経済アナリストの森永卓郎さんがもし、ご存命であれば、参院選の自公票の結果を見てどんなコメントを発しただろう。

 

皆さんの賃上げを実現するため、値上げにご理解を。

ザ・自民党。

 

この言い回しに強烈なノー! を突きつけたモリタクさんである。

モリタクさんは「強欲インフレ」と呼んだ。

その理由はこうだ。

企業の値上げ5・5パーセントのうち、労働者への分配は0・1パーセントだったという数字がはじき出された。

労働者への分配はスズメの涙、

その強欲ぶりに歯止めが利かないかのようだ。

 

つい、こんな言葉を思い出す。

 

(世の中は)駕籠(かご)に乗る人 担ぐ人 そのまた草鞋(わらじ)を作る人

 

そして、こう思えてくる。

 

「駕籠に乗る人」とは財務省、および銀行などの金融機関

「担ぐ人」とは大手を含む企業

「草鞋を作る人」とは一般の労働者たち

 

モリタクさんはグローバル資本主義からのグレートリセット、そして新しい経済社会の構築を願った。

グローバルからローカルへ、大都市集中から地方分散へ、と。

 

そして、こう勧めた。

 

大都市生活を捨てて生活コストを下げよう

ブルシット・ジョブ(歯車と同様な仕事)には面従腹背で対抗しよう

ガツンと選挙権を行使しよう

税金、社会保険料を極力減らし、住民税非課税世帯をめざそう

いちばん安いものをいちばん安い店で買おう

投資はするな

 

先の「駕籠」に例えるなら不動産業はどうか。

私見はこうだ。

不動産業は「担ぐ人」だ。

マイホームを求める「草鞋を作る人」を次々と金融機関に上納する。

「駕籠に乗る人」である金融機関は、上納された「草鞋を作る人」の属性をきっちり選別した上で長いローンを組む。

「草鞋を作る人」が亡くなったりすれば、保険金によってローン返済はチャラだ。取りっぱぐれがない。

盤石で巨大な集金マシーンである。

 

モリタクさんが指摘する「強欲インフレ」。

私は「草鞋を作る人」が互いを寄せ合い、「強欲インフレ」に対抗する「シニア食堂」をローカル地域に立ち上げよう。

 

私の背骨は、あるいは、ひょっとしたら、モリタク(森永卓郎)さんで出来ているのかもしれない。