黄門 讃岐漫遊篇
水戸黄門はテレビと似たような感じで懐かしい感じがした。
面白かったけど、この演目でも歌舞伎って何だろうと考えさせられた。
昭和五十年に初演されてから、一度も再演されておらず、なぜ今これなんだろうと思った。
今月の歌舞伎座は、何か物足りなさを感じた。
筋書
水戸黄門の上演があるからか、水戸銘菓の吉原殿中が売られていたので買った。
水戸出身の人から美味しいと聞いていて、一度食べてみたいなと思っていたけれども、
水戸に行くことも無さそうだったので、ちょうど良かった。
後日、食べてみたら美味しかった。
癖になりそうだ。
今年の歌舞伎座での観劇はこれで最後。
今年もありがとう。
また来年一月に。