先日、南座で行われていた九月花形歌舞伎でスーパー歌舞伎をみにいった。
この日はどんよりとした曇り空。
鴨川の風景も少々陰鬱な雰囲気を醸し出していた。
こうした天気の影響か、南座そのものもやや閑散とした雰囲気であった。
ただ、客入りは天気とは反対に大盛況である。
今年はよく南座に来ているような気がする。
新・水滸伝
スーパー歌舞伎には、気軽で観やすい魅力がある。
役者の言葉は明瞭で、物語の進行も容易に追えテンポも良く、華やかな演出も特徴的である。
しかし、あまりスーパー歌舞伎は好きではない。
音楽も生の演奏ではなくスピーカーから流れ、芝居自体も伝統的な歌舞伎にある深みや繊細さが欠けていると感じてしまう。
台詞は現代語を基調としており、歌舞伎よりも新劇に近い印象を受ける。
ただ、これもまた新しい形の歌舞伎としての魅力と捉えることもできる。
新・水滸伝は、多数の人物が登場する中でも、猿弥さんの王英や笑也さんの青華が印象的だった。
笑也さんの青華はその美しさと風格で魅了し、猿弥さんも独特のユーモアで盛り上げていた。
隼人さんが演じる主人公、林冲の活躍も圧巻で、特に龍に乗った宙乗りや立廻りの場面は非常に見応えがあった。
何だかんだ言いながらも、楽しいひとときを過ごすことができた。
筋書
帰り、一の傳により銀だらの西京焼きを買った。
ここの西京焼きは、とてもうまい。
雨がふりそうだ。