『おさつじん事件』シナリオ | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
○南の島の列島 『おさつじん』の海辺
 
   透き通る海辺
   寄せる波返す波・地平線の入道雲
   真夏の太陽が光る
 
N「南の列島のしっぽにプカプカ浮かぶ
『おさつじん』という島があった」 
 
   カモメと夏蝉の声がする
 
○赤丸天文台
   善郎パソコン画面で『おさつじん』の地図を見ている
善郎「ん、惑星は避けることが出来たがその後、『おさつじん』に隕石が落ちたか」
直人「さつま大橋あたりに穴が空いたらしい」
善郎「そして犠牲者が出たか」
直人「残念だ」
善郎「あの地域は夏野菜たちが昔からたくさん村を作っている地域だな?」
直人「おう、野菜城も建てた。でも城壁が崩れたらしい」
 
○首相官邸地下室
 
   テレビ電話をしている首相と七郎
 
首相「あ、七野善郎君か?」
善郎「はい。こちら明石天文台。赤丸天文台地下室に酒を入れ、地球をほろ酔いにして、惑星をうまく回避したのですが・・・、そのあとまさか『おさつじん』へ隕石が落ちるとは災害とはやはり予測できないものですね」
首相「七野善郎君、よくやってくれた。起こるものは仕方がないがその後どうするかだ」
善郎「残念ですがそうですね。救援・援助がうまくいくといいですね」
首相「私もこの官邸の地下室で采配をがんばるよ。このきれいな島【『おさつじん』復興計画】をね。全力を尽くすよ」
善郎「グッド、ジョブ!」
 
  テレビ電話が切れる
 
○『おさつじん』交番
  小倉( おくら)刑事が事故ファイルをみている
小倉刑事M「ん、西田邦子( くにこ)、一九八一年(昭和五十六年)八月、旅行中に航空機墜落事故にて死去か」
那須( なす)警部「ああ、それは飛行機事故だったね」
小倉刑事「西田邦子は最後の自分のエッセイで飛行機事故を恐れていた。その3カ月後の事故だったとか、惜しい人を亡くした。でも、まさかね?」
那須警部「プロペラの具合が悪かったらしい。みんなが不思議がるが事故だろうね」
 
○『おさつじん』スパイス・アジト
   唐辛子親分と黒湖沼( くろこしょう)の密談
唐辛子親分「まさか、隕石が落ちるとはナ」
黒湖沼「へい、親分、びっくりしましたぜ」
唐辛子親分「おかげで俺たちのアジトもくずれた。今はアジトの前でテント暮らしだ」
黒湖沼「これからどうしたらいいか」
唐辛子親分「黒湖沼、あの計画だけは絶対に進めるからな。夏はあれに限るからな」
黒湖沼「へい、親分、」
唐辛子親分「どうにか、あの工場は崩れなかったしナ」
黒湖沼「へい、しっかり( きゅう) ( り )多磨互 ( たまご ) ( は ) ( む )を連れて来て見守っておりやス」
唐辛子親分「そうか、そうか、頼むぞ」
 
○「おさつじん」交番
 
   電話の鳴る音
   戸的( とまと)刑事、電話を受けている
 
戸的刑事「はい、はい、そうですか~、すぐ駆けつけます」」
那須警部「何だ、事件か?戸的刑事」
戸的刑事「あ、郷野( ごうや)くんから九利と多磨互たち葉武たちの悲鳴が聞こえたトラックが工場へ向かって行くのを目撃したそうです」
那須警部「なんだと!タレこみか?」
戸的刑事「はい!」
那須警部「すぐ現場に向かえ!」
 
○スパイス・アジト・工場前
 
   ギラギラの太陽
   戸的刑事、汗をタオルハンカチで拭きながら
戸的刑事「郷野くん、どこで見たか、教えてくれるか」
郷野「はい、どうもこの工場に入って行くときものすごい悲鳴を聞いてびっくりして」
 
   スパイス・アジトの工場が見える
 
戸的刑事「この、工場へねぇ~」
郷野「今は静かなようだ」
戸的刑事「ヨシ、事情聴取だ」
 
   戸的刑事、工場の警備室にノックをする
( おか)日敷 ( ひじき )警備員「はい」
戸的刑事「この郷野くんが九利と多磨互、葉武の悲鳴の聞こえるトラックがここを通ったというのだが・・・・・」
 
   岡日敷警備員、声を震わせながら
 
岡日敷警備員「あ、あ、ちょうどサスペンスのドラマを見ていたから、その音声ではないですか?」
戸的刑事「そういえば、サスペンスドラマの時間かな?」
郷野「ま、一応そういう時間は時間かも」
 
   岡日敷警備員、ニヤっと笑う
 
○スパイス・アジト・工場・隔離室
 
シソ課長が工場内を歩いている
 
九利「おいらたちはどうなるンだ」
多磨互「こんなところに閉じこめられるなんて」
葉武「おいらの自由はどうしてくれるンだ」
シソ課長「おまえたち。この暑苦しいのに静かにしていろ」
 
  シソ課長が通り過ぎる
 
九利「なんとか逃げ出す方法はないか?」
多磨互「そうよ、そうよ」
葉武「・・・・・・、いい知恵ないか」
 
   九利が息を吐きながら入道雲を作 る。天窓が開いている
 
九利「この入道雲に乗って天窓から脱出しようぜ」
多磨互「何?この雲?九利さんは雲を作れたの?」
九利「まあね。水分と息の温度の具合をチョチョチョイとね」
葉武「なに?キントン雲か?」
九利「みんな、乗れよ。あの天窓から脱出さ」
多磨互・葉武「ヨッシヤー」
 
   隔離室の天井に浮く入道雲
   三人は夏空に飛び出す
 
○Cビル・511教室
 
   つむじ風が起きる
   教室に入道雲に乗ってフワフワ浮いている
   九利・多磨互・葉武
 
多磨互「ここ。どこ?」
九利「ささ、さあね。」
葉武「いいさ。どこでも。苦しい想いをした隔離室からとにかく逃げ出せたンだ」
Yさん「やあ、君たちの苦しみを聞いて買ってくれる小説を書いてみるよ」
九利「あ、大変だったンだ。隕石は落ちるは怪しい工場に隔離されるわ」
Yさん「あ、いいよ。話を聞くよ。きっと楽になる」
Kさん「私は相談屋を紹介するわ。きっと悩みを聞いてくれるわよ」
多磨互「ここにいる人ってとってもやさしいのね」
葉武「う、うれしい。感謝、感激、雨、あられ、集中豪雨、大粒の涙」
九利「じゃ、皆さんにご挨拶しようか」
多磨互「いいよ。せいの」
九利・多磨互・葉武「暑中お見舞い申しあげます」
 
   つむじ風が起きる
   そこへ、黒湖沼が追いかけてくる
 
黒湖沼「おい、お前たち、逃げ出したな!」
九利「あ、黒湖沼だ。ヤバい。みんな捕まえるな。逃げろ。この入道雲にしっかり乗っているンだ」
多磨互「どうしてここが?」
黒湖沼「待て! お、おまえたちは逃げられないゾ。GPSで解るに決まっているじゃないか」
九利「捕まってたまるか。ヨシ、みんな逃げるンだ。捕まれ。飛ぶぞ」
黒湖沼「待て~」
 
九利「かまいたち攻撃」
黒湖沼「イテテテ、何するンだ。待て~」
 
白い竜巻が起きる
    九利たちと黒湖沼は511教室から消える
 
Aさん「今の、何だったのかしらね」
みんな「びっくりした」
Mさん「彼らは命を狙われているということなの?助かって欲しいよね」
 
○スパイス・アジト、
唐辛子親分「黒湖沼、よくやった。九利と多磨互と葉武を捕まえてくれたンだね」
黒湖沼「へい、親分、無事、捕まえました」
九利「この悪党、おれたちに何をするつもりだ」
唐辛子「この暑い夏、冷やし中華を食べんとやってはいられないのだ。具はきゅうりとハムとたまごさ。このために綿密な計画を立てた訳さ」
黒湖沼「夏は冷やし中華に限る」
   冷やし中華に九利と多磨互と葉武が寝かされている
九利「やめろ、ぼくたちを餌食にするつもりだったンだな」
多磨互「いやだ。助けて」
葉武「そのつもりであの工場に連れて行かれたのか!」
唐辛子親分「おまえらは黙っていろ。唐辛子をかけて食べてやる」
九利「何だと!」
葉武「万事きゅうす」
多磨互「あ~、食べられるなんて」
 
   唐辛子親分が箸を持っている
そこに戸的警部が現れる
 
戸的警部「冷やし中華はオレ、トマトもないとイマイチだが現行犯で逮捕する」
黒湖沼「どうして、ここが?解ったンだ」
戸的警部「岡日敷警備員の様子がおかしか
ったので、ずっと見張っていたら、ここ
とのシンジケートを掴めた。観念しろ。
唐辛子!」
   戸的警部、唐辛子親分と黒湖沼に手錠をはめる