抜けることへの強い不安

気管切開をしてからずっと心配だったのは

 

「カニューレがもし抜けてしまったらどうしよう」ということでした。


退院前に病院で緊急時の心臓マッサージなども習ったことで、

 

かえって

 

「抜けたら呼吸できなくなるのでは?」

「何秒まで大丈夫なの?」

「自分で引き抜いてしまわないだろうか」

「寝返りで取れてしまうんじゃないか」

 

と不安は増すばかりでした。


バンドだけで支えて大丈夫なのかと、常に頭の中に不安がつきまとっていました。

 

実際に起きた「1回の抜去」

退院してから2歳になるまでに、実際にカニューレが抜けてしまったのは

 

たった1回だけでした。
 

それは退院から1週間ほど経った頃のこと。

 

夜間は発育のため呼吸器につながれていたのですが、

 

朝起きた時に寝返りで管が絡まり、

 

体を起こそうとした瞬間にカニューレが引っかかって抜けてしまいました。

 

そのとき周りの皮膚を傷つけて出血し、

 

私はパニックになってすぐママを呼びました。


ところがママは冷静に対応し、カニューレを一発で再挿入。

 

休日でしたが念のため病院に連絡して受診し、

 

レントゲンで正しく挿入されていることを確認。

 

さらに新しいものに交換してもらいました。


先生から「よく対応できましたね」と褒められたママの姿は、

 

今でも強く印象に残っています。

 

 

その後の生活と工夫

それ以降は特別に過敏になったわけではなく、

 

普通に生活をしてきましたが、

 

カニューレが抜けそうになったことすら一度もありません。


バンド交換は必ず2人で行うことをルールにし、

 

もし1人しかいないときはミチには申し訳ないけれど

 

バンドはそのままにしてガーゼ交換だけにしていました。

 

その際はタオルで首回りを丁寧に拭くなど、

 

できる範囲で清潔を保つよう工夫しました。

 

2歳になって思うこと

「もし抜けたら」という強い恐怖は今でもゼロではありませんが、

 

実際に過ごしてみると拍子抜けするくらい安定していて、

 

心配していたような場面はほとんどありませんでした。


最初の1回の経験があったからこそ、冷静に対処できる準備ができたとも思います。