たばこのけむり  (ブログ用ショートのものがたり) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
〇大海原
   大きなクジラが口を開けている。
 
〇大きなクジラの口の中
   漂流してアバラ小屋をクジラの口の中に建て住んでいる四人家族がいる。
 
キィ「ここはおさかなやタコが飛びこんでく
るから、なんとか食べものには困らないけ
れど・・・・・・、」
フー「あ、きた。タコだ、ウー、一緒につか
まえよ」
   アバラ小屋にタコが飛び込んできた。
   フーとウーはタコを捕まえようとはしゃぐ。
キィ「なんで私たちはこんなところで暮らさ
ないといけないンだい?」
   ルーをにらむ。
   ルーは流木に座って頭の毛がクシャクシャでタバコをふかす。
キィ「ウワ―、ケムイケムイ。あんなにタバ
コをやめてくれっていっているのに平気な
ンだから」
フー「ケムイ~、クサイ」
ウー「クサイ」
キィ「こんなところまで流されてもタバコを
吸うなんて、なんてこった。ここは、一
 部屋なのだから。何で私もこのけむりを一 
緒に吸わないといかんの? 吸われれば、十分以上一緒さ。本人が吸い終わってもまわりがもっとケムリの中さ。あ~、ヤダヤダ」 
キィ、渋い顔をする。
キィ「こんなところまで流されて、みんな仕事のできる人はさぁ~、タバコはやめました。って、幸せに暮らしているのに」
   キィ、流れてきた海草を乾かして網を
作る。
フー「このタバコには健康に害がありますって箱に書いてあるよね。な、ウー、」
   フー、タバコの箱を見る。
ウー「うん」
キィ「やめてといっても聞かんなら、私たちが外に出よう」
フー、ウー「うん」
キィ、とフー、とウーはアバラ小屋を
出る。ルー、タバコを吸いながら、目
を開き、瞬きする。
 
〇大海原
   雪が舞い落ち、風が吹く。
キィ「う~、寒いね~、」
フーとウー「寒いよ~」
   キィとフーとウーはふるえている。
 
×××
 
〇クジラの口
   雪がたくさん降り積もる。
   又、ルーは何もしないでしかめつらで流木の上でタバコをふかしている。ウーがおおきな貝殻でタバコが来ないように仰いでいる。
フー「ん、また、タバコのけむりかい・・・・・・、」
キィ「・・・・・・、」
フー「キィ、待っていてね」
   フーが小屋の扉を開けて出て行く。
キィ「フー、どこへ行くの?」
ウー「フー、どこに行ったの? キィ?」
   フーが扉を開けて、キィを呼んだ。
フー「キィ、おいで、おいで。ぼくがキィとウーのためにタバコのけむりの来ない部屋を作ってきたよ。おいでよ」
キィ「タバコのけむりの来ない部屋かい?」
ウー「フー、が作った?  作った、」
   ルーは、目を細めてキィたちを見た・
   キィとウーはフーに誘われてアバラ小屋の外に出た。
 
〇クジラの口の入り口
   雪のかまくらが出来ている。
キィ「フー、これは雪のかまくらが出来て
いるじゃないか。どれどれ、入ってみよう」
 
〇かまくらの中
ウー「タバコのにおい、しない」
キィ「ウー、ありがとうね。キィは幸せだよ」
   かまくらの出入り口から、きれいなダイヤモンドダストが降っているが見える。
キィ「きれいだねぇ~」
フー「どうだい。キィ」
キィ「ありがとう」
   フーの鼻が5センチも伸びた。
フー「ぼくは、いいことをしたから、悪い商
人が僕を見世物にしようとしても、きっと
神様が守ってくれるね」
キィ「そうともさ、フーは大丈夫さ」
ウー「そうともさ、フーは大丈夫さ」
   クジラはキラキラのダイヤモンドダストの大海原に潮を吹きながら旅をしている。
 
〇キィの家
   キィ、こたつで眠っている。
   ルーは別の部屋で目を細めてタバコを吸っている。キィ、ねぼけまなこで起きる。
Mキィ「あ~、夢か。うわぁ、また、たばこ
のけむり。何度言ってもやめない男!」
   ルーの神経質そうなにタバコを吸う顔。
   キィ、こたつの上のマスクをつける。
Mキィ「うっ、これしかない。たばこのけむ
りには自己防衛。マスクしかない。この家
はどこに逃げてもすき間だらけなンだ」
ウー「マスク、マスク」
   フーからの手紙。
   『キイ、ルーはまだタバコを吸っているのか? あれね、ぼくもけむりを吸いたくないのに、大変だったよ』
Mキィ「ほんとだね。元気でやっているのか    
なぁ~。フー。優しい子だから、一人暮らしでもきっと神様が守ってくれる、あ、窓の外にキラキラの雪だ・・・・・、」
             終わり。