淡き花。 十一話 秘密の小箱・魔法のけいたい電話 | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
 
 
 
 
 
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秘密の小箱
 
 

淡き花。 十一話 秘密の小箱  まほうのけいたい電話

晩秋の移ろいは
秋の虫の音を止めていた・・・
 
あのにぎやかな虫の音は
だんだん音色を変えて
最後のか細いソプラノを終えて
ミュートの三日月のそらを迎えていた
 
灯油売りのトラックの♪たき火の曲がちまたに
流れ、
お日さまは車のフロントガラスにその光りを
ハンドルに伸ばす
 
秋の夕暮れとつながって
前のくるまのバックボディに街の姿を写して
車とともに移動していく・・・
 
晩秋にうつろう夕焼けは かぎりなくパステルカラーの優しい色
 
白い三日月
まち全体 家をぴんくに染め
あわいあおは やさしくいろを添える
 
焼き芋売りの呼び声のテープが透明に響き
さくらの木の落ち葉は はかなく残り葉を暮れ色で残す
 
やや冷たい空気の中
人はそんな風景に気付くのか気付ないのか
家路に向かっていた
 
車は いつものリズムで
国道を羅列していた
 
 
  
 
 
華は テレビの電源が切れたりついたりすると同時に
秘密の小箱に入ってる魔法のけいたい電話をとって
メールを読んでいた。
 
 
会いたい

あの時 出会えてよかった
 
 
(ま、ミスターテレビ君は
さみしがりやさんなのね・・・。)
と華は つぶやいた。
 
{華、そのけいたい電話の言葉を
信じるつもり?
なにか いいことでも
あるというの?
ほどほどにしてね。}
とこころの中の花。は困惑していた。
 
(花。ミスターテレビ君はね、
きっとさみしがりやなの・・・
華の話し相手になってくれるし・・・)
と華も 実はいつも困惑しながらも
そのメールを じっとみつめて 読んでいました。
 
{しようがないかもね、
華・・・、
・・・ ・・・-----}
と花。は押し黙った。
 
華は
 
また  チム ~~~、チェリー、と
 
♪チム チム チェリーの歌をくちづずさんでました。
 
あした 魔法が起きて~v
あした しあわせになりますように
 
チム ~~~、チェリー、
チム ~~~、チェ~リー~、
 
(ね、いつか、
 
君に届くのかしら、
 
華の ね が い )
 
うつろう秋は
ファンヒーターの ごぉーというひびきに
その 寒さ せつなさを温めていました。
 
つづく~