声が出ないことへの不安
気管切開をした当初、私が一番不安に思っていたのは「声が出ないこと」でした。
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鳴き声が聞こえない
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痛いとか苦しいとかがわかるのか
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呼ばれていることに気づけるのか
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カニューレが抜けたり、呼吸器が外れたときにすぐ気づけるのか
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さらに、声が出せないことで言葉の発達が遅れてしまうのではないか
という不安もありました。
遺伝子検査の結果もまだ出ていなかったので、
「この子は話せるようになるのかな」と心配ばかりしていました。
NICUで感じたさみしさと変化
NICUで面会をしていた頃、他の赤ちゃんの泣き声は聞こえるのに、
わが子の声は聞こえない。
その事実はとてもさみしかったです。
ただ、かすかにかすれたような音は出ていて、
なにより顔をくしゃくしゃにして泣いている表情で
「泣いているんだ」「笑っているんだ」と伝わってきました。
だから次第に「声が出ないこと」自体は気にならなくなっていきました。
1歳を過ぎてからの変化
1歳を過ぎてスピーチバルブを付け始めると、
人工鼻のままでも「あー」「うー」と小さな声を出せるようになりました。
さらにスピーチバルブを使い始めてからは
驚くほど大きな声が出るようになり、
夜に人工鼻に替えるときは夫婦で「スイッチオフだね」と笑ってしまうほどでした。
上の子(トミオ)が夜泣きで大変だったのに対して、
ミチは昼間も静かで、夜も20時に寝れば朝までぐっすり。
そういった意味では全く苦労がなかったのも意外な一面でした。
2歳前後のことばの成長
2歳が近づくころ、
「ママ」や「ババ」といった言葉がはっきり聞こえるようになりました。
なぜか「パパ」はなかなか出ず、ようやく出たのは「おーお(とーと?)」。
そのときは嬉しくて泣きそうになったのを覚えています。
2歳3カ月になると二語文も出るようになり、
仕事に行くときは「おーおー、ばいばい」と言って送り出してくれます。
最近は「め組の人」にハマっていて、すぐに「め!」と要求。
音楽がかかると楽しそうに踊る姿も見せてくれます。
今、振り返って思うこと
気管切開をした当初は「声が全く出ないのでは」と強い不安を抱いていましたが、
実際には上の子と比べても大きな違いはなく、
むしろ日々の工夫や成長の中で声もことばも少しずつ育ってきています。
あのときの不安は、今となっては「大丈夫、ちゃんと成長していくんだ」
と思わせてくれる大切な経験になっています。